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日本では森林という莫大な資源が増え続けている。多額の公共事業や補助事業が行われながら、建築材を採るために植林した人工林は切られず、木材自給率は二割である。林業は旧態依然とし、死傷事故も多発している。国産材と共にあった伝統木造は建築基準法で建築困難になった。我が国土で一体何が起こっているのか。リアルな実態を現場の「生の声」で伝える。森と木をめぐる社会の仕組みを根本から問い直す一冊。
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Posted by ブクログ
木材を大いに消費し、森林に関わる産業に従事している為、こちらの本を手に取りました。
現場を知らない人が、全国で画一的な補助金制度を作り、林業という地域性が非常に強い業界の足かせとなっている現状。林業の補助金制度に着目していましたが、日本社会のあらゆる問題にあてはまることと思います。
本書の中でありました、どこの地方に行っても似たような街並み、地域性が見られないというのはよくわかります。地方に行った際に、個々のお店や狭い範囲で地域性を感じる場面はありますが、街全体に地域性を感じる事はあまりありません。これらは、地域性を勘案しない画一的な補助金制度や規制の結果なのではないかと考えさせられました。
あまり欧米の価値観や、個人の意見をはっきりという文化を礼賛するような事は好きでないのですが、あの美しい欧州の街並みというのは、守ろうという強い意識や、現場にこれからも長く携わる、技術や知識のある方に責任と権限を持たせる仕組みが確立されて、はじめて作られるものと知りました。決して補助金や規制によってコントロールできるものではないようです。現場を知ることが大切ではなく、現場が大切です。
日本の伝統木造建築が守られ、国内の木材の価値が上がり、森林も豊かとなる好循環にどうすれば変えられるのか。少なからず森林と関わる産業に従事している者として、この視点は持ちたいと思います。
Posted by ブクログ
長良川流域では、人為的に杉を大量植林した。これとは対照的に昔からヒノキが自生もしていた木曽川流域は、そこにある森林資源と結びついて木材地場産業が育ってきた。
林業の補助金制度は、それを日々担当している者すら混乱するほど煩雑だ。
補助金をもらう条件を決める5機能
山地災害防止機能 水源涵養機能 保険文化機能 生活環境保全機能 木材等生産機能
日本で木材価格を吊り上げているのは、木を運び出すコストである。
その地にかなった林業をすすめるべきだ。優良材が収穫できる樹種が勝手に自生するような土地なのか。戦後、はげ山となった山肌に、広葉樹より育ちやすいと思われている杉、檜、松をただ植林しただけなのか。もとは広葉樹林でも、それを針葉樹の人工林に変えても立派に育つところなのか。林業に向かない土地は、もとの自然に戻す方法もある。
林業の世界では、広葉樹は針葉樹より育てるのが難しいと思われているが、植物生態学ではそうもいっていない。私が訪問した人工美林の所有者は広葉樹も植えていたが、見事に育てていた。
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