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父を殺した憎き下郎によって凌辱され、嬲りつくされた浪路と菊之助。責めの手管は激化し、二人は近親相姦を強要される。自殺を訴える弟を生かすため、淫靡な毒婦を演ずる姉。汚辱の果てにあっても、浪路は生きる望みを捨てずにいた。処刑の日、浪路は最後の脱出を試みる。二人は逃げ切れるのか? 助けはくるのか? SM大河ロマン、佳境へ。
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嗜虐美の極北・・・素晴らしい。
元本が出版された頃、まだ金の無い学生だった自分は、神田の大きな書店で足を痛くしながらww、最初から最後まで立ち読みしてしまった、そんな懐かしい思い出の作品です。 団鬼六と云えば『花と蛇』等が有名ですが、それほどの大作ではなくても素晴らしい作品を数々上梓しています。 「SM小説の大家」とまで呼...続きを読むばれた著者ですが、読んでいただければ分かる通り、非常に時代設定や人物描写、官能描写に至るまで、大変に細やかな筆遣いを見せており、現代の凡百の「官能小説家」とは遥かに優れた作品群が多く、先達のこの描写力や徹底した嗜虐描写をほんの少しでも読んで、大いに学んで欲しいと思うこと暫しです。 最近は「ポリティカル・コレクトネス」が世に憚り、男が自分から仕掛けていく勇気も、「牡」としての「男性性」も何処かへ消えてしまい、「痴女にいたぶられる男の被虐的な性描写」や、女性任せのSEX等が大手を振って罷り通る状況です。 一応「嗜虐系」を標榜する官能小説でも、滅多矢鱈と女性の人数ばかり増やし、「中学生の妄想程度」な「御粗末な凌辱描写」や、ストーリーの後先も考えずにただただ、○鹿か獣の様に腰を振るだけの「血の通っていない愚かな主人公」ばかりが暴れ回り、「孕ませ」たのか良く分からない内に「完」と云う、粗製濫造、読者を小馬鹿にしたような未熟極まりない作品が、「大型新人登場!」だの「嗜虐系の名手出現!」等々、乏しい才能の「若手作家」を無理矢理褒めあげた帯を付け、売らんかなの姿勢を続ける出版社にも、正直情けない気持ちで辟易しています。 「作家を育てる」と云う事も放棄し、SNS等でチョチョッと書いた愚にも付かない作品を採り上げ、表紙や挿絵を美麗にして、ソレ売ってしまえとする今の商売の仕方は、この業界における「自殺行為」だと思います。 確かに作家を育てるのは並大抵の事では無いですし、又時間も掛かる事です。 でも、それを放棄して若者が飛び付きそうな「今どきの萌えるイラストを多用して」中身はスッカスカの小説をどれだけ垂れ流しても、将来行き着くところはそう変わらないのでは? 日本の文壇で官能小説の表現や小説作法は、文芸小説の中でも一定の役割を果たしてきました。そうした偉大な先達や歴史もある文学が、現在のような読み捨て同然の有様では、団先生の作品を懐かしむ事ぐらいしか無い様です。
#ドキドキハラハラ #ドロドロ #ダーク
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