ぎんなみ商店街の事件簿 ～Ｂｒｏｔｈｅｒ編～

井上真偽

史上初！ ひとつの事件にふたつの真実。

古き良き商店街で起きた不穏な事件。探偵役は四兄弟と三姉妹、事件と手がかりは同じなのに展開する推理は全く違う！？ 〈Sister編〉との「両面読み」がおすすめです！
ぎんなみ商店街近くに住む元太・福太・学太・良太の兄弟。母は早くに亡くなり父は海外赴任中だ。ある日、馴染みの商店に車が突っ込む事故が起きる。運転手は衝撃で焼き鳥の串が喉に刺さり即死した。事故の目撃者は末っ子で小学生の良太。だが福太と学太は良太の証言に違和感を覚えた。弟は何かを隠している？ 二人は調査に乗り出すことに（第一話「桜幽霊とシェパーズ・パイ」）。
中学校で手作りの楽器が壊される事件が発生。現場には墨汁がぶちまけられ焼き鳥の串が「井」の字に置かれていた。学太の所属する書道部に犯人がいるのではと疑われ、兄弟は真実を探るべく聞き込みに回る（第二話「宝石泥棒と幸福の王子」）。
商店街主催の「ミステリーグルメツアー」に随行し、長男で料理人の元太は家を空けている。学太が偶然脅迫状らしきものの断片を見つけたことから、元太が誘拐事件にかかわっている可能性が浮上。台風のなか兄の足跡を追う福太たちに、ある人物が迫る！（第三話「親子喧嘩と注文の多い料理店」）

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内ミステリー
• 出版社: 小学館
• ページ数: 256ページ
• 電子版発売日: 2023年09月13日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 3MB

[ブクログ · ★★★★★]

けんごさんが紹介している小説。
四人兄弟からみた、街の事件の話。
sister編の交互によんでみたのでふが、楽しめました。
ガチ小説というより、漫画ご活字になった感じで、軽く楽しめて読めた。
中学生とか高校生とかで、あまり小説を読んだことがない人たちが、読書をする習慣を付けるのにオススメです。

[ブクログ · ★★★★★]

どちらも面白く、小さな（？）事件がそれぞれの姉妹と兄弟に解決されてゆく。
ぎんなみ商店街はとてもいいところです。焼鳥と、お兄さんのご飯を食べたい…

[ブクログ · ★★★★☆]

一つの事象を異なる二つの視点から見るという、斬新な試み。人がバタバタ死んでいくものではなく、勘違いもありの、割と平和な探偵物語。
非常に読みやすい。何となく続編がありそう。作者は大変だと思うが。

[ブクログ · ★★★★☆]

2024.04.03
2冊併せて読むことをおすすめします。シスター変と。
同じ題材を扱ってもこういう視点があるんだと気づきがあり、それを退屈させずに読ませる筆者の力量にも感服しました。私はシスター編、ブラザー編の順に読みました。逆に読んだらどういう感想を抱いたのだろうかとも自問自答しました。
こうしたアプローチを商業ベースに乗せたこともすごいことだと思います。

[ブクログ · ★★★★☆]

sister編よりは面白かったかな？という個人的な印象です。
4人兄弟の名前すら何番目が◯太だったか覚えられず反省。細切れで読むとこうなる（笑）
ただ、長男の元太は料理人だから家族にひとりいて欲しいなぁと覚えてたくらいで。
同じ商店街で起きた事件だけど、視点が変わると何通りでも物語が作れそうな面白さはあったかな…

[ブクログ · ★★★★☆]

ぎんなみ商店街でおきる３つの事件を木暮4兄弟が解き明かしてゆく。ほぼほぼ探偵役は３男の中学2年の学太、助手役は高校2年の福太。亡き母の面影から発展したような事件とその結末になんかもやっとした感情がぬぐえない。特に1章の結末、本当にこれでいいのと言う感じ。2章にしても犯人はわからずじまいだし。BROTHER編とSISTER編の２冊が存在していて両方読むと感じ方が違うのかもしれないので次はSISTER編を読んで見ようと思います。ちなみに「アリアドネの声」の作者だったというのを読み終わった後に認識しました。

[ブクログ · ★★★★☆]

初めて読む作者だったが、探偵が早すぎるのドラマが大好きで、その原作者と知り、読む前から期待感があった。
一つの事件に二つの結末ということで一話ずつBrother編とsister編と交互に読んだ。
Brother編は四兄弟が身近に起こる事件を解決していく。
イケメンの料理人の兄、頭脳明晰な中学生の弟、ヤンチャな小学生の弟を持つ、平凡だけれどどこか憎めない高校生が主役。
ミステリーにありがちな警察はほとんど出てこなくて、自分達だけで事件を解決していくのが面白いと思った。
四兄弟誰もが個性的で魅力があって、仲がいいところに好感が持てた。
続編に期待。

[ブクログ · ★★★★☆]

後になったが、続けて読んだこちらは木暮家。
母は亡くなっていて父は海外赴任中、こちらは長男・元太(24歳)次男・福太(高2)三男・学太(中2)四男・良太(小2)の四兄弟である。

亡き母が本好きだったのと長男・元太がプロの料理人であるせいか、絵本のことや料理が絡んでくる。
同じ3編だがまったく違う推理になっていくのが面白い。
主に福太と学太が中心に謎を探っていく。


第一話　桜幽霊とジェパーズ・パイ〜事故の目撃者が四男の良太だったってことに驚いた。

第二話　宝石泥棒と幸福の王子〜壊された作品に亡き母のレジンが使われてた…

第三話　親子喧嘩と注文の多い料理店〜こちらは長男が気になるところ。

ここでも商店街のドン・ジュエリー神山が登場するが、三姉妹ほど口出しせずに少し距離があったのは四兄弟の亡き母との間に自分の娘の問題があったからだとわかる。
三話がいちばん重くて複雑な事件だったとこちらのbrother編ではっきりする。



なんだろうね、経験したことのない感じ。
同じ事件なのにどのくらいの関わり方なのか、どのくらい影響を受けたのかによって四兄弟と三姉妹の捉え方が違うってことに驚く。

どちらが好みか…悩むところ。

[ブクログ · ★★★★☆]

ぎんなみ商店街という古き良き商店街を舞台に起こるちょっとした日常系の謎の数々。母を亡くした男4人兄弟が、四男が交通事故を目撃、ただの交通事故と思われたが、だれか人影を見たことを証言することで事件に巻き込まれていくところからストーリーが始まる。
　
　本作は、次男の福太の視点で描かれていく。長男、元太の完璧ぶり、三男、学太の頭脳明晰ぶり、四男、良太の天真爛漫さ、そして一番平凡であろう次男、福太はそんな事にかすかな劣等感を抱いている。
　事件の解決は主に福太と学太が行う。理論的に推理するが、決定力にかける学太に対して、最後の最後に足りない点をひらめきで補う福太のバランスが絶妙である。
　劣等感をもつ福太だが、学太は結局解決しているのは福太であることを悔しがっている点や、長男と四男も存在感をしっかりと出しており、それぞれが役割をしっかりと与えられ、発揮していることでキャラクターがより魅力的に見えるのである

そして本誌を語るうえで、最もユニークな点は同名小説であるSISTER編があり、のふたつの視点から同じ事件を描いているところである。どの事件でも解き明かす内容の視点が異なり、結果は同じであっても解決する道のりや明らかにするポイントが異なり、二つの小説を読み終わって初めて事件の全貌がはっきりする。読み終わったあとには様々な伏線が回収され、非常に気持ちがいい。途中で二つの主人公たちがちょっと交わったり、事件解決に一役買っていたりする点もよく言出来ているなと感じさせてくれる。

個人的にBROTHER 編で面白かったのは3つ目の事件である。SISTER編では語られなかった事件の裏側を暴いてくれたことでより一層すっきりさせてくれた。
　内容は日常系でさらっと読める為、手に取りやすいがその独特の本の作りからまた違った楽しみ方ができる、アッと驚きたい人にオススメです！！また、BROTHER編は母が亡くなっていることもあり、なんとなくほっこりするような、しんみりするようないい話が出てくるところもオススメです！

[ブクログ · ★★★★☆]

個人的にはsister編よりもこちらの方が好きだった。
こちらの方が謎がしっかりしていて、ちょっと重めな気がする。人の数だけ事実があるものだなぁと面白く読めた。
神山さんの登場の仕方も絶妙だし、4兄弟がとにかく可愛い。