作品一覧

  • 日露戦争と新聞 「世界の中の日本」をどう論じたか
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    日英同盟の是非、開戦論vs.非戦論、「露探」問題、日比谷焼打……新聞がいちばん面白かった時代。日露戦争の時代、新聞界は黄金期を迎えていた。福澤諭吉創刊の『時事新報』、陸羯南主筆『日本』といった高級紙から伊東巳代治による『東京日日新聞』、徳富蘇峰『国民新聞』や『東京朝日新聞』など時の政府に近いもの、政治家の女性問題のようなゴシップから政府・大企業批判、リベラルな主張までを載せる『萬朝報』『二六新報』。知識人から下層階級、政府支持から社会主義者まで、多様な読者に向けた無数で雑多な新聞が、大国との戦争へと向かう日本と世界をいかに語り、論争をしたか。膨大な史料を掘り起こし、新聞が大企業化する以前の、粗野で豊かだった時代を活写する、メディア史研究の試み! (講談社選書メチエ)
  • 小村寿太郎 近代日本外交の体現者
    3.7
    1巻924円 (税込)
    幕末に結んだ欧米列強との不平等条約の改正を目指し、一九〇〇年代に日英同盟、日露戦争、韓国併合を推進した外相・小村寿太郎。日向国飫肥藩の下級藩士に生まれた小村は、病弱で一五〇センチに満たない身長、非藩閥出身と恵まれない出自ながら、第一回文部省留学生としてハーバード大学に留学。抜群の語学力と高い交渉能力を身につけ、日本を「一等国」に引き上げた。帝国主義と国際協調の間を巧みに動いた外政家の真実。

ユーザーレビュー

  • 小村寿太郎 近代日本外交の体現者

    Posted by ブクログ

    【大きな、それは大きな鼠でした】外務次官、そして外務大臣を務め、さらには主要国の公使や大使を歴任するなど、近代日本の外交を考えるにあたって避けては通れない人物、小村寿太郎。近代日本の悲願であった不平等条約改正や日英同盟等の小村が携わった外交案件をたどることにより、その時代の日本の外交の輪郭をも浮かび上がらせる力作です。著者は、関西外国語大学の専任講師等を務められた片山慶隆。


    睦奥宗光があまりに大きな存在なので、どうしてもその影に隠れてしまいがちなのですが、改めて本書で小村寿太郎の足跡を考えると、小村が果たした役割というのもとんでもなく大きいものであることに気づかされます。そしてその役割の大

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    2013年04月27日
  • 日露戦争と新聞 「世界の中の日本」をどう論じたか

    Posted by ブクログ

    本書は、日露戦争期におけるメディア-特に、新聞報道を考察したものである。この時期の新聞報道と言えば、大多数の新聞は日英同盟を背景に対ロシア強硬論(開戦論)を煽る一方で、ごく少数の「非戦論」者たちが開戦に反対した・・・というイメージが一般的に持たれている。筆者は、そうしたイメージは「神話」に過ぎないとして、複数の新聞を比較検討することで、当時の新聞報道の実態に迫っている。

    本書が明らかにしたのは「当時の新聞の外国認識は、きわめて多様性に満ちており、それは一様でも、また政府の言いなりでもなかった」(p.201)という事実である。例えば、国を挙げて歓迎されたと言われている日英同盟でさえ、実は反対論

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    2012年02月16日
  • 小村寿太郎 近代日本外交の体現者

    Posted by ブクログ

    本著から小村寿太郎の通史を知ることができる。
    小村寿太郎は日記、手記等を残さなかったからか(当時は珍しいのでは)、彼に関する書物は意外と少ない。
    歴史小説を含め。
    その意味では貴重な本かもしれない。

    小村寿太郎は藩閥でもなく、実力で外務大臣に上り詰めた。
    また、彼を引き上げた陸奥宗光も非藩閥の実力者。
    明治という時代は少数精鋭の時代ともいえるが(多くの優秀な人材が幕末で亡くなったという意味で)、彼のような実力者が登用されるという風土があったことが、時代のひとつの特徴ともいえるかもしれない。
    ちなみに、”特徴”ということは、現在に学ぶべきこと、という意味も込めて。
    (ただ、日清戦争時に、山県、

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    2021年04月11日
  • 小村寿太郎 近代日本外交の体現者

    Posted by ブクログ

    陸奥宗光と並ぶ大日本帝国の傑出した外交官、小村の活動を本人、周囲の言動、歴史的事象をもとに記載している。
    現代の価値観では帝国主義の申し子のように批判を受けることもあるが、
    当時の価値観では至極まっとうな現実主義者であった。
    列強がそれぞれの勢力範囲を主張し合い、外交戦を繰り広げ、それに負ければ没落し、弱小国として一流国の風下に追いやられ、独立すらも危ぶまれる情勢下において、
    小村の活躍は、三流国であった当時の日本を一流国へ押し上げる一助になったのは間違いがない。
    小村の活躍、考え、また当時の情勢をも理解するのに役に立つ一冊だった

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    2016年05月10日
  • 小村寿太郎 近代日本外交の体現者

    Posted by ブクログ

    日清、日露の激動の帝国主義の中に生まれた豪腕外務官僚。この時代だからこそ活きた人間だったと思うのだけど、政党に左右されずに一貫してポリティカルパワーのみで動いた姿勢は今でも参考になるに違いない。
    朝鮮を確信的利益の土地としてロシア、英国とも渡り合い、最後は併合してしまったという事は朝鮮人からすると憎くてたまらない人間なんだろうね。
    しかし、携帯電話がないこの頃の(今もそうかもしれないけど)外務大臣って本当に全権を委任されて条件を譲歩しながら交渉して妥結まで持って行ってるんだねとシミジミ思った。個人の力量が国を左右していたのだなと。いゃぁ、すごいね。

    0
    2013年06月16日

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