無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
日本古典文学の〈とき〉とそれをめぐる人々、習俗を読み解く。短い古文の後に現代文の訳が付けられ、わかりやすく、興味がわくように書かれている。一日の時間帯を「あさ」「ひる」「ゆう」「よる」「まよなか」の5つに区切り、それぞれにまつわるトピックを綴っている。
それぞれに印象に残ったトピックを拾い上げておく。
「あさ」
・平安時代の「あかつきの別れ」とは、午前3時頃、女性と逢瀬の時を過ごした貴族が公務に付くための別れの時間帯。出仕するのは早朝で、寝る時間がほとんどなかった模様。
・平安時代の食事は基本的に朝夕の2食。朝食は午前の仕事の後だった。
「ひる」
・「源氏物語」には、無防備に昼寝をする姫君の姿に清楚なエロティシズムを漂わせるように描いた場面がある。
・中世には白昼堂々と跋扈する「昼強盗」のことを描いた作品がある。
「ゆう」
・中世に入り、夕日を浄土信仰と結びつけ、西に沈む夕日を心中に思い描くことで、極楽浄土を観想する「日想観」という修行が浸透していた。夕日は「観る」ものというより「拝む」ものへと変化していった。
・「今昔物語」では、人間の根源的な不安を掻き立てる時間として、意識的に「夕暮れ」や「彼は誰そ時」を文中に組み込んだ。
「よる」
・中世前期まで、葬送は夜に行われ、中世後期から近世になると、夜に限定されず、むしろ昼間に行われるようになった。
・月を見ることが禁忌とされていたのは「竹取物語」以来だそうだが、女性がひとりで月を見ることが憂慮すべき行為だったと解釈できる。
・18世紀初め頃は、現代の夜景と似た人工の灯りに照らし出された夜景を文芸の主題として発見した時代。それを実感できる絵画が、与謝蕪村による「夜色楼台図」や浮世絵師・葛飾応為が描いた「吉原格子先之図」。人口が集中し、提灯など灯火の燃料として比較的安価な菜種油が普及してきたことが背景にある。
「まよなか」
・異類(妖怪)は深夜に跋扈するものとされてきた。「狐の嫁入り」、「百鬼夜行絵巻」、「離魂病」、「鬼」などが紹介されている。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
試し読み
小説・文芸