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1975年、横浜。少年アキラと“犬”とのひと夏の冒険が始まる―― 4年前、海水浴中にはぐれてしまった父さんは今もまだ帰ってこない。 あれ以来、母親のマチ子は時々どっかから拾ったオスをつれてくるようになった。 日出男はその「オス犬」のひとりだった。 欠落を抱えて生きる大人たちと、鬱屈を抱えて生きる子どもたち。 ままならない世界の哀しみと愛しさが胸にこみ上げる、すばる文学賞受賞作『ミシンと金魚』著者待望の最新作!
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Posted by ブクログ
大雑把で子供のような日出男と行方不明の父の面影を忘れられないアキラ。懐かしい昭和を背景にして、横浜の人々との温かな交流を活写。笑える筈の彼らの言動も、どこか切なくて哀しい。リズミカルな展開もいい。
「親とはこうあるべき」みたいな理想像を作ろうとして戸惑いながら暮らすのもいいかもしれないが、子供の隣で自分の人生を精一杯楽しむだけでも、主体的な思考と感性を育てる良い教育になるのではと思わされた。 子供が持つような瑞々しい感想を意識して言葉を使っていて、類似の少ない形の小説だと感じた。
ちょっと昔の横浜の夏。主人公のアキラは小学生、友達のモリシゲと母親マチ子のヒモである日出男とともに過ごす日々は切なさもあり、驚きもあり…。 モリシゲの飼い犬シェパードのヤマト。突然アキラと会話を始めた時はヤマトって犬じゃなくて人間だったっけ?と混乱しました(笑) 突然芸能界入りしたモリシゲのテレ...続きを読むビ中継も唐突過ぎて私はちょっと追いつきませんでしたが、文章は読みやすかったです。
『ミシンと金魚』でデビューした永井みみさんの新作だ。小学4年生のアキラが綴る、パワフルで下品でシッチャカメッチャカな夏休みの記録である。 想像力豊かな小学生の世界は広いようで狭い。そして、書かれていることのどこまでが本当に起きたことなのか疑問に思う箇所もちらほら。そうした一見無関係に思えるエピソード...続きを読むが、後になって繋がってくる。乱雑に書き散らしているようで、実はしたたかに計算しているように思える。 認知症のお年寄り→小学生の男の子と来て、次作はどんな作品を届けてくれるのか。とても楽しみだ。
海水浴から行方不明になってしまった父と、 その日から母をやめて男を連れて帰ってくるようになったマチ子。 最近居着くようになったマチ子の男、日出男。 同級生のモリシゲと彼の愛犬のシェパードのヤマト。 クリスチャンの祖母と、かつての父。 河川敷にいる浮浪者のクロ。 なんだろうねえ。小学生の大変な感情...続きを読むと冒険。
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