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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 貝がら島を訪れたサンゴロウは、不慮の死をとげた長老の権力争いにまきこまれ、うみねこ族とやまねこ族との悲しい歴史を知る。
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Posted by ブクログ
サンゴロウのピンチ!? 貝がら島に、ひっそりと住んでいるやまねこ族の、長老の跡継ぎ問題にからまれたサンゴロウ。 クルミを連れ出してしまったり、ナラジロウとクヌギの仲の悪さといったら・・・! あの後、やまねこ族はうまくいってるでしょうか?
本作は、前編との関係でいうと『黒ねこサンゴロウ3:やまねこの島』に登場した やまねこ族の隠れ住む<貝がら島>が舞台となる。 『やまねこの島』では、サンゴロウと友人で医師のナギヒコとの関係が中心に語られていたが、 本作では、サンゴロウは、貝がら島のやまねこ族の後継者争いに巻き込まれていき、 サンゴロ...続きを読むウとやまねこ族の末裔達とのやりとりが話の中心をなす。 ナギヒコの思い人であるクルミは、貝がら島の医師である。 サンゴロウとナギヒコが訪れたときから、貝がら島の外の世界に思いをはせているようなところがあった。 そして、その思いのために、クルミは少しずつ準備を進めていたのである。 やまねこ族とうみねこ族の間には、先祖の時代に大きな確執があった。 だが、ナギヒコにカレハ熱から助けられた若い者を中心に、意識が少しずつ変わってきてもいる。 後継者争いに巻き込まれて、捕らえられたサンゴロウを助けるのは、そういった子どもの世代なのだ。 サンゴロウは、内省も観察も鋭く、短い言葉で核心を突いていく。 言葉少なな中の冒険者的な名言も健在である。 おれは、どっちみち陸じゃ死なない。死ぬときは、船といっしょだ。 シンプルだが、とても惹かれる。 きっと大きな波がくる。きたら、うまくのれよ、サンゴロウ。 自分も一緒に波を待ってしまうのだ。 サンゴロウは、囚われている部屋で悪夢を見る。 (家がもえている。倉庫がもえている。さけび声が聞こえる。火の粉をあびてにげまどう、たくさんの黒いかげ。) ところが、それは・・・。 ちがう。夢じゃない。記憶だ。 はるかむかしの、遠い北の陸地。 うみねこ族とやまねこ族の最後のたたかいの夜。 これは、だれの記憶だ? だれが、なんのために、おれにこんな古い悪夢をみせる? サンゴロウの記憶は、この状況の中で考えていたのだ。 (船をまもらなくては。船を……。) 本作は、サンゴロウの封印された記憶がキーにもなっている。 もうひとつのキーが、やまねこ族の末裔達が、島のおきてで、長い間船を禁じていた理由、 そして、北の陸地を離れてなぜこの島にやってきたのか。 このやまねこ族の長老の衣装なのだが、どことなく、アイヌの文様のようにも見える。 やまねこ族は、うみねこ族との最後の大きなたたかいで、二せきの船を手に入れた。 一せきは燃えてしまったが、もう一せきは無傷だった。 やまねこ族は、よりすぐった者たちを集め、その船に乗り、 もっと豊かな「南の陸地」があると信じて、航海に出た。 本作は全体として、北の島々の物語なのだ。 やまねこ族は船の操縦はできなかったはずである。 だが、貝がら島にぶつかって沈んでいる船は大型船である。 長老の家には、代々つたえられている話がある。 アンモナイト号の船長は、黒いねこだった、とね。 アンモナイト号の船長とサンゴロウ。 二匹の黒ねこの符合。 うみねこ族も、やまねこ族も、きっと、もとは敵どうしじゃない。 海にでていく船は、山の木でつくられる。 海と山は、ふたごの兄弟だ。 おれたちは、おなじ月をみて、おなじ歌をうたうなかまだったのかもしれない。 本作は、狭間に生きる者の物語である。 いや、シリーズ全体がそうなのかもしれない。
かつてこんなにカッコ良くてクールな黒ねこがいただろうか、いやいない。 過去のことが少しずつ分かってきて…あと二冊で終わっちゃうなんて( ;∀;)
「オレには関係ない」と言っているサンゴロウにも背負っているものがあります。それを重そうに見せないようにするにはどうしたらいいでしょうか。
ナギヒコの頼みでふたたび貝がら島のクルミをたずねることになったサンゴロウは島での勢力争いに巻き込まれる。 それは自らのルーツをたずねる旅へと変じた。
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