あらすじ
忙しい現代、「仕事」と「家庭」を両立するにはどうすればいい?
昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を分析して見えてきたのは、ディスコミュニケーションにあえぐ「夫婦」の姿だった――。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』『考察する若者たち』
今最も注目の文芸評論家が「物語」を通して「家族の形」に切り込む!
これからのパートナーシップのあり方を見直すための夫婦論。
・【推しの子】、『THE FIRST SLAM DUNK』『汝、星のごとく』の共通点とは?
・月9ドラマ『海のはじまり』が描こうとしたものとは?
・なぜ村上春樹が描く「夫」は沈黙するのか?
・坂元裕二が『ファーストキス』でたどり着いた「夫婦」の形とは?
……etc.
日本を席巻した物語が浮き彫りにする問題ーー「夫婦」の不在。
どうすればパートナーシップのディスコミュニケーションは解消されるのか?
それでもやはり思うのだ。「日本の物語に、もっと、夫婦がいてほしい」と。
なぜなら文芸は現実の欲望をうつすものだが、同時に、文芸は現実の欲望に影響を与えるものだから。
ーー三宅香帆
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Posted by ブクログ
パートナーシップについて論じた一冊。
価値観の違う二人が一緒に暮らすことの難しさを日々感じているからこそ、とても心に刺さり、すでに二度読んだ。
夫婦を取り巻く社会的な背景を知ることで、相手への理解も少し深まる気がした。また、人間関係を「親密な関係」と「共同性」という視点で捉えることが、パートナーシップを続けていくヒントになるのだと感じた。
明確な答えを示す本ではないが、だからこそ自分自身の夫婦関係や人とのつながりについて考えるきっかけを与えてくれる。また、村上春樹論として読んでも最高に楽しめるので、多くの人に読んでほしいと思える良書だった。
Posted by ブクログ
男性優位な職場で「ヘラヘラ笑ってしまう自分」に辟易していた私へ——三宅香帆『「夫婦」不在社会』が教えてくれた生存戦略の正体
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三宅香帆さんの『「夫婦」不在社会』を読み、途方もない閉塞感と同時に、長年胸の奥に仕舞い込んでいた痛みの正体を突きつけられたような感覚を覚えた。
特に心に刺さったのは、「父の娘」という構造についての記述だ。
> 『父権的社会に入り込むために、男の誘惑者であることを学ぶ。父あるいは男性にただ抑圧される娘であるのではなく、彼らを誘惑し、彼らの欲望を満たすように仕向け、それゆえに父権制をより強化するという構造。そこから脱却して息子になろうとするも、なりきれず、結局「どこへも行けない」。』
>
この一節を読んだ瞬間、私は自分の職場での立ち振る舞いを思い出して胸が苦しくなった。
男性が圧倒的多数を占める環境の中で、アファーマティブ・アクションに対する男性陣の不満や軽口を、波風を立てないようにヘラヘラと笑って受け流してしまう自分。本当は強い違和感やフェミニズム的な意見を主張したいのに、その場の雰囲気に迎合し、「わかっている女」「危害を加えない女」を演じてしまう。
「なぜ私はもっと毅然とできないんだろう」「なぜ自らこの構造を強化する側に回ってしまうんだろう」と、自分自身に辟易し、自己嫌悪に陥る日々だった。
しかし、本書を通じて視界が開けた。
あれは私個人の弱さだけではなく、社会の構造が強いてくる「父の娘」としての生存戦略であり、同時に「どこへも行けない」システムそのものだったのだと。
この本は、単に「夫婦」という2人組の関係性を論じるにとどまらない。職場の上下関係や、責任を伴うあらゆる人間関係の中で、自分の居場所を見失いそうになっているすべての人に刺さる一冊だ。
特に、いま職場で居心地の悪さや葛藤を抱えながら働いている女性や、これから社会に出ていく女性に手にとってほしい。
自分を責めるのをやめ、自分が置かれている「構造」を冷静に客観視するための強い武器を、この本は与えてくれる。
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わたしは、この本の導入でかなり引き込まれた。
夫婦は固有の関係性なので、千差万別で語るのが難しいと思うが、この本を読んで“夫婦”についての自分の思考が少し解れて楽になった。
特に、第4章。この章については、もう少し考えたいと思っているが、コミュニケーションやケアのことが描かれている。他者と傷つけ合い時間を掛けて修復すること、そして、その時間がある意味、現代では軽視されたり、バグとして扱われてしまうこと。
自己の回復にも、コミュニケーションにも、そして、相手へのケアにも。時間を掛けることについて、改めて考えたり意識したり、そういうことをしていきたい。
あとがきも、著者の方の思いが詰まっている文章だと感じました。夫婦に限らず、何らかの関係性に躓いたら、何度も読み直したい。
Posted by ブクログ
相手も自分も傷つけたあとにやっと関係を新しく構築できるのがパートナーというものであるとするならば、大きい傷つけ合い(いわゆる喧嘩)は、二人の関係性を大きく変えていける物語のひとつであり、本で言うところの第⚪︎章みたいなものなんだろうか。公と私を半身で、かつ、やり過ごすことで、夫婦のディスコミュニケーションを防ぎ、横のつながりを構築できるのかもしれない。公と私、このどちらにおいても「組織」としての役割が必要である。また、「私」においては、互いが共同経営者として対話を続けていくことが大切なのだろう。
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この本は、恋愛や結婚が個人の選択とされる一方で、夫婦がともに生きるための時間や余白が、社会から少しずつ失われていることを、物語や作品を通して読み解いていく。
家事は分担し、気持ちは言葉にし、問題が起きたら冷静に話し合う。そうすれば、夫婦はうまく運営できると思っていた。
でも実際の仲直りは、そんなに整然としていない。タイパやコスパが重視される今、夫婦で向き合ったり、時に膠着する時間は無駄に見えるかもしれない。
それでも、分かり合えなさを抱えたまま相手のそばに留まり、何度でも話そうとすることこそ、夫婦でいることだ。
小説を読むことも同じだと思った。
あらすじや結論だけなら短時間で知ることができるけど、登場人物と一緒に迷い、遠回りする時間があるからこそ、心に残るものがある。
夫婦も小説も、《時短》から遠いところにいる。
簡単には分かり合えないからこそ、分かり合いたいと思える夫との時間を、これまで以上に大切にしたくなった。
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面白くて一気に読んだ。村上春樹さんの多くの作品から、その時代の家父長制や夫婦、親子(父子、母子)の関係を背景にした考察が紹介されている。本書を通して、時代とともに変化してきた夫婦や家族のあり方について考えさせられた。
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公と私を考えるようになった
公が私を侵食している!!と思いながら生活することが増えた
今は私を取り戻そうとしているのだ!と意識できるようになった
Posted by ブクログ
2026.47
書き出しがセラピーのようで気に入って
一気に読んだ
「夫婦が不在な社会」には興味がないけど
目次が村上春樹批評のようで気になっていた本
そうか〜!これをこう読むのか〜!
という新しい視点をもらって目から鱗
村上春樹に感じていた/気になっていたことの
輪郭が見えてきて晴れやかな気持ちになった
まだ読んでいない他の村上春樹作品も読みたい!
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夫婦について。ドラマや小説から読みとく。
村上春樹好きな人は読んだら面白いと思う。
花束みたいな恋をしたの映画を見ていたので
すっと内容が入ってきました。
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サイン本が売られていたので買ってみた。確かに村上春樹の本からの引用がほとんどだけど、第4章からの著者の考察は読むに値すると思う。誰しも夫が公的な存在であって沈黙するといえばそうでもないのでは…と夫との口喧嘩に勝てない私は思うのだけど笑、本音で話し合い、傷をつけても一晩で解決する話し合いでなくても、時間をかけて構築していく夫婦や家族の関係も、唯一無二のものとして大切なのかなあと読んでいて感じた。夫婦の閉鎖的な関係だけでなく、第三者に相談することによって共同性にシェアすることによって風通しが良くなり、問題の根本的なところに気がつくこともできるのかーとの気づきもあった。第4章までの文学の引用は正直読んでいて眠くなるところもあったけど、最後の考察は良かった。
Posted by ブクログ
長い目でみると、この本はナゼハタにめちゃくちゃ近いなーと思いながら読んだ。公のタイムラインから逃れる。テンポをずらす。
ここまで夫婦に向き合う本ははじめて読んだ。自分の生活と照らし合わせるととてもしんどくなってしまうところもあったけど、読んでよかった。
Posted by ブクログ
初めて三宅さんの本を読んだ。
新書でありながら読みやすく、また村上春樹論としても興味深かった。
特に自分が観ていまいちだな、と思っていたファーストキスに関する記載はなるほど。。と思った。タイムリミットがあることで男性的役割から降りることができた、と考えるとあの結末は納得かもしれない。
Posted by ブクログ
なぜ働いていると本が読めなくなるかが、花束みたいな恋をしたについて引用しまくってるとしたら、この本は村上春樹を引用しまくってる
確かに言われてみると、親子やシングルマザーをテーマにする作品が多い。男、ないしは夫婦をテーマにする小説に心当たりがない。夫婦問題もあるとしたらすぐ不倫。
売れないタイトルに名前を変えるとしたら、村上春樹から考える夫婦像かな
Posted by ブクログ
親子や夫婦関係について哲学することができました。
登場する作品について知らなくても楽しく読み進められます。
公的な時間による植民地化を防ごうと思いました。
Posted by ブクログ
2026年11冊目
三宅香帆の村上春樹論ということでわくわくして購入。眠りの部分だけでも読む価値あり。おもしろかった!
ただ全体的に「かもしれない」が多く、言いたいことのためにちょうどいい文章を持ってきている印象。少し薄いような…それが読みやすさにつながっていると思うのだけれど、夫婦はゆっくり対話すればいい、という結論も真新しさがなく、最後はふたたび半身論。
内容を絞り濃くして、ただの村上春樹評論にしてもよかったのではないでしょうか!!!
Posted by ブクログ
村上春樹作品を読んでいた気になっていたけど作品名が出てくるたびにそんな話だったっけ、、と再読したくなるもの数点(速攻予約した)。夫婦、親子、外とうち、組織と個、人間の関係性に着目して色んな本やドラマや映画が登場する、これぞ三宅香帆節。で、最後にはもっとゆっくり、本を読んだり、人に対して声に出して過ごしたりする大切さをとくのもこの人の十八番。
Posted by ブクログ
母と娘の関係性について納得した。
親が夫婦間のケアをできる関係にないがために、娘息子が母のケアをすることになる。
その結果、娘息子が母との関係に苦しむのだ。
夫と妻がお互いを労り子供には負担をかけたくないと思った。