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なぜ私たちは、働いていると幸せになれないのか?
あなたの感じる「憂鬱」にはワケがある。
幸福学の第一人が、人が感じる幸せのメカニズムと、働きながら幸せを得る方法を科学的に解き明かす!
実は、日本人の「働く幸福度」は世界的に見ても非常に低く、危機的な状況にあります。
本書では、大規模調査によって得られた膨大なデータから導き出された、日本人の「幸せの7因子」と「不幸せの7因子」を明かします。
それらの科学的・普遍的な因子を知ることで、私たちはどんな状況でも「自分自身の幸せ」をコントロールできるようになります。
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Posted by ブクログ
■幸せに働く人はより創意工夫に富み、挑戦的で、同僚との関係も良好である一方、不幸せに働く人は防御的になり、指示待ちになり、他者との協力を避けるようになる。
■あなたが幸せであることが、実は組織や社会全体にとっても最善である。
■フリーランスは収入が不安定で社会保障も手薄。客観的に見れば正社員の方が恵まれているように思えるが、幸せ・不幸せ実感は逆転している。その理由は、「自己裁量因子(自分のペースで仕事ができる)と「役割認識因子」(仕事の意味を自分で見いだせる)がフリーランスでは圧倒的に高いことにあると考えられる。
■日本人には幸せを感じにくくする特性がいくつかある。一つは「不安遺伝子」と呼ばれたもの。セロトニントランスポーター遺伝子の方によって不安を感じやすい傾向があるとされ、日本人はその型を持つ人の割合が世界でも非常に高い。もう一つは「失敗を恐れる文化」。失敗=恥、避けることと捉え、新しいことに挑戦することへの心理的ハードルが上がり、挑戦すること自体を控えてしまうことも少なくない。
■日本人の生活満足度は、高度成長期からほぼ横ばい。GDPは何倍にも増えたのに生活満足度は殆ど変わっていない。経済的に豊かになったのに、主観的な幸せは増えていない。これは、「イースタリンのパラドックス」と呼ばれる現象。
■幸福度には年収や学歴よりも、「人との繋がり」や「自己肯定感」といった要素の方が、ずっと大きく影響する。逆に、人との繋がりが希薄で自己肯定感が低い人は、幸せを感じにくい。
■幸福研究では、「短期的な快楽(ヘドニア)」と「長期的な充実感(ユーダイモニア)」を区別する。
■利他的な人は幸せで、利己的な人は幸福度が低い。ボランティアに参加する人は幸福度が高い。それは単に「余裕があるから」ではなく「誰かの役に立っている」という実感が幸せに繋がるからである。
■幸せの4つの因子(やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく)のうち、「ありがとう」因子は、まさに人との繋がりに関わる。
■組織文化が「働く幸せ実感」に与える影響
・自由闊達・開放的:0.188
・チームワーク:0.167
・長期的・大局的志向:0.122
・柔軟性・創造性・独自性:0.082
・スピード感・迅速さ:0.065
・自由な働き方:0.053
・権威主義・責任回避:−0.035
・成果主義・競争:−0.079
■働く幸せには「プライベートを以下に充実させるか」以上に「自分の心の持ちよう」が影響していることが分かっている。
■働く幸せの7因子、不幸せの7因子
働く人の幸せ7因子
・自己成長因子(新たな学び)
仕事を通じて、未知の事象に対峙して新たな学びを得たり、能力の高まりを期待することができている状態
・リフレッシュ因子(ほっと一息)
仕事を一時的に離れて精神的・身体的にも英気を養うことができていたり、私生活が安定している状態
・チームワーク因子(ともに歩む)
仕事の目的を共有し、相互に励まし、助け合える仲間との繋がりを感じることができている状態
・他者承認因子(見てもらえている)
自分や自分の仕事は周りから関心を持たれ、好ましい評価を受けていると思えている状態
・他者貢献因子(誰かのため)
仕事を通じて関わる他者や社会にとって、良い影響を与え、役に立てていると思えている状態
・自己裁量因子(マイペース)
仕事で自分の考えや意見を述べることができ、自分の意思やペースで計画・遂行することができている状態
・役割認識因子(自分ごと)
自分の仕事にポジティブな意味を見出しており、自分なりの役割を能動的に担えている実感が得られている状態
働く人の不幸せ7因子
・自己抑圧因子(自分なんて)
仕事での能力不足を感じ、自信がなく停滞している。また、自分の強みを活かすことを抑制されていると感じている状態。
・理不尽因子(ハラスメント)
仕事で他者から理不尽な要求をされたり、一方的に仕事を押し付けられたりする。また、そのような仲間の姿をよく見聞きする状態。
・協働不全因子(職場バラバラ)
職場内でメンバー同士が非協力的であったり、自分の足を引っ張られていると感じている状態。
・不快空間因子(環境イヤイヤ)
職場環境において、視覚や嗅覚など体感的に不快を感じている状態。
・評価不満因子(報われない)
自分の努力は正当に評価されない、努力に見合わないと感じている状態。
・疎外感因子(一人ぼっち)
同僚や上司とのコミュニケーションにおいてすれ違いを感じ、職場での孤立を感じている状態。
・オーバーワーク因子(ヘトヘト)
私的な時間を断念せざるを得ないほどに仕事に追われ、精神的・身体的に過度なストレスを受けている状態。
■心理学では人間の基本的ニーズとして、「自己決定感」「有能感」「関係性」の3つがよく挙げられ、この3つが満たされると人は幸せを感じる。
7つの幸せ因子をこの枠組みで整理すると、
・自己裁量⇒自己決定感
・自己成長と他者貢献⇒有能感
・チームワークと他者承認⇒関係性
■友達の「数」より、「多様性」の方が幸福度に影響する。色々なタイプの人と繋がっている方が幸せになれる。
■不幸せの因子は幸せの因子の単なる裏返しではない。不幸せの因子が高い状態では、幸せの因子がいくら満たされていても台無しになってしまう。
■働く不幸せ因子が「組織市民行動」(自分の職務範囲を超えて組織に貢献する自発的な行動)を抑制する効果がある。つまり不幸せに働いている人は、「自分の仕事だけやっていればいい」と考えがちで、同僚をサポートしたり、職場の課題を改善したりするといった前向きな行動が減る。
組織市民行動とは、いわば「自分に求められていない何か余分なこと」であり、こうした「余分なこと」こそが、実は組織が機能するために最も必要な要素と言える。
不幸せに働いている状態では、そもそもそうした行動を起こす余裕がない。心身ともに疲弊しているために、「とりあえず、自分に求められている最小限のことだけ」しかしなくなる。その結果、組織内の助け合い、サポート体制が弱まり、組織全体の協力体制が弱くなる。結果として、効率や生産性が低下する。
■働く不幸せ実感は「プレゼンティーズム」とも関連する。「プレゼンティーズム」とは、出勤はしているが、体調不良や意欲低下によって本来のパフォーマンスが発揮できない状態のこと。プレゼンティーズムは「見えないコスト」であり、社員の一定割合で起きていると考えると組織に与える損失は甚大。プレゼンティーズムは組織全体の「仕事の質」を低下させる。
■働く不幸せの7因子は幸せの因子と異なるメカニズムで作用している。これらの因子の影響が複合的に絡むほど、その影響力が跳ね上がる。
■幸せの因子の場合、7つがすべて高い必要はない。いくつかが高ければ総合的な幸せを感じることが多い。幸せの7つの因子は、どれか一つだけに偏るのではなく、複合的に高めていくことが大切。
不幸せの因子は少なければ少ないほど良い。一つでも数が多ければ致命的なダメージになるという性質がある。
進化心理学の観点からみれば、危険や脅威を知らせる警告は、生存のために極めて重要なので、私たちの脳は一つの不幸せサインに対して敏感に反応するよう進化してきた。これに対し、幸せのサインは生存の危険に直結しない。その他、一つ一つに敏感に反応するのではなく、総合的な充足感として、複数の要因の組み合わせで形成される。
■幸せ・不幸せの基本的なメカニズムはだれにでも共通している。
■日本の職場には「言ったもの負け」の文化が根強く残っている。会議で発言すると必要以上に色んな指摘が飛んでくる。問題を指摘した人が、その問題解決係にされる。結果として、何も言わない方が特だと感じ、たとえ思いついたことがあっても沈黙を選ぶようになる。これは、「自己抑圧」因子を高める最大の原因。
■心理的安全性が高いチームは業績も高い、というのはGoogleの調査でも確認されている。
心理的安全性とは、「何を言っても怒られない」ことではなく、「本音でぶつかっても関係が壊れない」という信頼関係のこと。
■従業員の幸福度を高めるには、仕事に関する満足だけでは不十分。パートナーや家族との関係、家庭の安定、余暇の充実。そういった私生活の様々な部分も含めて、人生全体が幸せであることで、仕事のパフォーマンスも高まる。
■最近では「従業員満足度」よりも「従業員幸福度」をみるべきだという風潮が広がってきている。従業員満足度は仕事の中での満足しか測らないが、実際には、仕事の中だけではなく、人生全体にわたる幸せが、仕事の成果にも繋がっている。
■幸福度の高い社員は業績も高い。
最も正の影響を与えるのは、「組織目標の落とし込み」であった。具体的には個人の目標と組織の目標を紐づけるために、目標設定時に上司とよく話し合う場が設けられていたり、昇進・昇格の基準がオープンであったりする組織では従業員の働く幸せ実感が高い。
ついで、「ワークライフバランスの良さ」、「育成の手厚さ」が幸せを高める要因。一方で、「終身雇用」や「異動・転勤の多さ」はむしろ幸せ実感を低下させる要因として作用している。
■働く幸せ実感への影響
①組織目標の落とし込み:0.272
・個人目標と組織目標が紐づく
・組織のビジョンや理念が明示される
・個人目標設定時に上司とよく話し合う
・昇進・昇格の基準はオープン
②ワークライフバランスの良さ:0.122
・長時間労働の是正に取り組んでいる
・育休・産休は取りやすい
・介護休暇・介護休業は取りやすい
③育成の手厚さ:0.122
・現場での教育・OJTが手厚い
・研修やセミナーに行く機会が多い
④終身雇用:−0.066
・退職金制度がある
・定年までの雇用が前提
・役職定年・ポストオフがある
・近年、早期退職募集・リストラがない
⑤異動・転勤の多さ:−0.070
・職務変更を伴う異動が多い
・転居を伴う転勤が多い
■「終身雇用」がマイナスに作用するという結果は、定年までの雇用を前提とした退職員制度や年功序列的な処遇が、現代の就業者にとっては、「この会社に縛られている」という閉塞感に繋がっている可能性を示している。
定年まで働くことで得られる安定の裏側に、「会社に縛られて自由が失われる」という感覚が現代では強まっている。
働く人たちが本当に求めているのは、一つの会社に縛られることで得られる安定よりも、自分が自分らしくキャリアを選択できる自由。
■不幸せ実感を高める人事施策として、「新卒偏重」(幹部層に新卒入社者が多い傾向)も挙げられた。中途入社者がキャリアの天井を感じやすい組織では、「評価不満」因子が高まりやすい。「どれだけ頑張っても、生え抜きでなければ上にはいけない」という見えない壁が不幸せ実感を生んでいる。
■心理学的にも、人間は、「コントロール感の喪失」「不公正感」「孤独・孤立感」で不幸せを感じやすくなることが分かっている。
■高度成長期に最適化された人事制度が、現在の多様な働く人たちのニーズにマッチしなくなってきたということ。これは企業の問題であると同時に、社会全体の課題でもある。
■従業員にとって「組織文化」とは、経営層が頭の中で掲げる理想ではなく、直属の上司による日々のマネジメントの中で体験するもの。
■ポジティブなマネジメント行動には「肯定的で公正なフィードバック」「目標の設定と共有」「部下の話の傾聴」「業務フォロー」が含まれる。
一方、ネガティブなマネジメント行動には「ハラスメント「モーレツ上司」が含まれる。
■部下と一緒に個人的な仕事の目標を設定する」「仕事振りに見合った適切な評価をする」「日常的に感謝やねぎらいの言葉をかける」といったポジティブなマネジメント行動は、部下の働く幸せの実感との関連に強く関わるが、実施率は30%未満と低い。
■マネジメント改革で重要なのは「一貫性」。長期的に、一貫して部下の幸せを重視するというメッセージを発し続ける。その前提にはビジョンやフィロソフィーがある。そのような一貫性の中にのみ、本当のマネジメント文化の変革は起きる。「上からの方針」と「下での実践」が互いに理解し合う関係ができたときにのみ、本当の改革は実現できる。
■渋沢栄一が唱えた「合本主義」、つまり会社の利益を関わる全ての人で分かち合うという考え方は、まさにウェルビーイング経営の先駆けだったと言える。
従業員を追い込んで無理やり成果を出させる組織は、一時的には結果を出せても、長続きしない。従業員を幸せにする組織の方が、持続的にに成果を出し続けられる。
■「静かな退職」会社にとどまりながらも、必要最低限のことしかしないという働き方。
■退職代行利用者の増加は日本の職場が「辞めにくい」構造であることの表れ。
■変化を阻む障壁は、「不可能な条件」ではなく、「変わりたくないという心」。多くの経営者や人事担当は、潜在的には「従業員の幸せが大切」と感じながらも、現実的な優先順位は現状維持を選んでいる。
■「承認⇒提案⇒傾聴」の三拍子はアサーションの基本形。
■アサーションの3つのステップ
ステップ1:事実を伝える
ステップ2:自分の気持ちとリクエストを伝える
ステップ3:相手の気持を聞き、一緒に考える
■リーダーが数字で人を比較し、それをみんなに示すとチームの結束は失われやすい。業績の可視化自体は大切だが、それが個人の序列付けになった瞬間、「チームワーク」因子は崩壊する。全員の前で誰が一番良いか、誰が劣っているかを比較すると、協力する気持ちを失わせてしまう。比較するのであれば、その人自身の過去との比較であるべき。
■勇気をくじくメッセージと勇気づけるメッセージ
●なぜこんなミスをしたんだ
◯次はどうすればうまくいくと思う?
●成果だけに注目する
◯過程や努力にも注目する
●他人と比較して評価する
◯その人自身の成長に注目する
●できていない部分を指摘する
◯伸びている部分を指摘する
●成功だけを認める
◯失敗も受け入れる
Posted by ブクログ
本書は、読み手の「なんとなく無気力で、しんどい」を少しでも軽くする手がかりになればうれしいとのことで、自分に合っているかなと思い、読んでみました。
・働く人を「幸せ×不幸せ」の2軸で分ける。幸せの条件を満たすことと、不幸せの原因を取り除くことは別の話
・幸せの7因子と不幸せの7因子がある。どの因子が重要かは人によって異なる。人と比べず自分らしくいること、独立性とマイペースを保つことが重要と思われる。
・組織が幸せを奪うのは、そのような社会構造であるということかもしれない。
・自分の幸せのために行動する。
本書で紹介されている幸せ因子を自ら高め、不幸せ因子は小さくするということが大事なのかと思いました。そのためには小さな一歩からということで、幸せ因子につながるポジティブな行動をしていくことを実践していきたいと考えます。他人と比べず自分の過去と比較し、成長を実感するなど、意識していきたいと思います。
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