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みんなを幸福にするために、強くやさしく勇気ある男になるために、薫クンはいま何をなすべきか。「赤頭巾ちゃん気を付けて」に続く第二話。
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Posted by ブクログ
口語体はだからか、読みやすく、感情移入しやすく、おもしろく。思春期の悶々、戸惑い、思考のジレンマ、こうやって大人になっていくのかと読みながら思う。ただ、薫くんには変わってほしくない、僕も変わりたくない。
庄司薫の、赤、黒、白、青シリーズのひとつ。学生運動の時代を生きた若者が社会に組み込まれ、観念して人生の仕切り直しをする。
「男ってのは、なんともみっともない動物だと思ったことない?頑張る時も大袈裟だが、夢破れて引きさがる時も…。」この大きな世界の戦場で、戦いに疲れ傷ついた人々をどう支えればよいのだろうか。夢は、必ず破れるからこそ夢なのか。
再読。 薫クンシリーズとしては2番目に出たらしいのですが、 時間的にはゴールデンウィークまっただ中のお話なので3番目。 (『白鳥の歌なんか聞こえない』が3月のお話) シリーズの他の作品ではつねに余裕綽々であり、 憧れるべき人生のセンパイとして描かれる 薫くんより1世代上のお兄さんとその仲間、 さ...続きを読むらにその1世代上の先輩達が、「男が人生の夢にやぶれる」 ということがどういうことなのかを見せてくれるお話です。 薫くんはそれをいつもの透明な目で見つめ、あわてふためき、 傷つき、怒り、おびえるんですが、それでも、 いつか自分もその負け戦しか待っていないんじゃないかという 「悲壮な戦場」へ出ていくという覚悟を決めるのです。 かっこいいね、薫くん。 この「男が人生の夢にやぶれる」事象ですが、 本が出た時世的に学生運動が深くからんできます。 ここが後年の読者である私などにはちょっとつかみづらい。 とにかく、そういう時代があったのだな、と納得して読み進みました。 この本の出色としましては、 ノンちゃんとアコという相当に魅力的な女の子達が出てくるところ。 (幼馴染みの由美は旅行中で、1回休み・笑) 彼女達を見つめる薫くんが女の子に対して抱く感慨というか感想は 本当にすてきで、ほれぼれするし、山王神社の石段でしゃべったり、 プリンスホテルの高級レストランで(お金を)無理しながら食事したり、 という青春はじける3人の若者のシーンもたいへん魅力的なのですが、 上に述べた主題をめぐる話の流れ的にはちょっと浮いてます。 そこがいいとも思うし、冗長かなとも思いました。
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