機械ぎらい 機械音痴のテクノロジー史

機械ぎらい 機械音痴のテクノロジー史

小説・文芸
968円 (税込)

4pt

モバイルオーダー、オンライン予約、セルフレジ、最新の家電やアプリ・・・・・・効率化のために導入されているはずの最新技術が、操作のしにくさによって人々の効率を悪くしている。なぜ新しい機械やシステムは使いづらいのか? それは、最新技術が「機械が苦手な人たち」=「機械音痴」の存在を念頭においていないからである。メディアの変化に並走してきたライター、ポッドキャスターが、機械音痴たちの歴史をたどり、真に「便利な」技術と社会のあり方を考える。

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機械ぎらい 機械音痴のテクノロジー史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    人間の脳はそれほど進化していないにもかかわらず、急速に進化し続けるテクノロジー。いつか人間の脳がその進化についていけず、パンクする時が来るのではないか。そんなことを考えていたときに発売され、気になっていた本。

    炊飯器やエアコンなど、身近な家電ひとつをとっても、さまざまな機能が追加され、必要な機能以外のボタンまで増えて複雑になっている。さらにハードだけでなく、ソフトウェアやアプリも細分化されている。

    例えばアクションゲームひとつとっても、攻撃ボタンが○だったり□だったり、R1ボタンだったりと作品ごとに異なり、操作を覚えるだけでも一苦労する。さらに、カメラの「少し押す」、スマホやタッチパネルの「長押し」のように、「押す」という単純な行為まで細かく分けられている。

    ブルシットジョブをなくすためにテクノロジーを発展させてきたはずなのに、実際にはテクノロジーを使うための新たなブルシットジョブを増やしているともいえる。また、効率化によって一つの作業にかかる時間が短くなった結果、こなさなければならない仕事の量そのものが増えている。

    では、なぜこのような社会になったのか。本書では、機械を使えないことを恥ずかしいと感じてしまい、ユーザーが不満を声にしにくいことや、機械の操作に慣れている開発者と一般ユーザーとの感覚の乖離などが、その理由として挙げられている。

    そもそも人間には身体があり、五感を通じて世界のさまざまなものを理解してきた。それが文字やデジタル情報によってどんどん抽象化され、現実との間に乖離が生まれていることも、現代の「使いにくさ」の原因なのではないかと私は考えた。

    テクノロジーは、単純化・効率化すれば必ず便利になるとは限らない。むしろ、効率化したことで新たな複雑さや不便さが生まれることもある。私たちは、テクノロジーの進化そのものだけでなく、「人間にとって本当に便利なのか」という視点から、その進化について考えていく必要があると思った。

    0
    2026年08月27日

    Posted by ブクログ


    ダグラス・アダムスの法則

    ①生まれた時からあるもの
    自分が生まれた時にすでに存在していたテクノロジーは「自然な世界の一部」として受け取る。

    ②15歳から35歳の間に登場したもの
    新しくエキサイティングで、自分たちの世代の革命的なものとして歓迎する。

    ③35歳以降に登場したもの
    自然の秩序に反するものや、不気味で理解しがたいものとして
    拒絶反応(テクノロジー恐怖症)を示しやすくなる。

    新書の文章とは違う引用だけど、これ、すごいな。
    年齢によるテクノロジー受け入れ度合。
    凄く頷ける。
    でも何とかこれに抗って、インターネットやらSNSやらAIやらにチャレンジしているけど。
    スマホのキー入力はへたくそだしな、、

    この新書で言いたいことはここに集約されるような気がする。

    QRコード、ジョブズのボタン嫌い、エレベーターの歴史、電気炊飯器の歴史、汽車、、、

    元来人は保守的なのだ。昨日と同じことをしていたい。
    そこに無人レジなんて来た日には、ってわけだ。

    便利、効率的になるからいいじゃないか。これも正論。
    でもそれについていけない人も、、、
    結局時の経過で解決するしかないんだろうね。
    いかにテクノロジーの進歩が速かろうと。

    そういう意味では、、、古い考えが新しい人によって一掃されていくべきなのに、
    いまだ男系男子のミトコンドリアにこだわるのは、戦争を知らない50代60代だったりする。
    家父長制の象徴として残したいのか、世界に類を見ない2000年近く続いた王朝を気取りたいのか、、、
    よそから来た王朝は継体天皇だけでたくさん。
    天皇の子が天皇になる。普通の感覚の戦後世代が望むのはそれだけ。

    あ、話がそれた。
    価値観は難しい。


    第1章 「情弱」だと思われたくない私たち
    迷宮化する飲食店のタッチパネルとQRコード注文/「効率化」が生む、新たなブルシット・ジョブ など

    第2章 めんどうな予約型社会の到来
    「調整さん」が調整しきれないもの/官僚制と予約社会 など

    第3章 エレベーターの歴史から見る機械のユーザーインターフェース史
    怖がられていた時代のエレベーター/19世紀のエレベーターの恐怖「タワー・オブ・テラー」/スリーマイル島の事故とボタンの数 など

    第4章 押しボタンはなぜ増殖したのか
    ハイテク機器に惑わされることのない人生/スティーブ・ジョブズが考えた理想のマウスのボタンの数 など

    第5章 「機械嫌い」から見るテクノロジー史――冷蔵庫・鉄道・高層階
    1 冷蔵・冷気嫌い 2 鉄道嫌い 3 高所嫌い

    第6章 郵便的国家とマイナンバー的国家
    人間はアンラーニングできない/テプラだらけのコーヒーマシンは「デザインの敗北」だったのか/ユーザーインターフェースこそが国の形である など

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    2026年07月02日

    Posted by ブクログ

    2026.05.10〜05.16

    機械音痴、まさしく私のことだ。
    だいたい、マニュアルが読めない。わからないから読むのに、余計、わからなくなる、最悪の書物だ。あれを書いている人って「自分、頭が良いので。」って絶対に思ってるよね。
    機械を使う人間側が、機械に使われる。私は、使われるどころか、嫌われている、いや、相手にされてすらいない。
    このような書があるってことは、世の中に、私と同様の人がいるってこと。ちょっと、安心。
    グレーバー、凄いな。

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    2026年05月16日

    Posted by ブクログ

    畳み掛けるように放たれる事例の数々に読み手として惚れ惚れしながらも、一市民として本当に嫌気が差してくる。巷に氾濫するクソみたいなUIをなぜ黙って受け入れてしまっているのだ、自分は。積極的に「機械ぎらい」になっていくべきなのかも。
    ○ダグラス・アダムスの法則

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    2026年05月15日

    Posted by ブクログ

     機械の進歩は、人間に歓迎をもって迎えられている訳ではなく最初は嫌悪感や恐怖を持たれていた事。その嫌悪感や恐怖は忘れられ、現在の最新技術を作るものが機械に不慣れなもの(機械音痴)を知らず若しくは、無視して個々が自分の思う最適化を推し進めてきた結果が全体に効率悪い社会になっているのを実感できる。

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    2026年05月10日

    Posted by ブクログ

    この新書の元になったのはウェブの集英社新書プラスで連載された『21世紀のテクノフォビア』です。2022年8月から25年6月まで連載の途中で著者の話を聞く機会に恵まれました。その時は、いまや立ち食い蕎麦でさえ券売機のボタンのデザインに翻弄され一番上の季節のおすすめをスルーしてフツーのかき揚げそばにたどり着くのが大変!と嘆息していました。確かにコロナ以降、支払いのバリエーションの増加とともにメニューのオーダーがストレスとなっています。最近の自分の話だと推しがWeb CMに起用された季節限定の商品を食べるために久々にハンバーガーチェーンに通っているのですが久々すぎて注文のシステムがすっかり変わっていてタッチパネルの前で右往左往の日々。本書も『「情弱」だと思われたくない私たち』という章から始まっています。まさにそれな〜ですがあまりにもわからないことが多すぎて開き直って「情弱」キャラを前面に押し出して悲しい限りです。でもこの新書ではテクノロジーの歴史では前向きのベクトルだけではなくラガードたちの抵抗が新しい技術を産んでいることを「知らなかった」事例を次々と紹介してくれながら伝えています。スリーマイル島の事故とアップルのデザインの関係なんて、びっくりです!右往左往ならぬ前後左右に揺れながらテックは進む、ってことだと思います。それにしても著者の領域に捉われない文献取集力はすごい!アカデミズムとはちょっと違う視点のの編集の仕方、満喫しました。しかし「ユーザーインターフェースこそが国の形ある」というラストの視点には考えさせられました。最近、どこでも導入されているスマホでQRコード読み込んでメニューをオーダーする仕組みに最初に出会ったのは日本語話せない方がホールをやっている郊外のガチ中華でした。その時の自分のスマホには日本の労働事情が反映されているような気になりました。さてさてAIは日本にどんな形を与えてくれるのでしょうか?

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    2026年04月15日

    Posted by ブクログ

    当てはまる!と激しく思うのに全て言語化できない私はまさに機械ぎらい機械音痴。できない人は状況を説明できないんだよね…テクノロジーの歴史より前半のできない人のできない理由を列挙してあるのがよくわかり面白かった、何も解決してないけど…

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    2026年04月14日

    Posted by ブクログ

    かつて機械はハードが主役だった。車はどのメーカーであってもハンドルがあり足元にペダルがある。しかし知的財産を中心とするビジネスに移行した現代では主役はソフトである。各社が独自規格の部品や仕様で製品を作る。最近は車にも独自仕様が増えてきた。

    機械に慣れるには操作を反復するのが一番だが独自仕様では各社で勝手が違って慣れにくい。また知的財産のため勝手に修理できない構造になっている。バイクやラジオは使用者自身で修理できるかもしれないがスマホはそうはいかない。カバーを外すのに専用工具が必要、メーカー以外が開けたら保証対象外。

    慣れの問題について、スマホのアプリ操作に慣れてきたころ、アップデートという名目の複雑化・改悪が起きるのを常に腹立たしく感じているのだが、その点に言及がなかったのは意外。あるあるだと思ってたので。通信アプリがウォレット機能つけたりニュース見られるようになったり、そんなのこっちは望んでいない。最初はシンプルで使いやすいと思ったソフトが普及するにつれ複雑化していく奇怪さ。炊飯器やエアコンもそう。なんとかモードを選択するボタンが増える。収益や競合他社との差別化なんだろうけど、もっとユーザーに寄り添ってほしい。

    効率化を目的としたDXが官僚的なブルシットジョブを生んでいる皮肉な現実はたしかにある。通信技術や移動手段の発達は仕事を増やし、複雑にした。リモートで手軽に会議できるようになって以降、会議が増えたふしもあるように思う。

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    2026年03月22日

    Posted by ブクログ

    おもしろかった。
    ご本人があとがきで書いているように
    機械音痴についての本でもあるし
    「押しボタン」についての技術史でもある。

    最初は単純だった機械の操作が
    できるサービスを増やすたびに複雑化する。
    炊飯器なんて「炊く」と「保温」でいいわ!
    と、強くそう思います。
    単純タイプと至れり尽くせりタイプと
    どっちも売ってくれるのがいいなぁ。

    あと、なんでも事前予約させられる風潮は
    私の「機械嫌い」を加速させる自覚あり。
    なんだろう…自分から
    新しい技術を試すのは嫌じゃないのですが
    選択肢なしに強要されるのは嫌だ。

    ボタン嫌いのジョブスの逸話もあり(^◇^;)

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    2026年07月28日

    Posted by ブクログ

    自分の研究テーマに近い内容なので興味深く読んだ。
    「機械」というより新しいテクノロジーが出てきた際に、ヒトはどのように反応してきたか、過去の歴史に学ぶといったところが中心だった。
    技術やテクノロジーの範囲が広く捉えられており、予約必須社会もこの範疇に入れられている。新しいテクノロジーに反発したり、忌み嫌う心理的側面は、一個人というより相互関係として社会的に発生しているのが面白かった。

    0
    2026年05月16日

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