あらすじ
忙しい現代、「仕事」と「家庭」を両立するにはどうすればいい?
昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を分析して見えてきたのは、ディスコミュニケーションにあえぐ「夫婦」の姿だった――。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』『考察する若者たち』
今最も注目の文芸評論家が「物語」を通して「家族の形」に切り込む!
これからのパートナーシップのあり方を見直すための夫婦論。
・【推しの子】、『THE FIRST SLAM DUNK』『汝、星のごとく』の共通点とは?
・月9ドラマ『海のはじまり』が描こうとしたものとは?
・なぜ村上春樹が描く「夫」は沈黙するのか?
・坂元裕二が『ファーストキス』でたどり着いた「夫婦」の形とは?
……etc.
日本を席巻した物語が浮き彫りにする問題ーー「夫婦」の不在。
どうすればパートナーシップのディスコミュニケーションは解消されるのか?
それでもやはり思うのだ。「日本の物語に、もっと、夫婦がいてほしい」と。
なぜなら文芸は現実の欲望をうつすものだが、同時に、文芸は現実の欲望に影響を与えるものだから。
ーー三宅香帆
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Posted by ブクログ
村上春樹小説を通して、夫婦のディスコミュニケーションを説く、という内容。村上春樹を読んでいるとなお一層理解が深まりそう。
三宅さんの『母が娘を殺すには』も読まなきゃ!
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【フルタイムワーママ必読】
未就学児を抱える身ゆえ残業できない負い目があり、「人一倍成果を出さないと(成長しないと)会社で居場所無し」いう「成長の呪い」に休日も育児中も脅かされる日々。とはいえ子供がいれば休日に働くこともできず、体力もなく、描く理想の姿とのギャップでずっと息が苦しい。
本書によれば、それは「私(生活)」の時間が「公(生産)」の植民地化されている状態。「やりがいのある仕事」のために、「私(生活)」の時間まで「公(生産)」に捧げている状態。
出産を経ての気づきだが、「公(生産)」で重要視される効率性、生産性は育児と相性が悪すぎる。脳を完全に切り替える必要があり、それがまたつらい。子供を産むまでは365日24時間体制で対応可能だったから、ギャップをまだ受け入れきれない。
本書では、意図的に「私」の時間を確保する大切さが説かれていた。
35歳を迎えて思う。「公」に自身を捧げた先に何が残るのか。成果? 仲間? 自己肯定感?
「私」を充実させることこそが、自分を豊かにするのではないのか?
とはいえ怖い、会社員というレールから降りるのが怖い。「公」から身を引いたら、成長しなくなるであろう自分が怖い。情報のアップデートがされなくなる自分が怖い。インプットしたとてアウトプットの場がないことが怖い。承認されなくなることも怖い。
それってつまり、いわゆる男性と近しい思考なのかもしれない。
まずは段階的に、「私」の時間を切り分けるところから。
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パートナーシップには2つ
共同性(シェア) お互いを傷つけ合わないような、労わる関係性
親密性(ナイショ) 傷つけ合う関係性 この人だけにはわかって欲しい 一対一のナイショの繋がり 時間の経過によって、状況や人は変化していき、ナイショは無限に生まれる。お互いを傷つけることになる。秘密の傷つきを治すには時間が必要である。またナイショの繋がりによる傷つけあいにはリスクがある。第三者(シェアできる相手)が必要になる
戦後日本の家庭モデルでは、夫は生産(家庭に稼いだ金を持ってくること)、妻は生活(母として子との結びつきを強めること)が成熟とされた。そのモデルは社会構造とともに変わりつつあるが、パートナーシップとの結びつきの内実は変化のないままである。
結婚における男女の役割を背負う、その正しさから脱却することで、結婚後も恋愛感情を無くさむにすむのではないか。
私たちの忙しさは、私的時間が公的の論理に隅々まで植民地化されている。公と私を行き来するのが人生である。加速する労働環境から、あえて距離を置く、ずらす時間をつくる。仕事と生活のどちらにも、時間と身体を半分ずつ使うことが必要とされる。
彼女の指摘は今の私たちにとっては非常に心当たりが多いところであり、現代の社会の問題への指摘とも言える。
忙しい現代だからこそ自分の時間が必要であり、半身社会であるべきだと前著でも述べていたことである。
夫婦関係のつながりの薄さの背景は、忙しさと社会的役割が関係している。
親密な関係は2人では解決できない、そういった意味では、共同性につながる公的な時間と、親密性につながる私的な時間が必要になってくるのだろうか
Posted by ブクログ
村上春樹論や、ブックガイドとしては面白かった。でも夫婦論としては少し物足りない感じ。
夫が沈黙するのは論外だし、仕事が忙しくて(夫婦ともに)時間が取れないというのは、日頃からよく思う問題だから、特に目新しくなかったんだと思う。
でも最近話題の本や映画の解説はおもしろかった。
・アイのなかで前提となるのは「愛のなかでもっとも強いものは母性愛である」という認識
・親になるというタテ方向の「責任」の問題と、夫婦が向き合うというヨコ方向の「関係」の問題を、同時に描くことは、そんなにも難しいのだろうか?
Posted by ブクログ
冒頭の入り口は実体験や見てる・読んでる作品に対しての知見のなさからわからない部分も多かったけど、公私の話からグッと距離が近づいた。公私を分けてるようで分けてない、全て自分に内包するにも限界があることを改めて理解。
Posted by ブクログ
「夫婦間のコミュニケーション不足」というテーマの本かと思いきや、「村上春樹作品で描かれる夫婦から読み解く夫婦論」がメインの印象。
…と思って読み進んでいたら、あとがきで三宅さんご自身が「夫婦というテーマで読む村上春樹作品が裏コンセプト」と書かれていました。
村上春樹作品を読んでいたら、もっと分かりやすかったのかな。
第4章では、村上春樹から少し離れて、現代における労働と私生活との時間のバランスについて書かれていて、共働き夫婦である自分たちには耳の痛い話だったけど、勇気づけられた。
いったん仕事から離れて、夫婦や自分と向き合う時間を、臆せずどんどん奪還していこうと思った。
Posted by ブクログ
村上春樹著書は苦手意識が強く未読が多いので、読むのに苦戦した。
第2章「夫婦と沈黙」での「ねじまき鳥クロニクル」の解説から、黙る夫とディスコミュニケーションを感じる妻の対比を通して考えさせられることは多かった。「あなたは私と一緒に暮らしていても、本当は私のことなんかほとんど気にとめてもいなかったんじゃないの?あなたは自分のことだけを考えて生きていたのよ、きっと」 この著を読まなければ出会えなかったと思う一文。
第4章「夫婦と時間」で解説されていた山本文緒の「なぎさ」は面白そうなので読んでみようと思った。東畑開人の「何でも見つかる夜に〜」はずっと気になっていたのでこれを機に読もうと思う。
お互いの深部を打ち明ける=傷つけあうこと
共同性のあるシェアの関係でいるよりも、多少のリスクは伴うが唯一無二を理解しようとする親密性のあるナイショの関係の方が、傷つけ合いによって関係が更新されるため長続きする
なるほどな〜、
そして、「公」的な振る舞いを身につけた人が「私」的振る舞いを拒否することが、夫婦を困難にするというのは、公私逆も然りだと思う。そこで出てきた「ワーキング・ライフ・インテグレーション」!私が言語化できなかった感覚がここにあった〜〜〜
ここまで壮大に夫婦内でのディスコミュニケーションを脱することの困難さを連ねられたところで、ではどうすればいいのか〜〜、、ともやもやは残るが、、かなり説得力のある、考えさせられた1冊だった。
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村上春樹を軸に、ドラマ「海のはじまり」や映画「君たちはどう生きるか」「ファーストキス」まで。知っている作品の見方を増やしてくれたり、知らない作品を読んでみようと思わせてくれたり、そんな一冊。
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村上春樹作品を取り上げているとのことで、気になった本。
自分が当たり前に「面白いなー」と読んだ本で、様々な考察ができることに驚く。
読書経験や知識が豊富だと、同じ作品でも楽しみ方が広がるんだなぁ。
積み木で遊んでいるところに、レゴブロックを持ってこられたような気持ち。
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夫婦は同じ方向を向いて進むものと、何かで見た記憶があるけれど、まずお互い向き合わないと同じ方向すら向けないのではとの気付きを得た。
我が家は恐らく【仲が良い】夫婦だと思うのだが、どちらも同じような業界で一般的なサラリーマンとは異なる働き方をしていて且つ子なし夫婦であるので、毎日お互いの「公」についての会話が多い夫婦であることが要因な気がしてきた。
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労働について、三宅さんの本を読むと気づきが多い。何となく分かってはいたものの、言語化されてることで、読んだ時に自分の考え方は唯一無二ではないのだと気づきました。仕事の意味を問うほど、気づけばもっと仕事をやりたくなってしまい、私的な時間(本来多くの時間が必要)が労働で植民地化されてしまう困りごと。もっと、早くこの本に出会えてれば良かった。そして、職場の人にも読んでもらいたい一冊です。
Posted by ブクログ
かつての日本では、「夫は外で働き、妻は家を守る」といった標準的なモデルや、専業主婦家庭を前提とした社会システムが定着していた。しかし、共働き家庭の急増や女性の社会進出が進む一方で、長時間労働やワンオペ育児、税制・社会保障制度など、従来の「夫婦モデル」を前提とした社会構造自体は十分に変化していない。
そうしたミスマッチによって「生活を共にするパートナーシップとしての夫婦」が実質的に成立しづらくなっている現状を指摘している。仕事や子育てに追われて互いの関係性を深める時間やゆとりを失い、家の中に「夫婦という関係」が不在化してしまう現象や、単身化が進む社会構造に光を当てながら、これからの時代に必要なパートナーシップや家族のあり方を問い直した本。
Posted by ブクログ
この本は、恋愛や結婚が個人の選択とされる一方で、夫婦がともに生きるための時間や余白が、社会から少しずつ失われていることを、物語や作品を通して読み解いていく。
家事は分担し、気持ちは言葉にし、問題が起きたら冷静に話し合う。そうすれば、夫婦はうまく運営できると思っていた。
でも実際の仲直りは、そんなに整然としていない。タイパやコスパが重視される今、夫婦で向き合ったり、時に膠着する時間は無駄に見えるかもしれない。
それでも、分かり合えなさを抱えたまま相手のそばに留まり、何度でも話そうとすることこそ、夫婦でいることだ。
小説を読むことも同じだと思った。
あらすじや結論だけなら短時間で知ることができるけど、登場人物と一緒に迷い、遠回りする時間があるからこそ、心に残るものがある。
夫婦も小説も、《時短》から遠いところにいる。
簡単には分かり合えないからこそ、分かり合いたいと思える夫との時間を、これまで以上に大切にしたくなった。
Posted by ブクログ
面白くて一気に読んだ。村上春樹さんの多くの作品から、その時代の家父長制や夫婦、親子(父子、母子)の関係を背景にした考察が紹介されている。本書を通して、時代とともに変化してきた夫婦や家族のあり方について考えさせられた。
Posted by ブクログ
公と私を考えるようになった
公が私を侵食している!!と思いながら生活することが増えた
今は私を取り戻そうとしているのだ!と意識できるようになった
Posted by ブクログ
2026.47
書き出しがセラピーのようで気に入って
一気に読んだ
「夫婦が不在な社会」には興味がないけど
目次が村上春樹批評のようで気になっていた本
そうか〜!これをこう読むのか〜!
という新しい視点をもらって目から鱗
村上春樹に感じていた/気になっていたことの
輪郭が見えてきて晴れやかな気持ちになった
まだ読んでいない他の村上春樹作品も読みたい!
Posted by ブクログ
夫婦について。ドラマや小説から読みとく。
村上春樹好きな人は読んだら面白いと思う。
花束みたいな恋をしたの映画を見ていたので
すっと内容が入ってきました。
Posted by ブクログ
なぜ働いていると本が読めなくなるかが、花束みたいな恋をしたについて引用しまくってるとしたら、この本は村上春樹を引用しまくってる
確かに言われてみると、親子やシングルマザーをテーマにする作品が多い。男、ないしは夫婦をテーマにする小説に心当たりがない。夫婦問題もあるとしたらすぐ不倫。
売れないタイトルに名前を変えるとしたら、村上春樹から考える夫婦像かな
Posted by ブクログ
三宅香帆さん村上春樹好きやな〜の一冊w
「夫婦間のディスコミュニケーション」という社会が抱える問題を村上作品を通して読み解いていく
だがしかーし!
わいはこの三宅香帆さんの批評家精神溢れる一冊を読みながら、ちょっと本筋とはズレた問題について考えていました
曰く「なぜわいは村上春樹を読まないのか」問題です
村上春樹と言えば今年こそはノーベル文学賞と言われ続ける日本を代表する作家であり、おそらく戦後日本で最も読まれた作家であります
だがわいはその村上春樹さんを一作も読んでいません
また今後読む気もありません
なぜなのか?
ちょっと考えてみた
先に言っておくと、それは村上作品が難しいとか面白くないとかいう理由ではない
というか読んだことないので、判断できない
つまりわいが村上作品を読まないことに村上春樹さんは一切の責任がないのだ
では責任はどこにあるのか
それはたぶん「空気」だ
「世の中」や「社会」と言ってもいい
外部からの強制力が働いている気がするのだ
それは「村上作品を読んだら、答え合わせをしなくてはならない」と言う強制力だ
この作品にはどんな社会問題が投影されているのかを各々が考え、共有して、答え合わせをする
そんな風潮がないだろうか
いやいやもうそんな読解力を試される読書なんかしたくないのよ
そもそも村上春樹さんが、いつ私の作品には、時々の社会問題を投影した内容になっていますって言ったのよ
いや村上春樹さんの言動を逐一チェックしてるわけじゃないので、もしかしてどっかで言ってたらごめんやけど
村上春樹さんは書きたいように書いてるだけ(たぶん)
なのでわいは読みたいように読む
その結果何か浮かびあがってきたら、それはそれでいいじゃない
そしてここまで考えてきて浮かびあがってきたのは、本作の「夫婦間のディスコミュニケーション」という問題から、目を背け続けるわい自身の姿なのでした(;´д`)トホホ…
Posted by ブクログ
ドラマ「Tシャツが乾くまで」を視聴中にて、タイトルが気になって読んだ。
「考察する若者たち」のときと同じく、やはり黙るのではなく自分の言葉で語ることが大切なのだとあった。
でも夫婦のディスコミュニケーションは長く続いてきた分業の副産物であり、社会が変わっても全てが変わるわけではないということがよくわかった。
あとは参考にするフィクションに村上春樹を多用されていたので、全然読んだことない私も触れることができてよかった。村上春樹ってこんなメタファー祭りなんだ、そう捉えて読むと面白いのかも?(ガイドつけて欲しい)
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最近なんとなくYouTubeで見かけことが増えた三宅夏帆さん。
TBS CROSS DIG with Bloomberg の動画、【夫の寝顔が無理になる理由】というタイトルが気になり視聴し、この本を紹介していたので初めて読んでみた。
村上春樹の引用が多く、全く読んだことのない私は脱落しそうになったけれど、後半で東畑開人さんの著書の引用など出てきてから面白くなった。読み切れてよかった。。
あとがきに、この本の裏コンセプトは「夫婦というテーマで読む村上春樹作品」と書かれていて納得してしまった。笑
(もはや副題に入れた方がいいレベル)
小説での夫婦の状況をそのまま社会情勢と当てはめるのは短絡的だけれど夫婦やパートナーシップを考える上でのきっかけにするには良いと感じる。
夫婦などの親密な関係性は唯一無二の関係性だからこそ傷つけ合いもするが、時間をかけて修復していくことで関係性をアップデートできる。
いま私自身は小説を読む「私」の時間がたっぷりとれているけれど、また忙しくなってその時間がなくなって「公」に侵食されてしまったらどうなってしまうのだろうと思う。
本の中で紹介されていた村上春樹さんの『ねむり』や東畑開人さんの『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』は是非読んでみたい。
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村上春樹をほとんど読んだことがないので、坂元裕二以前の作品の紹介はドライブ・マイ・カー以外ほとんど分からなかったので、あらすじだけの紹介で分かる範囲で読み進めた。結果として労働の話であって、三宅さんの領域にうまく引きずり込んだなという印象です。公私のバランスをみたとき、現代は公が私を大きく喰うという構図を問題視している。でも公がなくなるとそれもそれで歪な人間関係になるのだよなぁ、何事もバランス。夫婦の向き合えない現実は、いま話題のTシャツが乾くまでにも共鳴してる気がする(完全なる偶然)
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最近クロスディグというポッドキャストを聴いていて、三宅さんが新刊を出したことを知り買ってみた。ベストセラーの本の名前は知ってたが初めて三宅さんの著書を読む。
小説やドラマ、アニメや映画などで描かれてきた夫婦の姿を通して、夫婦や親密性のある関係に着いて考察した一冊。村上春樹の作品の引用が多いが、日本でもっとも作品を読まれている著者の一人であるため、時代や社会の共感を得られているのだと感じた。私自身は村上春樹の小説は読んだ事が無かった(ドライブ・マイ・カーは映画で観た)ため、この機会にチャレンジしてみようと思う。
さて、この本では夫婦の関係性をもとにして、親密性と共感性、公と私、ワークとライフなど夫婦にとどまらない話題に及んでいた。とくに、最終章に書かれていたハルトムート・ローザの労働と生活に関する意見が興味深い。マルクスが指摘した古典的近代労働モデルが、労働と余暇を分断し思考停止な形で労働をさせることによる長時間労働を可能にさせたのに対し、近年の労働モデルは労働と余暇を結びつけ労働に対して個人が積極的に意味づけをさせ、高いモチベーションにより長時間労働を可能にさせるというものであった。これを余暇の植民地化と呼ぶ。この新しいモデルに基づいた考え方に私も間違いなく影響を受けていた。休みの日に仕事の事を考えすぎたり、無駄に過ごすことに罪悪感を感じたりしていた。
このことこそ、公にしか生きられて居ないことの表れだろうと思う。著者はこういう時代の中、労働のスピードを低下させるのではなく、あえて私の時間、親密性のある時間を過ごすことの重要性を説いている。
夫婦のディスコミュニケーションは会話によって改善されるべきという言葉の中には、即効性を持った効き目があるように感じられると著者は述べる。
そうではなく、会話や傷との向き合いには時間がかかるのだということを忘れないようにしたい。
そのため、公に身を置き続けるのでさなく、あえて私の時間を取ることが重要なのだと。
Posted by ブクログ
題名と作者に惹かれて買ったが、村上春樹ばかりで、本人も書かれていた通り、少し重めの内容。ただ夫婦間の移り変わり、女性視点での感覚、といったものは少し掴めたような気がする。
他方、村上春樹未読だったが、こんな感じの話なら読まなくて良いかな…となった。
Posted by ブクログ
最近ずっと購入している三宅さんの新刊。残念ながら、村上春樹作品が好きではない自分には合わなかった本でした。主にですが、村上作品を分析しつつ、夫婦の関係性について述べた内容ですが、そもそも紹介している作品を知らないのでというところと、どうにも村上作品がわかりにくいという苦手意識があり、話の内容がスッと頭の中に入ってこなかったという感じです。それでも、村上作品から離れた、終盤の親密性と共同性の話は、なるほどなぁと感じました。
Posted by ブクログ
村上春樹をほぼ読んできていない自分としては、分からない部分が多かった(引用あってもピンと来なかった)
三宅香帆さんの、仕事についての生き方とかは読んでいて好きなので今回もなるほど…と思いながら。
言われてみればシングルマザーの話多かったんだなぁと自分が観てきた作品を思い出したりしました。
結婚解消も出来る、しなくてもいい、関係性を続けても良い、なんか日本って結婚っていう言葉に囚われすぎてるのかもねぇ、なんて独身の自分は呑気に思った。
Posted by ブクログ
2026年11冊目
三宅香帆の村上春樹論ということでわくわくして購入。眠りの部分だけでも読む価値あり。おもしろかった!
ただ全体的に「かもしれない」が多く、言いたいことのためにちょうどいい文章を持ってきている印象。少し薄いような…それが読みやすさにつながっていると思うのだけれど、夫婦はゆっくり対話すればいい、という結論も真新しさがなく、最後はふたたび半身論。
内容を絞り濃くして、ただの村上春樹評論にしてもよかったのではないでしょうか!!!