もっとアジアを学ぼう 研究留学という生き方

もっとアジアを学ぼう 研究留学という生き方

770円 (税込)

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ひとつの地域に住み込み、フィールドワークや資料収集に没頭する生活。単なる学生生活や海外赴任では見えない、ディープな体験とは。

もっとアジアを学ぼう。学ぶためには留学に出かけよう。「留学」と一口に言っても、この語の意味するところは様々である。夏休みや春休みを使っての語学留学もあれば、正規の学生として海外の学校に学び、幾年もかけて学位を得るという留学もある。この本が皆さんにお勧めしようとするのは、そのどちらでもない。大学院生やポストドクターなどが自分で計画を立て、その計画を実現するために渡航先へ赴き、現地の大学や研究所などに、訪問研究者や外国人研究生の資格でお世話になる。そうして、一年や二年という期間を区切ってフィールドワークや資料収集に没頭するという、いわば「研究のための留学」である。時には現地で学会発表をしたり、論文を世に問うたりする機会もあるだろう。以下、この本の中で「留学」という言葉を断りなく用いる際には、この種の留学を指すものと思っていただきたい。(本文より抜粋)

【目次】
はじめに(水口拓寿)

一 留学を通して出会ったもの
1 新たな研究手法との出会い(岩城考信)
2 葬儀が教えてくれたこと (胎中千鶴)
3 ベトナム留学を通して出会ったもの(俵寛司)

二 留学先との繋がりは続く
1 住宅に刻まれる一九世紀後半から二一世紀後半に至る家族の歴史(岩城考信)
2 台北孔子廟と私の一〇年 (水口拓寿)

三 留学成果を活かす
1 永遠の「観察者」としての「調査者」(岸保行)
2 大地震と台湾社会 (胎中千鶴)

おわりに(水口拓寿)

【著者】
水口拓寿
武蔵大学人文学部准教授。
2000年度松下アジアスカラシップにより台湾の中央研究院民族学研究所に留学。本シリーズではこれまでに『風水思想を儒学する』(2007年)を執筆。

胎中千鶴
目白大学外国語学部教授。
1998年度松下アジアスカラシップにより台湾の中央研究院歴史語言研究所に留学。本シリーズではこれまでに『植民地台湾を語るということ―八田與一の「物語」を読み解く』(2007年)を執筆。

俵寛司
考古学者。
2001年度松下アジアスカラシップによりベトナムのベトナム国家大学ハノイ校ベトナム研究・文化交流センターに留学。本シリーズではこれまでに『境界の考古学―対馬を掘ればアジアが見える』(2008年)を執筆。

岩城考信
呉工業高等専門学校建築学科准教授。
2004年度松下アジアスカラシップによりタイのチュラーロンコーン大学社会調査研究所に留学。本シリーズではこれまでに『バンコクの高床式住宅―住宅に刻まれた歴史と環境』(2008年)を執筆。

岸保行
新潟大学経済学部准教授。2005年度松下アジアスカラシップにより中国の香港大学日本研究学系に留学。本シリーズではこれまでに『社員力は「文化能力」―台湾人幹部が語る日系企業の人材育成』(2009年)を執筆。

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