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夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫にまで去られてしまった「偽アマント」、未来への祈りを託した「燦雨」。結婚という制度から除外された恋愛の自由と歓び、それにともなう孤独を鮮烈に描いた、彩り豊かな短篇集。
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Posted by ブクログ
恋愛には、自分と相手の持つ、もっともやわらかい場所にゆっくりと爪を立てるような感触がある。
いたがゆく、もどかしく、いとおしい。
すべらかな肌は元のままのようで少しだけ盛り上がり、微かに熱を帯びている。
こういう傷はなかなか治らないものだ。
なかなか治らないからついつい弄ってしまって悪化させてしまって、なお一層のこと傷が深まってしまう。
傷のないまっさらな身体であれば飛び込んでいけるけど、お互い脛に傷を持つ身だからついつい尻ごんでしまうね。
だから今はこの花伽藍に抱かれて眠ろう。
最初のお話が最期のお話に見事にリンクする、すばらしい構成。
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