大学でいかに学ぶか (講談社現代新書)
by 増田四郎
教師もまた、高校までは教科書を教えることが主でした。教科書に書かれてあることの、ことばは悪いですが、いわば一種の押し売りです。しかし、大学の教師は、どんなばあいにも、押し売りは許されません。ただ、長いあいだ研究して、その教師が到達した立場から、自分の一貫した考え方を講義するだけです。それは、その教師が研究しているあることの、一つの考え方をすじみちをつけて述べるだけなのです。つまり、自分の説とはちがった考え方が、ほかにいくらでもありうるという前提のうえに立って講義するわけです。