田中仁彦の作品一覧
「田中仁彦」の「ケルト神話と中世騎士物語 「他界」への旅と冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田中仁彦」の「ケルト神話と中世騎士物語 「他界」への旅と冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
騎士道の華・中世騎士物語とケルトにどんな関わりがあるのか、どっちの世界にも等しく興味と愛を抱いているので非常に興味を持って読んだ。
冒頭はブルターニュ半島に今も残る「イスの街」の幻想に始まる。キリスト教以前のケルト文化が徐々に浸透しつつあるキリスト教によって駆逐される過程が口承伝承の中に幾つも残っているという。
第一部はケルト口承文学の中から「異界」「あの世」がどこにあると規定されているのかを探り出し、第二部はキリスト教化された中で口承にどんな脚色が加えられていったのか、変えられた部分、変わらない部分を読み解き、そして第三部に至って、ようやく中世騎士物語の元となったアーサー王伝説へと分け入って
Posted by ブクログ
丸の内開催されていた「バーン・ジョーンズ」展を観て、アーサー王に興味を持ち、この本を読んでた。
日本における他界は、沖縄のニライカナイにみられるように海の彼方にあるが、ケルト神話では地の底にあるらしい。ガリア(ケルト)人は先住民たちを滅ばしたか追い出したかしたとき、先住民たちの神々をそのまま自分たちの神々に取り入れて、地上の世界は自分たちの神々、地下の世界をその神々に支配させた。
そのケルト神話の中にキリスト教思想が浸透してきたことにより、中世騎士物語が創造された。この本は中世騎士物語が、いかにケルト神話とキリスト教思想をベースとして成立してきたかを比較対照しながら紹介している本だ。
Posted by ブクログ
●構成
序章 地の果てにて
第一部 ケルト人と他界
第二部 ケルト・キリスト教と他界
第三部 中世騎士物語と他界
終章 「夜の航海」
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ケルト人は古代ヨーロッパの大部分を支配したが、ローマ人やギリシア人、ゲルマン民族の隆盛に伴い征服され、その結果彼ら独自の宗教もキリスト教に包摂される形、すなわちケルト的キリスト教へと変容することとなる。
ケルト人は文字を持たなかったが、口伝により彼らの古伝承が代々伝えられた。またキリスト教化する際にも、ケルト人の神話などが記録されていった。これらの神話、伝承などを精読することによって、著者はケルト人が征服される以前の彼らの宗教の他界観、さらにキリスト教