【感想・ネタバレ】キツネ潰し 誰も覚えていない、奇妙で残酷で間抜けなスポーツのレビュー

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Posted by ブクログ

スポーツ。憂いごとを忘れ、羽を伸ばす活動。
             サミュエル・ジョンソン
とはいえ、羽を伸ばすにも節度と限度があるだろう。
ルールを定めて危険を回避するスポーツ、動物保護の法整備。
もしかしたら、近年まで存在したスポーツや娯楽の黒歴史が、
変遷する倫理観に影響を与えて、現代では廃れたのかもしれない。
そんな思いに捉われる、残酷で危険で、ばかばかしく、素朴な、
けれど、かつて多くの人が熱狂した、
100近い奇妙なスポーツや娯楽を紹介している。
“残酷”の多くは動物虐待の歴史。
猫入り樽たたきに猫焼きなど、悲しいまでの猫の受難。
名称は知っていたが、クマいじめの残虐行為の凄惨なこと。
雄鶏、カモ、ロバ、ライオン、その他の動物たちも、同様に。
中世の過酷な日々の中で残酷なことに麻痺していたというけど、
紳士淑女のキツネ潰し等、王侯貴族も楽しんでいたような。
“危険”は無鉄砲な人が惹きつけられる、リスクの大きい競技。
オートポロ、町VS.町の過激な模擬戦争、氷上テニス、
モブフットボール、相手の頭から血を流すと勝利の杖術など。
オリンピック種目では、ハトを撃つ競技や凧揚げ、
カーレース、乗馬走り幅跳びなどがあったことも。
荒らし過ぎるバイキングのスポーツは、伝説なのか、現実なのか。
その他、酔っ払いの試合?なドワイル・フロンキング、
金魚飲み、手塚治虫の『W3』みたいなモノホイール、
暴動に発展したうなぎ引き、引っ張り合いでは
昔の日本にあった首引きも紹介されていました。
100近くのスポーツや娯楽は、それらの内容の混沌のため、
頭の中がクラクラしちゃう。歴史を考えるうえでも貴重です。

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2022年09月27日

Posted by ブクログ

現在では廃れ忘れ去られてしまった奇妙なスポーツについての本。
その多くは危険だったり残酷だったりして時代の倫理観にそぐわなくなってしまったものが多い。タイトルになった「キツネつぶし」や「猫入り樽たたき」「猫焼き」「ねずみ殺し」など内容を知るまでもなく名称だけで駄目でしょという感じだ。人間というものは昔から暴力や危険を娯楽として楽しんできたのかということが良く判る。

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2022年09月05日

Posted by ブクログ

変なスポーツについて集め、紹介した本。
このような歴史があったからこそ、動物愛護運動が盛んなのかもしれない。
競歩も紹介されていた。よく考えると変わったスポーツだ。

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2023年09月15日

Posted by ブクログ

「キツネ」と「潰し」この二つの語が合成される意外性。なんとパワーのあるタイトルだろうか。英語だと「キツネ投げ」の方が正確な訳だけど、「潰し」を採用した訳者に拍手を送りたい。
ちなみに英語の原題ではその後「タコ・レスリング」と続く。こちらも日本語版の副題に入れて欲しかった。

前書きの中で、紹介した現代では廃れてしまったスポーツ(死競技?)はおおむね「危険」「残酷」「バカバカしい」に大別される、と述べられている。勿論二つ以上の条件に当てはまるものもあるけれど、本当にその通りだった。(「金魚飲み」なんかはその全てに当てはまる)

「危険」は文字通り生命や身体の危険が大きすぎるもの。「オートポロ」「バルーン・ジャンピング」「花火ボクシング」など。
「残酷」は動物虐待系。タイトルにある「キツネ潰し」をはじめ、「クマいじめ」「野鳥たたき」「猫入り樽たたき」「リス落とし」「カワウソ狩り」など名前からして酷い。
「バカバカしい」ものはそれそもそもスポーツか?とツッコミたくなるようなものも多い。「ろうそく釣り」「ポールシッティング」「水上三脚」「ピッチングマシン砲」など。

人類史の中のアホな側面を見れてとても面白いのだけれど、過去の話に限ったことではないなと思った。現在でも人が死ぬ危険な競技はいくつもあるし、闘牛や闘犬のように動物虐待が競技として生き残っているものもある(娯楽の為のハンティング、スポーツハンティングもそうだ)。バカバカしいものは、「チェス・ボクシング」などマイナーなものに目を向ければ枚挙にいとまがないだろう(以前、ハイヒール100m走というのをネットで見たことがある)。
マイナースポーツに限らずメジャーなものでも、時の変遷を経ることで今後評価が変わることもあるに違いない。
100年後にこの『キツネ潰し』のような、忘れられたスポーツ事典が出版された時、そこにどんな項目が追加されているのだろうかと夢想する。

本の構成としては、全ての項目がランダムに紹介されてたので、上記の3つのカテゴリに分けるとか種目のジャンルで分けるとか年代で分けるとかしてるとより良かったかな、と思う。あと、スポーツ名称は原文併記してほしかった。「キツネ投げ」→「キツネ潰し」のような意訳がきっと他にもあったはず。

あと事例が欧米圏に偏っていたので、続編があればぜひ非欧米圏を中心に取り扱ってほしい。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

爆笑とドン引きを繰り返しながら読む。それにしても中世ヨーロッパの残虐性は何なのか?ルールとは何かも考えさせられる。日本版が出来たらどんなものがあるのか?興味はつきない。

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2023年01月14日

Posted by ブクログ

危険すぎる、又は残虐すぎるといった理由で消えていったスポーツを列挙。今でいうエクストリームスポーツといった所でしょうか。命の危険があっても熱狂してしまう愚かさ、動物を虐待する恐ろしさがあったりと人間の間抜けさがわかる歴史書といえます。貴重かつ面白い本でした。おすすめ。

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

タイトルから想像して「中世のとんでもねぇ娯楽が紹介されてんのか」と期待してたんですが、まぁそうですね。結構早い段階で息切れを感じる内容でした。

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2023年07月27日

Posted by ブクログ

これってスポーツ?という様な動物虐待の見世物が多い。人間というのは本性残酷なものかとも思えるラインナップ。
でも中には面白いものもあり、竹馬の競走やスキーバレーなんかはあってもいいのでは?

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2023年05月08日

Posted by ブクログ

面白かったのは、「はじめに」の部分。その後は、時代も場所もバラバラに事例が羅列されている。事例紹介の文章自体は軽妙で悪くないが、50ページほど読んだあたりで飽きた。スポーツというよりは動物虐待遊びでしかないものが事例の半数近くを占めるのではないかという印象だ。ところどころ面白いと思うところはあるのだが、最後まで読むには忍耐が必要だった。

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2023年03月17日

Posted by ブクログ

昔の人間は野蛮で粗野であったのだなぁ。
現代も色々なひとがいるが、この本を読むと、だいぶ洗練されたんだなと思う。
情報量も多く、資料として良いものだとは思う。
が、掲載順がランダムであり歴史が把握しづらい。おそらく通して読む際に飽きないようにとの配慮なんだと思うが、年代も種類も系統立っていないし、記述も統一されていない。すなわちまあ、エンタメ的な読み物として作っているのだろうけど、だとすると似通ったものも多くボリュームがあり過ぎる。
できれば年代順に並べて、人類の文化の洗練されていく過程を感じたり、こんな時代にまだこんな馬鹿なことをしていたのかという風な読み方をしたかった。
ちなみに収録されるスポーツ(と本書では呼んでいるが、アクティビティと言った方がしっくりくるかな)は,エクストリームチャレンジ系と動物虐待系に大別されるが、動物虐待系はだいぶ酷い内容なので、デリケートな方は注意されたし。まあタイトルがこれなのでダメな人はそもそも読まないとは思うが。逆に変に伏せたりせずに記述することで、現代人が持ち合わせない残虐性を昔の人は普遍的に持っていたという事実がわかりやすい。

ちなみに表紙を見るとキツネ潰しの原題は Fox tossingなので、正確にはキツネ揚げのような感じだと思う。インパクトのある意訳を採用したのは別に悪くないと思うが、おそらく本文中の他のスポーツ名もかなりの意訳だと思われるので、できれば原文の名称も併記してもらえるとよかった。

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2022年10月23日

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