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上巻のどこか陰鬱だけど、まずまず平和な日常からの下巻の怒涛の展開。
特に文化祭のあの場面。
漫画史上、フィクショナルなキャラクターの羞恥や焦りがこれほどまで伝わる場面が描かれたことはなかなか無いのではないでしょうか?
私の場合、ある意味、青春時代に読まなくてよかった…のか?
壊れゆく世界と喪失の果て
狂気と現実が混ざり合い、夢と悪夢の境界が曖昧になっていく。
心の拠り所を求めながらも、すべてが崩れていく様子が残酷なまでにリアル。
衝撃的な展開の連続に息をのむが、ただの暴力や破滅ではなく、そこにあるのは確かに「青春」の終わり。
読み終えた後、言葉にできない感情が胸に残る。
Posted by ブクログ
【上巻感想の続き】
地上げ屋とヤクザがどうしたとか、その被害者が亡くなったとか、
なるほどバブル期に発表された作品なのだなぁ、なんて、
どうでもいい部分で頷いちゃったりして。
それにしても、純真な少年(←エロ妄想激しいけど)が一生懸命になればなるほど、
彼をいたぶるようにエスカレートするオヤジどもの悪逆っぷりには反吐が出るぜ。
しかし、壊滅的なバッドエンドだったら嫌だなぁ……と思っていたら、
ラストは意外にスッキリ。
個人的には、ゲージツ家ってのは、子供の頃、周囲から浮いていて辛かったとか、
物事を何かと深く考え詰めて自らを追い込んでしまうとか、
そういう苦しみを昇華させることが出来る人であってほしいと思う。
苦労知らずで非内省的だとか、子供の頃いじめっ子だったとかってヤツじゃなくて。
だから、この結末は
ちょっと、ご都合主義的というかアッサリし過ぎな感が否めないけど、ホッとした。
Posted by ブクログ
あらすじ
文化祭を間近に控えたころ,今春は市ノ瀬を自分の後継者とするために策略をめぐらしはじめる。市ノ瀬は美大への進学の希望を今春に伝えるが,今春の金と権力に抗えずに流されてしまう。文化祭で上映する映画「さくらの唄」が完成し,文化祭当日を迎える。
第18話「絵描きの子」から第28話「最終回」までを収録。
感想
『キラキラ』をはじめとする安達哲の作品は好きなのだが,この作品は精神的にクるから,あまり読み返したいとはなかなか思えなかった。しかし,久しぶりに読んでみて,思いの外あっさり読み終えた。
連載当時から含めて少なくとも3度は読み返しているから,文化祭以降の鬱々とした展開に耐性ができていたということもあるかもしれない。しかし,あっさり読み終えることができた大きな理由は,主人公の市ノ瀬に感情移入できなくなっていることにあると思う。
また,文化祭以降の出来事はショッキングであるものの,取ってつけたように感じたこともその理由であると思う。上巻までの今春は,確かに,地上げ屋であることは明記されていたが,ただのスケベおやじに過ぎなかった。それが下巻においては一転して悪逆非道になっている。その変化が不自然なので,今春の非道な行いも市ノ瀬らをただ苦しめるだけに用意されたようにしか思えない。
取ってつけた感は,絵を描くことに大して力を注いでいなかった市ノ瀬が世界的なアーティストになってしまうというエピローグにも現れていると思う。
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