冬子は29歳の妊婦。なぜか十月十日を過ぎても生まれる気配はまったく、ない。1年目、2年目と順調に膨らみ続けたお腹は、まるで小山のよう。夫は「元カレに宇宙人とかいないよね?」と疑いの目を向け、マスコミや医学界はツチノコ級の珍獣扱いをし始め、奔放な妹は姉を助けようとしてますます騒動を巻き起こす…。冬子のお腹は、そして胎内の赤ちゃんは一体どうなってしまうの!? 女優であり本作の映画化で監督デビューを果たした著者の、キュートでパンクな処女小説!
三年身籠もった冬子と彼女の妹である緑子の話。
SFでもファンタジーでもないし、伊達や酔狂でもない説得力をこの三年身籠る小説から感じるのは、冬子のとる行動の突飛さ、そのわからなさ加減が、僕が女性に対してわからないと感じるときのイメージと重なるから。
Posted by ブクログ 2015年07月04日
まごうことなき妊婦の冬子。しかし腹の子は十月十日を過ぎても出てくる気配はない。
不倫夫だった徹。冬子の妹のパンク娘・緑子。そして緑子の恋人で医学生の海くん。に、巻き起こるひとつの物語。
私のいちばん身近な子持ちは姉で、ここ数年友人でも数人出産した人がいて思うのは、妊娠して出産するまでにたくさん心構...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
美大出身の女優さんの処女作。
数年前、映画化もされていました。
メガホンも彼女がとったようです。
赤ちゃんがこの世に生まれてくるまで、十月十日と
昔から言われてますが、主人公の冬子は三年身籠りました。
紡がれていく物語はパレットの中の絵の具のようでした。
(只単に、“色”というものだけでなく)
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Posted by ブクログ 2016年08月21日
「BOOK」データベースより
冬子29歳、ただいま妊娠9ヵ月。まごうことなき妊婦である。しかし十月十日を過ぎても子どもは産まれてこない。―個性的な女優が映画制作に先がけて初の小説に挑戦、不思議な傑作が誕生した。書き下ろし長篇450枚。
これはアイディアも突飛でとっても面白いし、文章もかなり達者で川...続きを読む