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ここに載っているほとんどのスポーツが廃れていることに、現代の動物や医者は胸をなでおろすに違いない。
かつてのスポーツや遊びには、現代では信じがたいほど倫理観に欠けていたり、危険過ぎたりするものがある。そういったものを中心に、今ではもはや忘れ去られてしまったスポーツを取り上げ、当時の文献を参照しつつ、どのようなものだったのかを紹介する。
本書では、主に次のようなスポーツ・遊び・競技を取り上げる。
動物や人間を虐待したり軽んじたりするような、「残酷」なもの。
命を落とすことも多い「危険」なもの。
複数の競技をかけ合わせたり、思い付きで始めたりした、「ばかばかしい」もの。
さらに、かつて遊ばれていた、「素朴」なもの。
著者は『世界をまどわせた地図』『愛書狂の本棚』(日経ナショナル ジオグラフィック刊)などの人気シリーズを持つ、古書の収集家。大量の古書や古美術を参照して、野蛮で愚かな時代に人気を博した、奇妙な娯楽をユーモアを交えて紹介する。
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Posted by ブクログ
スポーツ。憂いごとを忘れ、羽を伸ばす活動。
サミュエル・ジョンソン
とはいえ、羽を伸ばすにも節度と限度があるだろう。
ルールを定めて危険を回避するスポーツ、動物保護の法整備。
もしかしたら、近年まで存在したスポーツや娯楽の黒歴史が、
変遷する倫理観に影響を与えて、現代では廃れたのかもしれない。
そんな思いに捉われる、残酷で危険で、ばかばかしく、素朴な、
けれど、かつて多くの人が熱狂した、
100近い奇妙なスポーツや娯楽を紹介している。
“残酷”の多くは動物虐待の歴史。
猫入り樽たたきに猫焼きなど、悲しいまでの猫の受難。
名称は知っていたが、クマいじめの残虐行為の凄惨なこと。
雄鶏、カモ、ロバ、ライオン、その他の動物たちも、同様に。
中世の過酷な日々の中で残酷なことに麻痺していたというけど、
紳士淑女のキツネ潰し等、王侯貴族も楽しんでいたような。
“危険”は無鉄砲な人が惹きつけられる、リスクの大きい競技。
オートポロ、町VS.町の過激な模擬戦争、氷上テニス、
モブフットボール、相手の頭から血を流すと勝利の杖術など。
オリンピック種目では、ハトを撃つ競技や凧揚げ、
カーレース、乗馬走り幅跳びなどがあったことも。
荒らし過ぎるバイキングのスポーツは、伝説なのか、現実なのか。
その他、酔っ払いの試合?なドワイル・フロンキング、
金魚飲み、手塚治虫の『W3』みたいなモノホイール、
暴動に発展したうなぎ引き、引っ張り合いでは
昔の日本にあった首引きも紹介されていました。
100近くのスポーツや娯楽は、それらの内容の混沌のため、
頭の中がクラクラしちゃう。歴史を考えるうえでも貴重です。
Posted by ブクログ
「キツネ」と「潰し」この二つの語が合成される意外性。なんとパワーのあるタイトルだろうか。英語だと「キツネ投げ」の方が正確な訳だけど、「潰し」を採用した訳者に拍手を送りたい。
ちなみに英語の原題ではその後「タコ・レスリング」と続く。こちらも日本語版の副題に入れて欲しかった。
前書きの中で、紹介した現代では廃れてしまったスポーツ(死競技?)はおおむね「危険」「残酷」「バカバカしい」に大別される、と述べられている。勿論二つ以上の条件に当てはまるものもあるけれど、本当にその通りだった。(「金魚飲み」なんかはその全てに当てはまる)
「危険」は文字通り生命や身体の危険が大きすぎるもの。「オートポロ」「バルーン・ジャンピング」「花火ボクシング」など。
「残酷」は動物虐待系。タイトルにある「キツネ潰し」をはじめ、「クマいじめ」「野鳥たたき」「猫入り樽たたき」「リス落とし」「カワウソ狩り」など名前からして酷い。
「バカバカしい」ものはそれそもそもスポーツか?とツッコミたくなるようなものも多い。「ろうそく釣り」「ポールシッティング」「水上三脚」「ピッチングマシン砲」など。
人類史の中のアホな側面を見れてとても面白いのだけれど、過去の話に限ったことではないなと思った。現在でも人が死ぬ危険な競技はいくつもあるし、闘牛や闘犬のように動物虐待が競技として生き残っているものもある(娯楽の為のハンティング、スポーツハンティングもそうだ)。バカバカしいものは、「チェス・ボクシング」などマイナーなものに目を向ければ枚挙にいとまがないだろう(以前、ハイヒール100m走というのをネットで見たことがある)。
マイナースポーツに限らずメジャーなものでも、時の変遷を経ることで今後評価が変わることもあるに違いない。
100年後にこの『キツネ潰し』のような、忘れられたスポーツ事典が出版された時、そこにどんな項目が追加されているのだろうかと夢想する。
本の構成としては、全ての項目がランダムに紹介されてたので、上記の3つのカテゴリに分けるとか種目のジャンルで分けるとか年代で分けるとかしてるとより良かったかな、と思う。あと、スポーツ名称は原文併記してほしかった。「キツネ投げ」→「キツネ潰し」のような意訳がきっと他にもあったはず。
あと事例が欧米圏に偏っていたので、続編があればぜひ非欧米圏を中心に取り扱ってほしい。
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ビジネス・実用
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