予備校盛衰史

予備校盛衰史

ビジネス・実用
1,188円 (税込)

5pt

4.1

駿台・河合・代ゼミ。伊藤和夫、小田実、金ピカ先生……なぜ高校より面白かったのか?

大学受験に失敗したら予備校に行けばいい――昔は皆そう考えていたし、浪人生はドラマの主人公にさえなった……今は昔。なぜこうも変わったのか。本書は1970~90年代を「予備校文化」の黄金時代として描き、推薦・AO入試優勢の現代が見失った「学問への入口」として予備校を捉え直す。

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予備校盛衰史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    著者のリサーチ力には甚だ脱帽。まさに予備校の網羅的「通史」!
    大手予備校と地方予備校それぞれの学校史、名物講師の人物史、予備校生が与えられたイメージの社会史など多様なレンズで予備校を懐古していく。「盛衰」とあるように、予備校が少子化に伴い必然的に縮小していくなかで、未来の予備校について述べて筆を擱いていてる。

    0
    2026年09月11日

    Posted by ブクログ

    学歴社会…受験戦争に咲くあだ花の予備校。その歴史は明治時代「坂の上の雲」のころに遡るという。

    東京出身アラフィフの自分にとっては「講師の代ゼミ、生徒の駿台、机の代ゼミ」。塾通いもせず現役合格だったが、地元が代々木に近く模試、参考書等から当時の雰囲気は体験として理解できる。
    実際の授業は受けたことはないが、参考書では、英語の伊藤和夫、日本史の安藤達朗、古文の土屋博映の影響を自分は強く受けていると思う。

    本書は予備校の攻防、盛衰を中心に述べつつ、予備校の果たした役割、文化を高ク評価する。知的好奇心の豊富な多感な時期、出会った講師の営業は大きい。決して受験のためのテクニックではない、学問の入り口。高校や大学と異なり組織の束縛、障壁の少ない予備校ならではの授業があった。

    生徒を大教室に収容するいわば地上戦から現代はネット動画やYouTubeによる空中戦の時代。公的な教育の隙間を埋める予備校はカタチを変えつつも今後も生き残っていくだろう。

    日本の教育史を予備校の視点から描く、類似の著作も少ないようであり、本書は大変な力作である。

    0
    2026年04月28日

    Posted by ブクログ

    年に2回ほどある中学時代のクラスの仲間の会(いつもの決まったメンバーなのでクラス会といえない…)の翌日に一気読み。この年齢になるとその会に限らず中学の同窓会や高校の同窓会、部活のOB会、大学の研究室の集まり、そうそう思い出したようにたまに行われる廃校になってしまった小学校の集まりに参加したり、幹事やらされたりすることで意外にスケジュール表が埋まっていきます。過去ばっかり増えるのもどうか、と思うけど、でもこの本を読んで自分がアクセスできない過去があることを思い出しました。それは予備校時代です。家の事情で卒業した高校と違う都市の予備校に通ったので、先ず友人がいなかったし、作れませんでした。本書にも出てくるマンモス予備校での受験勉強の日々、今、思い出してみると実は暗黒の毎日、という訳でもなくて現役時代の自分の可能性を絞り込むことに躊躇していたのとは違う、進めべき道がはっきりした妙にスッキリした時間だったような気がします。もやもやがない分、現役の時にわからなかった科目もスルスル理解できたし。「大学への数学」毎日解くの、楽しかったなぁ。その感覚の基本には通った予備校の雰囲気にも影響受けたのかな?と改めて思いました。それが著者の提示する「予備校文化」なのかもしれません。それは高校と大学の間の文科省の管轄しない一年間の自由区だったのかも。そしてそれ故に記録に残らない、という指摘にも不意を突かれました。そういう意味では本書は貴重な「予備校文化を作った人々人名録」として貴重な書物になるのではないでしょうか?少なくとも自分は「合格のためのテクニック」と「リベラルアーツとしての学問」のハイブリットの空気を吸ったのかも。通った駅の立ち食いそばの味もなんか蘇りました。この本棚で結構、積読放置されている山本義隆の本、開こうかな…

    0
    2026年06月29日

    Posted by ブクログ

    実に懐かしいエピソードの数々が鮮明に蘇ってくる。昭和に浪人を経験した人、いや現役でも大学受験を経験した人は、多かれ少なかれ予備校の洗礼を受け、講師の教えを心で受け止めてきたのではないだろうか。そういう経験をしてきた私は、昨今の推薦等青田刈りの拡大に伴う受験入試者の減少という背景は、予備校の魅力を大いに落としているに違いないと感じる。人生でいくらでも起こりうる伸るか反るかのプレッシャーは、若い頃に経験しておいても良いのではとも思う者です。

    0
    2026年06月27日

    Posted by ブクログ

    予備校の歴史は、作者の述べる通りなかなか研究の蓄積や資料の整備が進まない分野であろうが、教育ジャーナリストとしての蓄積があってか、かなりの大部の成果となっている。
    古くは『螢雪時代』からの流れや、各種メディアでの露出が目立った隆盛を経て、少子化や大学全入時代の昨今に種々の教育機関が変化を迫られる中で、現在地がいかなるものかといった気づきも得られた。

    0
    2026年04月25日

    Posted by ブクログ

    新書として面白い。
    予備校の全盛期は生きてないけど、時代と共に予備校の在り方も変わっていくのが興味深いっすね。

    0
    2026年04月06日

    Posted by ブクログ

    独自の道を歩み、予備校文化で大学への橋渡しを。

    大学受験に際し、模試や夏季講座でお世話になった予備校。その歴史、特徴、将来などをまとめており(著者としては網羅できなかったというが)、かなり読み応えあった。

    後半に出る名物講師の話が、なかなか印象的。ちょっと思想的に共感できない感じはあるが、バックグラウンドを知るとなるほどなと、納得してしまった。
    現役志向高まり、推薦が増えている今、予備校はどうなるのかと感じていたが、本書の言うように参考書や大学入学前の橋渡しなど役目自体は残っていくというのは、ここまで積み重ねた文化を含めて分かる感じもした。

    0
    2026年03月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    第1章  いま予備校はどうなっているか
    第2章  草創期の興亡~明治から戦中期まで
    第3章  拡大期の群雄割拠~戦後から最盛期まで
    第4章  爛熟期の寡占・淘汰・発展~80年代から現代まで
    第5章  予備校のアイデンティティ~その効用とトラブル
    第6章  予備校文化とは何か~束縛をはね除けた不気味なアナーキスム
    第7章  「文化」を創り出す人びと
    第8章  未来の予備校~少子化に向けたサバイバル

    <内容>
    予想以上に面白かった。少子化に伴い、予備校が受け入れてきた浪人が壊滅的に減っている。さらに総合型や推薦型の入試が定員を増やし、浪人はさらに減るだろう。またオンラインの講義も増えている。そうなると浪人をベースに展開してきた予備校は消える運命だ。しかし予備校にはそこならではの「文化」があった。文科省の拘束を受けない。優秀な講師は好き勝手を出来る。合格者を増やせば、経営陣も文句は言えないのだ。第7章にはそうそうたる講師が紹介されている。これからの流れはどうなるだろう?

    0
    2026年02月15日

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