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高知の田舎町で父と暮らす17歳の高校生・すずは、幼い頃に母を事故で亡くし、現実世界では心を閉ざしていた。ある日、親友に誘われたことをきっかけに“もうひとつの現実”と呼ばれるインターネット上の超巨大仮想空間〈U〉に「ベル」というアバターで参加することに。ずっと秘めてきた比類なき歌声で瞬く間に世界中から注目される歌姫となったすず(ベル)は、〈U〉の中で「竜」と呼ばれ恐れられている謎の存在に出逢う。凶暴ながらもどこか孤独な竜との出逢いをきっかけに、すずは自分の中にある迷いや弱さと向き合っていく――。歌が導く奇跡の出会いと成長の物語!
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読んだ後で色々と考えさせられる
映画公開前に読ませていただきました。SNSを軸に今の私達が生きていく上で向き合わなければならない様々な事柄について考えさせられるお話でした。主人公がその問題に対して向き合って成長する姿に涙が出ました。読めて良かったです。映画とても楽しみにしています。
Posted by ブクログ
仮想世界というものにすごく心惹かれた。
また美女と野獣がコンセプトということもありとても見てみたい気持ちになったが、行けずに終わったので本を借りることを決意。
読んでいるうちにページを捲る手が止まらなくなった。
読みながら、
ああ、ネットってこういう所あるよね、とか
偏った正義を振りかざす人っているよね、とか
常にネットは羨望や嫉妬で出来ているんだなと思った。
それと同時に自分もUに入ってBelleの歌声を聴いてみたいと思ったりもした。何故現実にはないのだろう。
竜の正体に関してはとても驚いたが、
途中、映画を見ていないと想像しづらい場面もあった。
例えばひとかわ剥い太郎と、ぐっとこらえ丸の配信のシーン。
少し自分としては想像しづらかった。
やはり映画を見てから読んだ方が良かったのだろうか。
誰にだって秘密はある、という言葉に思わず頷いてしまった。
読んでみて良かったなと思った。
出来ることなら映画を見たかった。
読んでいてこんなに楽しいのだから、映画は更に楽しいものだったに違いない。
Posted by ブクログ
細田守監督映画『竜とそばかすの姫』の小説版。
高知の田舎町に住む鈴は、平凡で内気な女子高生。容姿にも自信はなく、顔のそばかすを気にしている。
昔は歌を歌うのが大好きだったが、子供の頃、母親を亡くして以来、心を閉じてしまい、人前で歌うことができずにいる。
そんな鈴だが、友達のヒロちゃんに「U(ユー)」というインターネット空間を教えてもらう。そこでは「As(アズ)」という分身(アバター)を作り、別の自分として存在することができる。
鈴は自らのIDを「ベル」とする。
アップロードした写真から、「U」のAIが自動作成した画像は、同じ学校のアイドル的存在、ルカちゃんに似ていた。ルカちゃんと一緒に写った写真を使ったからかもしれなかった。でも顔にはちゃんとそばかすがあった。
鈴は、いやベルは、「U」の中でなら歌うことができた。個性的で魅力的な歌に、「U」に集う「As」たちは夢中になった。
「U」はボディシェアリング技術を使って、ユーザーの隠された能力を引き出すことができるプラットフォームだった。歌いたいけれど歌えずにいた鈴の望みと才能を見事に花開かせてみせたのだ。
ヒロちゃんのプロデュースの力も借り、ベルは瞬く間にフォロワーを増やしていった。
最初は、鈴=ベル(Bell)の意味でつけた名前だったが、いつとはなしに、他の「As」たちからは、フランス語の美しい(Belle)の綴りがふさわしいと言われるようになった。
世界中でファンが増えるにつれて、疑問も膨らんだ。
「Who is Belle?」-ベルって誰?
ベルの大規模なライブが行われた時、闖入者が現れた。
「竜」と呼ばれる「As」。「U」の武術館に現れては、汚いやり方で勝ち続けているモンスター型「As」だった。荒々しく粗暴で、嫌われ者。「U」の平和を守るジャスティスたちに追われている。
ベルのライブがめちゃくちゃにされたのは、ジャスティスに追われた竜が転げ込んだためだった。
竜の正体が何なのかも「U」の大きな関心を集めていた。
ジャスティスは正体を暴く「Unveil」の技術を使って、竜を丸裸にすると息巻いている。これを行うと、現実世界の姿がさらされ、もう「U」に存在することはできなくなるというのだ。
ベル(鈴)は、竜が単に悪いやつだとはどうしても思えない。それは自分もまた現実とはまったく異なる仮想を生きているからかもしれなかった。
ベルは竜の城を探して「U」の中をさまよう。
やっと見つけた竜と鈴の間に通うものは。
そして彼の現実での正体とは。
・・・いや、これはなかなかすごい。
細田の過去作品『サマーウォーズ』も思い出させるような仮想空間がとにかく魅力的。小説でこうであれば、映像作品ならさぞかしと思わせる。
美しい(歌)姫とケダモノという取り合わせは、(ベルという名からしても)まるっきり「美女と野獣」なのだが、さて、それぞれには別の現実の姿があって、というのがミソ。
ただ、鈴は確かにつらい経験もしていて、父との仲もぎくしゃくしているのだが、実際には頼りになる友人もいて、初恋の男の子もいて、鈴に密かに思いを寄せる別の子もいて、さらには母の旧友たちが鈴を見守ってくれていて、と、とにかく「恵まれて」いる。この甘さには、ちょっと都合が良すぎると感じなくはない。
とはいえ、仮想空間と現実がまったく切り離されるのではなく、仮想の世界のつながりが現実の苦悩も救うのだ、というストーリー展開には希望も感じるし、著者の願いも込められているように思う。
誹謗中傷があったり、無責任な噂が飛び交ったり、仮想空間にはさまざま問題がある。けれども、便利なことには間違いないし、使いようによっては、実際に現実を支えるものにもなるはずだ。
ミュージシャンの中村佳穂が声優を務めることでも話題を呼んだ。
本作はいずれ、映画を見たい。
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