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Posted by ブクログ
近年の国際情勢は、ウクライナ戦争の長期化・台湾海峡をめぐる緊張の高まり・第2次トランプ政権の発足などを背景に、先行きの見通しが極めて立てにくい状況にある。これらは資源・貿易・安全保障を通じて日本社会にも影響を及ぼしているため、腰を据えてじっくり考えなければならない問題だろうと思う。そんなことを思っていた私にとって本書はすこぶる刺激的で、重要な視座を与えてくれた。なぜ17世紀のオランダを理解する必要があるかについては、近代哲学の父であるデカルトが彼の思想形成の重要な時期を過ごした地であり、現在のグローバリゼーションの原点ともいえるオランダ東インド会社が設立された地であり、レンブラントやフェルメールといった稀代の画家を輩出した地であることなどを挙げれば十分だろう。本書で印象的なエピソードは、ロシア・ロマノフ王朝の基盤を作り上げたピョートル大帝が若き日にアムステルダムを訪れ、船大工としてオランダ東インド会社で働いていたという事実である。そこでの経験が基となって、帰国後彼はアムステルダムを模倣する形でサンクトペテルブルクの建設に取り掛かった。また、東インド会社での経験が彼の「東方進出」への意欲を高めたという意味においても、17世紀オランダの影響がいかに大きかったか想像に難くない。
先行きの不透明な時代を生きるうえで重要なことはできるだけ視野を広げることではないかと思う。戦後から現在にかけての日本はモノの見方や考え方がアメリカナイズされ過ぎているように見える。一国の思想に傾倒し過ぎず広い視座を持つことが、混沌の時代に道を切り開いていくうえで重要ではないだろうか。
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