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Posted by ブクログ
「共産趣味」、という言葉がある。左翼思想を本気で訴えるのではなく、左翼思想を距離を置いて、観察し楽しむ、わかりやすく言えば、そんな感じだろうか。あまり、一般的な言葉ではないが、ウィキペディアには、項目がある。
かく言う俺も、ペーペーながら、共産趣味者である。年々、読書量は減っているが、ここ2年は左翼本が、ほとんどだ。小説だと学生運動に影響を受けたであろう、野坂昭如の「騒動師たち」、大江健三郎の「万延元年のフットボール」、新書だと浅羽通明の「アナーキズム」、三田誠広の「マルクスの逆襲」、荒岱介の「新左翼とは何だったのか」、後は、別冊宝島が出してる本、読書ではないが映画だと、若松孝二の「実録・連合赤軍」や、ゲバラを扱った作品などを鑑賞した。
で、そんな共産趣味者になったきっかけ、それが山本直樹の「レッド」である。
浅間山荘に閉じこもった連合赤軍をモデルにしたこの作品、現在4巻まで出ている。
ようやく粛正が始まった。この事件の陰惨な結果をおおまかに知っているが、淡々と進む不穏な空気を怖いもの見たさに、読んでしまう。
最初は、連合赤軍の言い分を知りたいぐらいの気持ちが、あったのだが、そんなのは忘れ、組織内の人間関係に興味が移った。この作品、登場人物の何人かには登場する時に①とか、番号がふってある。番号が命を落とす順番なのだ。最初から、読者に人物の結末を予告してあるのだ。
それが、この作品に恐ろしさを与えている。例えば、今回出た四巻で、②、③がふられた人物が粛正されるのだが、粛正する側のメンバーにも⑥、⑬などと番号がふってある。その時点では、組織の為と信じ、粛正を進言・実行していくメンバーが、後に粛正される側になってしまう事がわかってしまうのだ。しかし、(勿論だが)当人には、明日は、我が身とは、わかっていない。なんとも言えない。新選組やオウム真理教にも、組織内で観念が大きくなり過ぎ、陰惨な粛正が始まる。傍観者には、なんだか極端な人に見えてしまうかもしれない。
しかし、どこの組織にも、これらを薄めたような人間関係があるのではないだろうか?ある時は、組織内の誰か一人を複数で批判するも、その批判した複数が、僅かな期間で仲間割れし、何人かがはじかれ、批判される。大人、子供は関係ない、複数の人間が集まると生まれてしまう人間の浅ましさ、それが俺は、この作品内で繰り広げられる残酷な粛正の描写より、痛々しさを覚える。
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