もう大学を卒業して十年以上過ぎますが、
在学していた時に岡野先生の講義を受講していました。
岡野先生の人柄に強く惹かれたのを覚えています。
今も以前も、「生きる」ことに不安を抱えた若い人は少なくないですが、
国際的調査を見ると、日本の若い人の自尊心の低さは、際だっています。
「自分に自信がない
...続きを読む」、「将来は明るくない」と答える生徒は、
7割~8割程度と、先進国ではダントツに高い水準です。
一番可能性を感じる時期なのに、その可能性を感じることができないのは、
本人の問題というより、日本社会全体の問題です。
岡野先生は、コスモロジーという概念で、あらゆることへの「つながり」を、
強調しています。これが、生きる自信につながるということです。
最初の授業でアンケート調査をやり、現時点での自分への自尊心を測定し、
最終講の時に再度測定して、「どう変化したのか」を自分自身で感じることが、
授業の目的でした。
8割ぐらいの学生は、自分に自信が芽生えるようになったはずです。
ただ、これは対処療法で、根本治療にはなりえない印象でした。
それほど、若い人を取り巻く環境が深刻なのでしょう。
今、日本を見渡せば、政治、経済、そして教育、全てが行き詰っています。
良い方向に進んでいるという実感を得られる人は少ないでしょう。
そういう状況の中で、自信を持って生きることは、非常に難しいことです。
ただ、岡野先生のように、信念を持って、行動している人がいます。
もしかしたら、これこそ、自信の根源かもしれません。
岡野先生は、ほかに論理療法の専門書も書かれています。
どれも、岡野先生の人柄を感じられるもので、手に取ってみることをおススメします。