「がんばれない」 心で何が起きているか

「がんばれない」 心で何が起きているか

ビジネス・実用
968円 (税込)

4pt

4.2

無理そうなのに、あきらめられない。
「がんばれ」が重くのしかかる。
なぜか、手を抜いてしまう。
それ全部、心のクセのせい!

「もうがんばれない」は心の正常な反応です。
「あきらめられない」は思考の仕組みがそうさせます。
「努力は報われる」というけれど、簡単にはいかない。
心理学で「がんばる」の考え方を一新しよう。

【これも心のクセのせい】
・ふとした瞬間に「もう無理」と投げ出したくなる
・失敗した人に「自業自得」と思ってしまう
・努力にわかりやすい見返りを求める
・「本気じゃなかった」と言い訳しがち
・報われるまでは、絶対やめない
・努力が恥ずかしいことにみえる
・チャレンジせずに簡単なほうに流れる
・「まだできたのに」と未練を口にしがち

===
【目次】
第一章 努力ってなんだ?
第二章 「がんばれば報われる」は本当か?――努力と結果をつなぐ“見えないルール”
第三章 「がんばる」を制御する心のメカニズム
第四章 「あきらめない」というリスク――過剰な粘りが奪うもの
第五章 別の道を見つける力
第六章 「やり抜く力」を“更新”する
===

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「がんばれない」 心で何が起きているか のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    ■どんな家庭で育ち、どんな学校に通えたか。どんな先生や、どんな刺激をくれる仲間に出会えたか。そして、自分が「好きで得意なこと」が、たまたま今の時代に「価値がある」とされているかどうか。こうした「自分では選べない外的な要因」が個人の努力を凌駕するほどの結果の差を生んでしまうのが現実だ。
    ■努力とは、点数や評価と引き換えるためのものではなく、「未来の自分が使える力」を、自分の中に少しずつ溜め込んでいく行為。今日頑張ったことは、すぐに結果に結びつかないかもしれないが、その(努力した)時間は自分の「集中力」を、粘り強く考える「持久力」を、どうすればうまくいくか「工夫する力」を確実に鍛えている。つまり、努力とは、「特定の結果を得るための手段」ではなく、「どんな未来にも使える力を、自分の中に残す行為」である。
    ■防衛が続くと心は停止する(学習制無力感)
     挑戦を避けることやセルフ・ハンディキャッピングといった行動は、短期的には心を守るための「有効な応急処置」である。失敗の直撃を避け、自尊心が粉々に砕け散るのを防いでくれる。しかし、この防衛策に頼り、自分を欺き続ける期間が長くなると、心のなかでは更に深刻な、そして取り返しのつかない変化が起き始める。最初は小さな回避の積み重ねにすぎないが、その「回避の判断」が重なるにつれて、「成功体験」を得るチャンスが、少しずつ確実に失われていく。挑戦をしなければ失敗で傷つくことはないが、同時に「自分の力で状況を変えた」という実感も得られない。勇気を出して取り組んだとしても、常に不安や「中途半端な準備」がつきまとうため、結果は芳しくないものになりがちである。すると、心の中に「やっぱり無理だった」「頑張っても無駄だった」という記憶だけが積み重なっていく。このとき、人の脳は恐ろしい「未来予測」を学習する。それはまだ起きていない出来事に対しても「何をやっても、多分同じ結果になる」というもの。
     心理学者のマーティン・セリグマン箱の極限の停滞状態を「学習性無力感」と読んだ。期待しては裏切られ、挑戦しては打ちのめされる。そのような出来事が重なると、心は最後の防衛体制に入る。それは、「期待することそのものを、やめる」という選択である。本人の内側は、怠惰とは程遠い、もっと虚無的で重苦しい感覚に支配される。やりたくないのではなく、動く「意味」が心の細胞から完全に消え失せてしまう。
     心のブレーキが完全に固定されたこの状態は、怠慢でも性格の欠陥でもなく、これまでの経験であまりにも過酷な「評価の戦場」で頑張り抜き、傷つき過ぎてしまったことの証、つまり「心による生存戦略の最終形」である。
    ■習熟目標という「自分軸」へ戻る
     しなやかな努力ができるようになるためには、目標に対する「視点」を変える必要がある。心理学では、目標を大きく二つのタイプに分けて考える。
     一つは他人より良い成績を出すことや有能だと思われることを目指す「遂行目標」。
     もう一つは自分自身の理解を深め、スキルの向上そのものを目的とする「習熟目標」。
     つい他人と比べてしまうとき、どうすれば「自分軸」である習熟目標に戻ることができるか。ポイントは、問いかけを「Do(どう見えるか)」から「Become(どうなりたいか)」へ変えること。評価という「外側の報酬」ではなく、上達という「内側の喜び」に意識を向けることで扉は自然と開いていく。
     習熟目標には更に面白い利点がある。人が最も深く集中し、最高のパフォーマンスを発揮するのは、実は「評価」を忘れて目の前の作業そのものに没頭しているとき。
    ■自分を助ける「セルフ・コンパッション」という土台
     しなやかな努力を実行に移す上で、欠かせない心理的な土台が「セルフ・コンパッション(自分への慈しみ)」である。最新の心理学の研究が明らかにしているのは、自分を厳しく責め過ぎる人よりも、自分に思いやりを持てる人の方が、失敗から立ち直るスピードが早く、結果として「より長く、高く、挑戦し続けられる」ことがわかっている。
     セルフ・コンパッションはダメな自分を放置することではない。「次の挑戦のために最高のコンディションを整える技術」である。自分への優しさは、「弱さ」ではなく、それこそが何度でも立ち上がりしなやかに努力を続けていくための、最も強固な回復力(レジリエンス)という名の「最強の装備」になる。
    ■ホールディングによる心理学研究では、目標を諦めたり切り替えたりする際に、「自律性」が決定的な役割を果たすことが示されている。周囲から強制的にやめさせられたり、逆に「やめてはいけない」とプレッシャーをかけられたりした場合、人は激しい葛藤に陥る。その結果、いつまでも過去の目標に執着し、エネルギーを消耗し続けてしまう。一方で、「今の自分にとって、この進路変更は必要なことだ」と自ら納得して選んだ場合(自律的な断念)メンタルヘルスが劇的に改善し、次の新しい目標へとスムーズにエネルギーを注げるようになることがわかった。大切なのは「自分はどうしたいか」を基準に判断すること。「自分の意志でハンドルを切った」という事実こそが次の挑戦に向かうための最強の燃料になる。


    0
    2026年09月15日

    Posted by ブクログ

    自分が今まで経験してきたことや、思ったことのあることが読み進める度に書かれており、1日で一気に読んでしまいました。
    特に印象に残ったのは、①人生は「定員が決まったバス」、②「やめる決断」には膨大なエネルギーが必要、③「はしご」をかけ直す勇気 に書かれていた文章です。定期的に見直して毎日の生活に少しずつ取り入れていきたいなと思いました。

    0
    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

    2026/08/02
    以前にもこの人の本を読んだことがあって、書店でタイトルが気になって買ってみました。
    普段の生活で気軽に「頑張る」「頑張れ」という言葉を言いがちですが、中には頑張ることが一体何なのか、どうしたら頑張れるのか、何で頑張ることができないのかということに悩んでいる人も多くいます。
    自分自身もそう思った時がこれまでもたくさんありました。
    日本では頑張ることが美徳とされていますが、それがいつの間にか人間性とも絡んだ話や解釈になってしまっていることを、この本ではそうではないんだという視点から心理学の観点で紐解いてくれています。
    読んでいくと自分がこれまで抱いてきた疑問や思いがそのまま出てきて、そのような考えになってしまう原因を丁寧に解説してくれています。
    もちろん、今後の人生においてどういう考え方でいるのがいいのか、卑屈になって自己否定になってしまいがちな頑張るということはどうやって持ち直していけるのかということが分かりやすく書いてあります。
    とても読みやすく、定期的に一部分だけでも読み返していくのがいいのではないかと思いました。

    0
    2026年08月02日

    Posted by ブクログ

    普通の環境で、きちんと頑張って生きてきた人には刺さる本かと思います。私の努力は日々生きること、それくらいハードルが低いことしかこなせません。過去のトラウマや病気、特性による「がんばれない」を抱えている人には向かないかなと思いました。

    0
    2026年07月15日

    Posted by ブクログ

    できないことは自分に非があるのではないかと感じたとき、失敗したときに深く落ち込んだときなど、自分自身で深く落ち込むことがないように、日頃からこういう本に親しんでおくと良いのではないかと思う。暖かく平易な言葉で痛んだ気持ちを包み込んでくれる、本人としても保護者としても手元に置きたい一冊。

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    2026年08月29日

    Posted by ブクログ

     自分に合う本でした。「読書案内」として挙げられたキャロル・S・ドゥエック『マインドセット』は自分には合わなかったので、今後も世間の評判や対象年齢にこだわらず、いろんな本と出会いたいと思います。
     頑張り続けるためには目標を更新することが有意義である、ということを説く箇所で、「理科の実験で、予想(仮説)と違う結果が出たからといって、自分を責める人はいないでしょう。」(P.153)と書かれています。これを読み、私は学校の理科の授業で仮説を立てるのが苦手だったことを思い出しました。仮説と違う結果が出ることが恥ずかしく、仮説で"正解"したいがためにハードルを上げてしまっていたからです。それと同じことを人生でもしていたから苦しかったんだな、と思いました。
     読みながらたくさん涙が出ました。頑張ってもうまくいかない読者に寄り添ってくれる本です。「頑張らなくてもいいんだよ」と言ってくれる本はたくさんありますが、本書はその先まで連れていってくれます。頑張りたい人向けです。

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    2026年08月25日

    Posted by ブクログ

    「グリット(やり抜く力)」についてはとても共感した。私たちの目標はピラミッドの形をしており、その頂点は、自分が人生で一番大切にしたい「自分自身のモットー(価値観)」である。「誰かの役に立ちたい」「新しいことを知るワクワクを追いかけたい」など簡単には揺るがない人生の方向性がある。そして、その下にはそのモットーを実現するための「具体的な手段」がある。「吹奏楽部でコンクールを目指す」「SNSで絵を発信する」など。本当にやり抜くべきは、ピラミッドの一番上にあるモットーであり、そこへたどり着くための手段は何度変えてもいいのである。
    これは刺さった。
    モットーが一番大事…一つの手段をあきらめることは、人生をあきらめることではないのだ。別のルートを探して方向転換してもいいのだ。
    振り返ってみると、一度始めたことを意固地になって楽しくもないのに続けていたことがあった。何のための人生なんだろう…考えるきっかけになった。

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    2026年07月21日

    Posted by ブクログ

    がんばれないのは正常な反応でそれに耳を傾けて対処することが大事。少しずつ微調整しながらしなやかに生きていくと良いらしい。

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    2026年09月26日

    Posted by ブクログ

    この本に若い頃に出会えたら、人生が変わっていたかもしれない。努力とは、やって当たり前で、ひたすらがんばることだと思っていた。ちくまプリマー新書は、高校生くらいの人たちに向けて書かれているので、アラフィフの私には遅かったが、若い人たちにこの本を読み、新しい視点を持ってもらいたい。

    0
    2026年07月16日

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