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「“特別” になりたい。貴女の。」
ベストセラー『記憶屋』『花束は毒』著者が直球で挑む新境地!
百合界隈で話題をさらったアンソロジー『彼女。』『貴女。』収録作2編に書き下ろし新作を加え、待望の書籍化。傑作青春×百合小説集!
カバーイラスト/ふぃふ
ブックデザイン/円と球
やめてよ。恋なんかしないでよ。塩野の気持ちに気づいたときから、私はずっとそう思っていた。言えるわけがないけれど。
誰かのために卵焼きを作りたいなんて、そんなこと考えないでほしい。
料理なんてできなくたっていい。私がなんでも作ってあげるから。
誰かのために可愛くなんて、ならなくていい。塩野はそのままでいい。デートだって私とすればいい。どこにでも行くのに。
置いて行かないで。
(本文より)
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Posted by ブクログ
百合、とかそんな言葉で括れない。
でもそんな括りの言葉で興味を惹かれて手に取る人が増えるといいなと思った。
人を好きになる。
誰かに恋をする、それってこんなことだ。
そんな恋の一番始まりのキラキラした大切なところを思い出させてくれる小説だ。
理窟でもなく理念でもなく、ただ「明日もいっしょに帰りたい」と思うこと。
学校の帰り道、二人で並んで、こぶし一個分くらいの絶妙に微妙な距離で歩く、ただそれだけが嬉しかったあの頃の気持ち。
「一緒に帰ろう」が、いつの間にか、
「一緒のところに帰ろう」に育っていって、伴侶になる。
性別が優先順位の上位でなければ承服できない人もいるだろうけど、
そうではない関係で繋がる伴侶も、自然の成り行きだなと感じさせてくれた。
読んでよかった。
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