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Posted by ブクログ
この小説は徹頭徹尾世界の澱を見つめていて、その眼差しに映し出される景色は暴力と嫌悪に満ちている。善の光は肉眼で捉えることができない。そんな荒廃した世界を書いていながら、不思議なことに全体を眺めてみるとその印象は“静謐”だ。クソみたいな世界が脱皮をするように生まれ変わる。その結果も大抵壊れてしまったものでありながら、読み終えて感じるのは途方もない救いと美しさなのだ。
産み落とされたのが神の子には程遠い怪物だとしても、それが惨劇としか言いようのないものだとしても、私たちはこの小説に救われてしまう。救われざるを得ない。
ところで、こういう作品を読むたびに自分の学がないことを悔やんでいます。キリスト教のモチーフがそこらじゅうに出てくることとか、示唆的な内容であることはわかるし、そこまでしか分からなくても、この小説がとんでもなく面白いということも勿論わかる。でも多分、知っていたらもっと楽しいんだろうな、という悔しさがある。
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小説・文芸
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