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伝統的な高床式住宅と洋風建築。そこには歴史的背景と建築的必然の織りなす複雑な来歴がある。住む人と寄り添う「住」の変化。
しかし、プラナコンでは表通りより路地裏の方にこそ多様な住宅建築がある。表通りには、ショップハウスのような地面に直接、床を張った建築が多いのに対して、路地裏には、伝統的な高床式住宅であるタイ住宅(Ruean Thai, Ban Song Thai)や、床高六〇センチメートルから三メートルに至る多様な床高を持った雑多な木造の住宅が現存している。いずれも高床式住宅ではあるが、それにしてもこの床高の多様性はいかなる背景のもとに生み出されたのだろうか。本書では伝統的なタイ住宅から多様な床高を持つ木造住宅へと繋がる高床式住宅の系譜を探りながら、そこに刻まれてきた歴史や環境への適応手法を掘り起こしてみたい。(本文より抜粋)
【目次】
はじめに
高床式住宅と実測調査
一 床高から見るバンコクの住宅類型
1 バンコクの都市と住宅
2 高床式住宅とタイ住宅
3 揚床式住宅
4 地床式住宅
二 伝統的な高床式住宅・タイ住宅を再考する
1 タイ住宅を巡る言説と疑問
2 動産としての住宅
3 移築、増築による住空間の変容
4 空間変容のサイクルと家族構造
三 バンコクの近代化と高床式住宅
1 タイ住宅はなぜ減少したのか
2 選ばれる揚床式住宅
3 選ばれる高床式住宅
4 賃貸の戸建て住宅の開発と高床式住宅
おわりに
【著者】
岩城考信
法政大学大学院工学研究科建設工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。
現在、呉工業高等専門学校建築学分野准教授。
主な論文に「20 世紀初頭のバンコクの都城域・プラナコンにおける水辺空間の多様性」(『日本建築学会計画系論文集』第671 号)、「住宅に刻まれる家族の歴史-バンコク郊外の高床式住宅の変容に関する一考察」(『日本建築学会計画系論文集』第626 号)などがある。(2014年現在)
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