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Posted by ブクログ
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世の中に綺麗なお花が溢れてるのは蜂のお陰なんだなと思った。害虫、益虫という言葉があるけど、それは人間視点での話でしかないから、害虫が居なくなったら生態系が崩れて大変なことになるらしい。働き蜂は女ばかりって言うのも意外だった。
横井智之(よこい・ともゆき)
近畿大学農学部卒業.京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻博士課程修了.博士(農学).岡山大学農学部特任助教,同大研究員を経て,筑波大学生命環境系助教.主に動物生態学,保全生態学,行動生態学を専門として,ハナバチ類をはじめ昆虫の行動や生活史を研究している.市民・研究者・行政などが参画する「ミツバチサミット」実行委員長を務める.
「ハナバチと植物はお互いに必要としている面もありますが、時には相手をだまし、出し抜き、自分に得になるようにしていることもあります。 ハナバチの側からみてみましょう。花にやってくる目的は、仔のために花粉と花蜜を集めることです。ですので、柱頭に触ることなく、花蜜だけ、または花粉だけを持ち帰ってしまうことがあります。これは盗蜜または盗花粉行動といいます。 クマバチやマルハナバチは大きい体をしていますが、時として自分の口吻よりも長い筒状の花を訪れることがあります。花蜜は筒の奥底にあるため、花の真正面から口吻を差し込んでも届きません。するとクマバチは、筒状になった部分に横から口吻をぶすりと差し込んで、花蜜を吸ってしまいます。これが盗蜜行動です。雄しべにも柱頭にも触らず、花をボロボロにしてしまうだけの行動なので、植物にとっては、咲いている花で次々とこんなことをされてしまうと、たまったものではありません。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「 このように、ハナバチと花の関係は、相思相愛というよりもっと複雑といえるでしょう。むしろお互いに相手を利用しようとした結果として、ハナバチと植物は「共生」のパートナーとなっているのです。そしてそれがめぐりめぐって私たち人間が利用するものになっています。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「ハナバチの仲間にも、他の昆虫と同じようにオスとメスが存在します。かつて、「父さんは働きバチみたいに会社で働いているんだよ」という表現もありましたが、ミツバチをはじめとするハチの仲間がつくる社会では、基本的な構成員は、すべてメスです。社会性ハナバチの巣の中で、忙しそうに動き回っているのはメスである女王やワーカーであり、オスは特定の時期だけにしかみられません。単独性ハナバチでは、オスはメスとほぼ同じタイミングで出現します。種によっては、メスよりも早めに出現するものもいます。 どのハナバチでもオスの役目は、メスとの交尾です。巣の中でワーカーと一緒に巣をつくったりすることはありませんし、餌を探しに行ったり、持ち帰ってくることもありません。ミツバチでは、羽化したオスは、他の巣で新しく羽化した女王(新女王)と交尾するために飛び立っていきます。うまく交尾できなかった場合には、巣に戻ってきて次の交尾チャンスを待ちます。ただし、多くのハナバチでは、巣を出たオスは、戻ってくることはありません。夜は木の枝や葉の陰にとまって野宿することになります。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「 ミツバチと私たちの生活とのつながりといえば、ハチミツは欠かせません。「ハチミツの歴史は人類の歴史」ということわざがあるぐらいに、古い時代から人間はハチミツを食べていました。今ではハチミツ以外にも甘い食品はたくさんあります。でも、古代の人々にとっては、ハチミツほどの甘さをもつ食べ物はなかなか手に入れることができませんでした。 3000年以上前の先史時代に生きていた人々は、野生のミツバチの巣を探して、そこからハチミツを持ち帰っていました。そのころに描かれた壁画をみると、ミツバチを鎮めるために煙でいぶしたり、梯子をつかって崖につくられた巣を取りに行ったりしていたようです(図 3─1)。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「ハチミツ以外にミツバチは私たちの生活とつながっているのでしょうか。じつはとても大事なつながりがあります。それは、「作物で株から株へと花粉を運ぶ」という役割です。これは第 1章でもお話ししたように、花粉媒介(送粉)といいます。農業分野では、花粉交配ともいいます。農家では、収穫できる量をできるだけ多くするために、広い場所に株や木を植えています。たくさん花が咲いてくれれば、そのぶんだけたくさんの果実を収穫できます。でも、咲いている花から花へと花粉が運ばれないと種子がつくられず、実が大きくなりません。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「昆虫の話をしていると、「カメムシは、部屋に入ってくるし、臭いにおいを出すから害虫だ」とか、「ミツバチは、ハチミツをつくっているから益虫だ」といった表現を耳にすることがあります。この「害虫」や「益虫」という表現は、その昆虫が、人間のために役に立つかどうかということだけで判断したものです。そのため昆虫の一面しかみていないことが多いのです。 もともと日本では害虫や益虫といった考え方はありませんでした。文明開化が起こった明治時代に、欧米から害虫を管理するという考え方が持ち込まれました。そこから人間の生活や農作物の生産にあたえる影響によって、昆虫を区別するようになったのです。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「益虫や害虫といった考え方は、あくまで人間中心的なものです。昆虫自身が、害虫になりたいと思ってしているわけではありません。どちらの昆虫たちも、生態系の一部としてとらえてみると、大切な役割を果たしているのです。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「日本人は世界的にみても、昆虫好きな人が多い国です。四季折々に昆虫たちの出す音色や光、姿を見て、季節の移り変わりを感じます。古い時代から書物や和歌、俳句にも登場し、その姿をアレンジしたデザインも幅広い場面で多く使われています。身近な昆虫たちがいなくなってしまうと、私たちがつくりあげてきた文化でも、なくなってしまうものがあるのです。 送粉者がいなくなった生態系では、わくわくするような面白い形や美しい色をした花々が姿を消し、食卓ではコメや麦、送粉者いらずの農作物以外は、見ることがなくなってしまうかもしれません。花粉媒介を必要とせずに、実が大きく美味しい果物や野菜をつくることもできつつありますが、世界的にみれば品種や生産数も限られています。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「生きもの同士が織りなす関係は、私たちが思っているよりも複雑で、まだまだわからないことだらけなのです。ハナバチたちは、思いもよらない相手や、場所で役立っているかもしれません。だからこそ、その多様性を保全していくことは重要なのです。 さらに、ハナバチたちは、私たち人間が暮らしているのと同じ環境で生活しています。つまり、ハナバチたちがいなくなる状況というのは、私たちにとっても、暮らしにくい状況だといっていいでしょう。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
「この本を最後まで読んでくださってありがとうございます。いかがでしたでしょうか。身近にいる「ハチ」の中のハナバチについて紹介しました。よく知られているミツバチやマルハナバチだけでなく、私たちの身の回りには、まだまだいろんなハナバチがたくさんいます。 この本の中では、かれらの魅力や生態系での役割、そして私たち人間との関係について紹介してきました。私たちの食卓や周りに咲く花々を豊かにしてくれるハナバチたちの存在は、これまでも、そしてこれからもなくてはいけないものです。 いま地球上では、あらゆる場所や地域で毎年のように、季節外れの猛暑や大雪、豪雨、台風などが当たり前のように起こってきています。これは、昆虫をはじめとする生物だけでなく、私たち人間にとっても生活していく上で、大変きびしい状況だといえます。」
—『もしもハチがいなくなったら? (岩波ジュニア新書)』横井 智之著
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ネイチャーガイドとして有用な事柄のまとめ
花の紀元
ジュラ紀(1億6000万年前)の地層から花の化石が発見されている
陸上植物はオルドビス紀(4億5000万年前)
〇ハナバチのメスとオスの役割
オス:メスとの交尾のみ(巣作りも花粉集めもしない)
メス:生涯 1回しか交尾をしない(ミツバチの女王は複数回交尾をする)
〇ミツバチのローヤルゼリー
巣の中の花粉を働きバチが唾液腺からの分泌物を混ぜてドロドロにしたもの
〇女王バチの寿命
ミツバチ:数年間
マルハナバチ:1年
〇セイヨウミツバチには攻撃性がある
〇♬クマバチの飛行♬の本来のタイトルは「マルハナバチの飛行」コルサコフ作曲
〇かんきつ類やぶどうはハナバチに頼らない風媒花
以上
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