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差別をする側,差別を受ける側の双方は部落差別問題をどのように認識してきたのか――明治維新後一八七一年の「解放令」発布から現代にいたるまで,人々の意識の中で部落差別が作りだされてゆく歴史を描き出し,その後の被差別部落研究に大きな影響を与えた名著,待望の文庫化.原著刊行後の動向を分析した補章を加える.
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Posted by ブクログ
20年以上前に出版された学術本が近年になって文庫化されたもの。被差別部落をめぐる各種運動・政策を俯瞰しつつ、部落史を日本史の中に位置付けようとの試みである。ややもすればエキセントリックな感情論が混入しがちなテーマだが、各時代の社会を見つめる著者の冷徹な視線のおかげで、二者択一を迫るような息苦しい議...続きを読む論に足を取られることなく読み進めることができる。 内容はかなり硬く、読み進めるのは結構骨が折れる。被差別部落内外の運動における各種発言、当時の報道、国会答弁などを丁寧に拾い上げつつ、それら主張の微細な変化を時系列的に捉えていくため、いきおい記述量が多くなる。しかもあまり他方面で見かけない人物や団体が数多く登場するため、それらを記憶に留めつつ読むのが難しく、またそれぞれの個人や団体の主張の違いが極めてわかりづらい。是非とも索引はつけて頂きたかったと思う。 冒頭や終章にあるように、部落差別問題は、差別する側が合理的根拠を欠いているが故に、合理的な反論に直面しても「家」や「血筋」などの何ら実体を伴わない概念が持ち出されてしまい、前者が建前に、後者が本音に置き換えられて差別的意識が容易に維持されてしまうという厄介な構造をもつ。このことを指摘しつつなおも「民衆にとって、現存する被差別部落を差別することは、(…)ある種の合理的な選択にもとづく行動なのである」とする著者の指摘は大変に重い。社会の病理や矛盾に直接目を向けないままに「人権」「SDG’s」などの美辞が免罪符代わりに使われがちな昨今、なんの引っかかりも無い「無色透明の人権」に安住する現代人に対する警告の書であると受け止めた。
専門的なので、歴史資料に慣れた人でないと読みづらく感じるかも。でも、現代の部落差別を考えるための基礎的な知識を押さえるために必要な1冊だと思います。
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