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いま日本で暮らす日系人は35万人を超えるといわれている.私たちは異なる文化をもつ人々とどのように暮らしていけばよいのだろうか.本書ではかつて日本からブラジルやペルーに渡った移民の歴史をたどりながら日系人のルーツを解説し,現在,各地で行われている多文化共生の取り組みを紹介します.
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Posted by ブクログ
日系アメリカ人に関する本は数冊読みましたが,日系ブラジル人に関するものは本書が初めてでした。 やたら難解なものが多い岩波「ジュニア」新書ですが,平易な文章で書かれている本書は本物の「ジュニア」にもオススメできます。 差別に苦しんだアメリカ移民とはやや性質が異なり,ブラジル移民は貧しさと病気との厳...続きを読むしい闘いがありました。辛い日々を送る移民の方々がそれでも帰国しなかった,いやできなかったのは,当時の日本が移民先の国に負けず劣らず貧しい国だったからです。移民の歴史を学ぶと,明治・大正・そして昭和初期という激動の時期を生きた日本人の凄まじさを感じます。今の豊かさは,そういう人たちの努力の上に立っているということを,私達は感謝しなければなりません。 ブラジル移民といえば,今の日本にいる日系ブラジル人の問題を避けて通ることはできません。本書の主題も,実はここにあります。 日本人と日系ブラジル人との摩擦は,国内のあちらこちらで生じています。もちろん,紛争の当事者になれば私も穏やかなことは言っていられないと思いますが,本書が最後に記しているように,互いの信頼関係を構築するための努力だけは絶対に惜しんではならないと私は思います。だって彼らは,私達日本人にとって「家族」なのだから。
本当にたまたまXで見つけた本作。 ブラジルを中心とした日系人がどのように異国の地で戦い、戦争の中で移民同士での争いも経験しながら、最終的にブラジルに溶け込むことを選択したか、という流れが、当時の資料に基づき克明に記されている。 ジュニア新書であるため、割愛されている内容も多いと思うが、コーヒーや...続きを読むサトウキビなど、現地の農場で本当に奴隷のように扱われ、マラリアで全滅に近い辛酸を舐め、それでも戦い抜いた彼らの物語を我々は知っておくべきである。 そうして、日系人の子孫が今度は労働力が不足した日本に集まり、群馬県大泉町などにブラジル人コミュニティを形成している。 彼らを待ち受けるのは日本側の差別で、コミュニティに馴染めない中、犯罪に走る若者も増えている。 国籍や直近育った場所は違えど、同じ日本の先祖をルーツに持つ関係にありながら、互いに差別をするというのは悲しい現状である。 今後日系人が増えるか、という点は未知な部分も多いが、少なくとも他の国の移民よりは近いルーツを持つ間柄であることから、関係が改善することを切に願う。
ブラジルに移民した日本人が、厳しい開拓時代や、戦争や政治に翻弄されながらも生き抜いて、ブラジル社会に大きな足跡を残す日系ブラジル人の歴史の話。 ひとが生きるたくましさ、差別や軋轢や衝突を超えて、多文化社会を作るひとの力を、ブラジル移民たちの物語から感じられました。
概要がさくっと紹介されている、という印象。 「教科書にはあんまり書いてなかったけど・・・なんとなく興味はあるけど・・・」 という時にまず手に取ってみる本としてはすごくいいと思う。
[ 内容 ] いま日本で暮らす日系ブラジル人の数は31万人を超えるといわれています。 私たちは彼らとどのような社会をつくっていけばよいのでしょうか。 本書では、かつて日本から南米大陸に渡った移民たちの足跡をたどり、その歴史を学ぶと同時に、異なる文化をもつ人々と今後、共に生きていくための道を探ります。...続きを読む [ 目次 ] 第1章 帰ってきた日系人 第2章 日系人のルーツ 第3章 欺かれた移民 第4章 苦闘の大地 第5章 日系社会の混乱と戦後移民 第6章 自立と出稼ぎ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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