あらすじ
「“特別” になりたい。貴女の。」
ベストセラー『記憶屋』『花束は毒』著者が直球で挑む新境地!
百合界隈で話題をさらったアンソロジー『彼女。』『貴女。』収録作2編に書き下ろし新作を加え、待望の書籍化。傑作青春×百合小説集!
カバーイラスト/ふぃふ
ブックデザイン/円と球
やめてよ。恋なんかしないでよ。塩野の気持ちに気づいたときから、私はずっとそう思っていた。言えるわけがないけれど。
誰かのために卵焼きを作りたいなんて、そんなこと考えないでほしい。
料理なんてできなくたっていい。私がなんでも作ってあげるから。
誰かのために可愛くなんて、ならなくていい。塩野はそのままでいい。デートだって私とすればいい。どこにでも行くのに。
置いて行かないで。
(本文より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
百合の話
温かく、優しく、可愛く、尊い
異性恋愛と違い、お互いが戸惑い、距離感を意識しながら、それでも溢れてくるものが止まらない感じが尊い
自分の採点基準だと☆7つけたい
Posted by ブクログ
百合小説が4編収録されてる。学生から社会人まで。
最高の百合小説を読んだ。アンソロの再読もあったけど何回読んでも良い。好きの気持ちの猫写とか、距離が縮まっていく展開とか、すべてが甘酸っぱくてかわいかった〜!!!
Posted by ブクログ
百合、とかそんな言葉で括れない。
でもそんな括りの言葉で興味を惹かれて手に取る人が増えるといいなと思った。
人を好きになる。
誰かに恋をする、それってこんなことだ。
そんな恋の一番始まりのキラキラした大切なところを思い出させてくれる小説だ。
理窟でもなく理念でもなく、ただ「明日もいっしょに帰りたい」と思うこと。
学校の帰り道、二人で並んで、こぶし一個分くらいの絶妙に微妙な距離で歩く、ただそれだけが嬉しかったあの頃の気持ち。
「一緒に帰ろう」が、いつの間にか、
「一緒のところに帰ろう」に育っていって、伴侶になる。
性別が優先順位の上位でなければ承服できない人もいるだろうけど、
そうではない関係で繋がる伴侶も、自然の成り行きだなと感じさせてくれた。
読んでよかった。
Posted by ブクログ
どれもピュアで可愛い話でした。
ふんわり温かくて、お互いを大切に思っていて。
「いいよ」がお気に入り。
高校からの付き合いだけど、まだお泊まりもNGなピュアな関係。そこに忖度なくハッキリ物言う親友の存在がまたピリリとして良いアクセントになってました。
Posted by ブクログ
「椿と悠」
「友達未満」
「変温動物な彼女」
「いいよ。」
女性同士のピュアな関係を描いた4話収録の短編集。
いわゆる百合小説と呼ばれるジャンルだが、友達以上恋人未満の彼女達の言動が初々しくてとてもキュート。
どの登場人物も一途に相手を想い、嫌われないように手探りで少しずつ距離を縮めていく姿が愛おしい。
近年ようやく世の中にLGBTQが認知されるようになって来たけれど、まだ偏見の目で見られる事は多いと思う。
でも彼女達の純粋さは何よりも尊い。
好きな人に好きと言える世界が当たり前になるといい。
彼女達の恋は今始まったばかり。