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古代ヨーロッパを支配していたケルト人は、文字こそ持たなかったものの、口承によって多くの神話や民話を伝えていた。なかでも、地底や海のかなたの彼岸の世界へと旅する物語群は、キリスト教の伝播とともに変容を重ね、遂には中世の騎士物語へと洗練されていった。ケルト人たちが思い描いていた「他界」とはいかなるもので、それは後世にどう受け継がれているのか。今も残る物語を紹介しながら、ヨーロッパ精神の源へ溯る試みである。
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Posted by ブクログ
ケルト神話とその流れを汲む中世騎士物語を分かりやすく解説している。あらすじも紹介されており、原作を読んだ気になれる。
騎士道の華・中世騎士物語とケルトにどんな関わりがあるのか、どっちの世界にも等しく興味と愛を抱いているので非常に興味を持って読んだ。 冒頭はブルターニュ半島に今も残る「イスの街」の幻想に始まる。キリスト教以前のケルト文化が徐々に浸透しつつあるキリスト教によって駆逐される過程が口承伝承の中に幾つも残って...続きを読むいるという。 第一部はケルト口承文学の中から「異界」「あの世」がどこにあると規定されているのかを探り出し、第二部はキリスト教化された中で口承にどんな脚色が加えられていったのか、変えられた部分、変わらない部分を読み解き、そして第三部に至って、ようやく中世騎士物語の元となったアーサー王伝説へと分け入っていく。 新書のコンパクトさで、ケルト神話やその基本モチーフをざっくりと把握するにも、中世騎士物語成立までの流れを把握するにも非常にわかりやすい。巨石文明やケルト文化そのものについては若干記述が弱いけれど、これは著者が考古学者や歴史学者でなく文学者だというところに起因するのだろう。入門として、また何冊か専門書を片付けた後の頭の整理にはもってこいの一冊だと思うので、私もその意味で時々読み返す。
ギリシア・ローマ時代、かのカエサルを苦しめたケルト人、そうガリア人の勇敢な戦士達。 ヨーロッパの底流に脈々と流れているケルト人達の神話や伝承。 どこかに、日本の神話に通ずるところもあるような気がして、実に奥深い。ハマってしまいそうである。
丸の内開催されていた「バーン・ジョーンズ」展を観て、アーサー王に興味を持ち、この本を読んでた。 日本における他界は、沖縄のニライカナイにみられるように海の彼方にあるが、ケルト神話では地の底にあるらしい。ガリア(ケルト)人は先住民たちを滅ばしたか追い出したかしたとき、先住民たちの神々をそのまま自...続きを読む分たちの神々に取り入れて、地上の世界は自分たちの神々、地下の世界をその神々に支配させた。 そのケルト神話の中にキリスト教思想が浸透してきたことにより、中世騎士物語が創造された。この本は中世騎士物語が、いかにケルト神話とキリスト教思想をベースとして成立してきたかを比較対照しながら紹介している本だ。 アーサー王のちょっとしたエピソードを紹介して、これはこういう世界観が反映されているんだよ〜、と優しく教えてくれるのだが、自分の当初の目的はアーサー王の話を簡単に理解できることだったので、見当はずれていた。でも紹介されている物語はとても面白い。 たぶんエヴァンゲリオンのことを知らないのにエヴァンゲリオン研究序説を先に読んでしまったような感じ。 アーサー王の話をよく知っている人が読めばもっと面白いと思う。
●構成 序章 地の果てにて 第一部 ケルト人と他界 第二部 ケルト・キリスト教と他界 第三部 中世騎士物語と他界 終章 「夜の航海」 -- ケルト人は古代ヨーロッパの大部分を支配したが、ローマ人やギリシア人、ゲルマン民族の隆盛に伴い征服され、その結果彼ら独自の宗教もキリスト教に包摂される形、すなわ...続きを読むちケルト的キリスト教へと変容することとなる。 ケルト人は文字を持たなかったが、口伝により彼らの古伝承が代々伝えられた。またキリスト教化する際にも、ケルト人の神話などが記録されていった。これらの神話、伝承などを精読することによって、著者はケルト人が征服される以前の彼らの宗教の他界観、さらにキリスト教によって変容を遂げたケルト的キリスト教の他界観についてを論じる。 古来からのケルト人の他界観は、地底あるいは海の彼方の陸地にある不老不死の世界に到達するというものである。それが、キリスト教の流入により、罪の概念や天国・地獄などの要素が中心となる。しかしケルト人の独自の要素として、旅によって他界へ到達する物語、というストーリーも加味され、やがては中世の騎士物語へと洗練されてゆく。本書ではこうしたケルト人の宗教史というべき変容の過程を、古伝承や神話、英雄譚などを通じて解読する。いわゆるファンタジー世界が好きな人や神話の好きな方は、興味を持てる内容だろう。
ケルト神話とキリスト教がいかに融合したか、そしてアーサー王の伝説はいかにケルト神話から発展したか。はっきりと分かっていないケルト神話を分析しつつ書かれていて、独自の世界観を築いているケルト神話の魅力が深まった。
ケルト神話がのってます。入門編かな。これを読んだだけでも、ファンタジー小説にケルトの影響が濃いのが分かると思います。
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ケルト神話と中世騎士物語 「他界」への旅と冒険
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田中仁彦
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