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皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデ、聖者フランチェスコ、皇帝フェデリーコ、作家ボッカチオ、銀行家コジモ・デ・メディチ、彫刻家ミケランジェロ、国王ヴィットリオ・アメデーオ、司書カサノーヴァ、作曲家ヴェルディの十人を通して、ローマ帝国の軍隊が武装した西ゴート族の難民に圧倒される四世紀末から、イタリア統一が成就して王国創立宣言が国民議会で採択される十九世紀末までの千五百年の「歴史=物語」を描く。
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Posted by ブクログ
物語 イタリアの歴史 目次 第一話 皇女ガラ・プラキディアの物語 ラヴェンナの石棺 テオドシウス帝の出撃 テッサロニケの暴動と宗教改革 テオドシウスの死 名将スティリコの死 ローマ陥落 プラキディアの不幸 摂政プラキディア 太妃の死 第二話 女伯マティルデの物語 ローマ教皇と新時代 髭の殿様の野...続きを読む望 新教皇グレゴリウス七世 教皇と皇帝の確執 ハインリヒ四世の反撃 マティルデの復讐 教皇ウルバヌス二世の十字軍布告 第三話 聖者フランチェスコの物語 異形の修行者フランチェスコ 旧秩序の亀裂 軌跡 フランチェスコ修道会 フランチェスコの隠棲と死 サン・フランチェスコ聖堂 第四話 皇帝フェデリーコの物語 皇帝フェデリーコ ノルマン・イタリア王国の繁栄 新帝誕生 ローマ帝国復興計画 フェデリーコ皇帝の勝利 皇太子ハインリヒの反乱 ロンバルディーア都市連合 ローマ侵攻と戦火の拡大 第五話 作家ボッカチオの物語 ボッカチオの恋 虚構の繁栄の崩壊 フィレンツェの躍進 黒死病の襲来 危機の世紀 『デカメロン』の周辺 ナポリに残るボッカチオの時代 第六話 銀行家コジモ・デ・メディチの物語 フィレンツェ共和国 チョンピの蜂起 フィレンツェとミラノの対立 サン・ロレンツォ聖堂建築 フィレンツェの勝利 メディチ党総帥コジモの災厄 ヴェネツィアのコジモ メディチ独裁時代 フィレンツェ・ルネサンス コジモの死 第七話 彫刻家ミケランジェロの物語 少年ミケランジェロ 「豪華な人」−−メディチ家の栄華 ロレンツォ・デ・メディチの死 夢枕に立ったロレンツォ メディチ家一党独裁の崩壊 レオナルドとの対立 ダヴィデの巨像 ユリウスの教皇就位 ユリウス二世以後のこと 西欧カトリック世界の分裂 「最高の巨匠」の不幸 第八話 国王ヴィットリオ・アメデーオの物語 「正義」の激突 宗教戦争の戦火 不遇のガリレオ 大国のはざまのピエモンテ アメデーオの行動 スペイン継承戦争 裏目に出た退位 第九話 司書カサノーヴァの物語 ベッドの中の奇人大公 ヴェネツィアの治水対策 歓楽の首都ヴェネツィア 天才色魔の乱行 パリのカサノーヴァ 束の間の故郷 過去に生きる司書 終焉 第十話 作曲家ヴェルディの物語 イタリア共和国 秘密結社・炭焼党 パルマ公国領のオルガン弾き 試練 革命家マッツィーニ 歌劇『ナブッコ』 新たな独立統一の波 妻ジュゼッピーナ 統一成る 時代の終わりと死 あとがき イタリア史年表(三七八−−−一九〇〇) 皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデ、聖者フランチェスコ、皇帝フェデリーコ、作家ボッカチオ、銀行家コジモ・デ・メディチ、彫刻家ミケランジェロ、国王ヴィットリオ・アメデーオ、司書カサノーヴァ、作曲家ヴェルディの十人を通して、ローマ帝国の軍隊が武装した西ゴート族の難民に圧倒される四世紀末から、イタリア統一が成就して王国創立宣言が国民議会で採択される十九世紀末までの千五百年の「歴史=物語」を描く。 ISBNコードISBN978-4-12-101045-2
アペニン半島の通史を、人物に焦点を当てながら物語る一冊。 教皇庁が強力な支配権を維持するために、イタリアの政治的統一を嫌っていたというのは、なるほどと納得。ダンテの「神曲」がホメロスやヴェルギリウスに劣らぬ世界文学の傑作となり、そこで使われていた俗語がイタリア語となり、国民統一の凝集力として大きな歴...続きを読む史的な意味を持っていく、という言語から見た歴史のダイナミズムも面白い。フィレンツェとミラノの対立は、その源泉から見れば共和制ローマと帝政ローマ、表現された芸術的側面から見れば反ゴシックとゴシックの対立。旅して見た二都市の建物や雰囲気の違いを鮮やかに思い出しながら楽しく読んだ。 「あとがき」は短いが読み応えがあった。著者は、歴史=物語として語り継ぐ重要性に触れている。一つの国という概念ではなく、人物に焦点を当て、さまざまな地域の境目を超えて、時間が流れているという視点を大切に書いた著者の根底にあるのは、歴史的記述を国家単位でなすことへの疑義なのだと思う。
まるでイタリアの各都市を歴史散歩しているような錯覚になる筆致。コロナが収まったら、是非行ってみたくなる。
買った当時は難しそうだと思っていたけど、いざ読み始めてみると面白い。というよりも、読みやすく書かれていて良かった本です。
史実の羅列ではなく時代ごとに1人物に焦点をあてイタリア史の一側面を見ようとしているので読みやすく面白い!
古代ローマの都でありながら、その歴史は分裂と栄枯盛衰に彩られているイタリア。その分裂の時代の長さ故に各都市の特徴は千差万別で、イタリア人のアイデンティティは今なお各都市に根付いている。「アドリア海の女王」と呼ばれ商業で発展したヴェネツィアも、メディチ家のお膝元トスカーナのフィレンツェも没落し、統一に...続きを読む動き出したのはトリノを都とするピエモンテ。ヴィットーリオ・エマヌエーレとカブールからではなく、ヴィットーリオ・アメーデオからピエモンテの話が始まるので興味深い。フランスという大国に面しているからこその強かさ。 中公新書の物語シリーズの中でも、本作は特に物語感が強い。各時代を生きた著名人を取り上げながらリレーしていく構成で、ローマ帝国末期の皇女ガラ・プラキディアに始まり統一期の作曲家ヴェルディで締める。人選がとても渋く、通史では一文化人としてしか登場しない芸術家を主役に置いていたりするのが面白い。 特に二人目の人物マティルデは、世界史を学んだ者ならば誰もが知る「カノッサの屈辱」の舞台となったカノッサ城主で、皇帝と教皇の対立が彼女の視点から語られている。
面白く、楽しく学べる。イタリア観光したくなった。 ただ強いて言えば、2のほうが素人にとっときやすいテーマが多かったような気がする。(先に2読んだ)
☆☆☆2020年1月☆☆☆ 1、皇女ガラ・プラキディアの物語 2、女伯マティルデの物語 3、聖者フランチェスコの物語 4、皇帝フェデリーコの物語 5、作家ボッカチオの物語 6、銀行家コジモ・デ・メディチの物語 7、彫刻家ミケランジェロの物語 8、国王ヴィットリオ・アメデーオの物語 9、司書カサノ...続きを読むーヴァの物語 10、作曲家ヴェルディの物語 イタリアの解体(ローマ帝国)から、再統一まで1000年以上の歴史をたどる壮大なロマン。有名な人物から、あまり知られていない人物まで。 イタリアの歴史を語るうえで欠かせないのはローマ教皇。 僕は昔から「カノッサの屈辱」が大好き(・・・と言っていいのかどうか) という意味では 「2、女帝マティルデの物語」は教皇グレゴリウス7世の人となりがわかって実に面白かった。どんな頑固者だったのだろう。しかし、その厳しさで人をひきつけるカリスマでもあったのだろう。
・現在のカノッサは古城の廃墟に風が吹くばかり、たまに訪れる観光客のほかは住む人とてない ・1453年、東ローマ帝国の首都を完全に包囲した14万のトルコ軍団は、皇帝メフメト2世の号令下、総攻撃を開始。防戦二カ月余、ついにコンスタンティノープルは陥落 ・フィレンツェでメディチ家ゆかりの場所を訪ね歩けばき...続きを読むりがないが、ウッフィーツィ美術館だけは見逃すまい
著者本人は列伝ではないと断言しているが、一章に一人の人物を割いて、その人物にまつわるエピソードと絡めて語るイタリアの歴史=物語。読む順序が逆になってしまったが、第一巻のほうは10章で10人の人物を取り上げ、古代からイタリアの国家としての統一(19世紀末〜20世紀初頭)までを物語風に綴っている。一話か...続きを読むら順に人物をあげると、皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデ、聖者フランチェスコ、皇帝フェデリーコ、作家ボッカチオ、銀行家コジモ・デ・メディチ、彫刻家ミケランジェロ、国王ヴィットリオ・アメデーオ、司書カサノーヴァ、作曲家ヴェルディとなる。大体、一章で一時代を扱っているので、内容はわりと二巻と重複している部分が多いが、それでもやっぱり面白い。
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物語 イタリアの歴史 解体から統一まで
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藤沢道郎
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