中国倫理思想の考え方

中国倫理思想の考え方

1,980円 (税込)

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4.0

倫理という語は中国で生まれ、その思想とあわせて日本にも伝わった。私たちはいつのまにか、英語のethicsを倫理と訳すことに慣れてしまったけれど、ethicsのイメージに寄りかかっているかぎり、漢語としての「倫理」は正体をあらわしてくれない。
中国の倫理思想は、儒教によって代表される。孔子がつくりだし、孟子・荀子などが育てた儒教の倫理思想は、やがて歴代王朝の「国教」となり、中国の人間関係や社会秩序を二千年あまりにわたって強く規定した。彼らは具体的に、どのような倫理を求めたのだろうか? 人と人の正しいつながりを、どうすれば実践できると考えたのだろうか? そして何よりも、儒教の倫理思想は皆を幸せにしたと言えるのだろうか?
本書では、春秋時代に始まる儒教の倫理思想が、前漢・後漢でひとまずの完成形にいたったところまでと、南宋の朱熹(朱子)、明の王守仁(王陽明)による新たな展開に重点をおき、その理論的な歩みと、それが社会にもたらした影響についてわかりやすくお話しする。論理が整わずにおわった部分や、負の遺産と呼ぶべきものごとにも忌憚なく触れよう。中国で語られた倫理の思想を、さまざまな角度から冷静にみつめていただきたいと思う。

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    Posted by ブクログ

    儒教は哲学なのか宗教なのかが自分の中での長年にわたる問いなのだが、倫理の根拠が「天の善を信じること」にしか求められないとなると、それは宗教のカテゴリーに入るだろう。ただ「天」を「理=自然」に抽象化した朱熹の理論に立てば、それは宗教ではなく哲学に含まれる気もする。本書を読んで儒教をさらに立体的に理解す

    0
    2024年03月17日

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