岡野守也のレビュー一覧
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もう大学を卒業して十年以上過ぎますが、
在学していた時に岡野先生の講義を受講していました。
岡野先生の人柄に強く惹かれたのを覚えています。
今も以前も、「生きる」ことに不安を抱えた若い人は少なくないですが、
国際的調査を見ると、日本の若い人の自尊心の低さは、際だっています。
「自分に自信がない」、「将来は明るくない」と答える生徒は、
7割~8割程度と、先進国ではダントツに高い水準です。
一番可能性を感じる時期なのに、その可能性を感じることができないのは、
本人の問題というより、日本社会全体の問題です。
岡野先生は、コスモロジーという概念で、あらゆることへの「つながり」を、
強調していま -
Posted by ブクログ
私自身がトランスパーソナル心理学にもにも関心が深いので、この二分野を基盤に発言する岡野氏の著作はほとんど読んできた。が、この本はとくに興味深い。
まず戦中の大多数の仏教者が積極的に戦争協力の発言をし、「無我とは滅私奉公である」「無我とは天皇陛下のために死ぬことである」と説いていたという。禅僧も含め、戦前の仏教指導者たちは「自我を滅ぼして国のために尽くすことが無我だ」という混同に陥っていた。
ほとんどの仏教者がそうだったという事実に驚くと同時に、今はその過ちを認識できる歴史的状況になったが、「私があの時代に仏教界の責任ある地位にいたら、本気で同じことを思い、発言していたかも知れない」という洞 -
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この本は、入門的なハウトゥーものかなと購入を少し迷ったが、読んでたいへん面白かっ た。現代日本の教育の根源的な問題について非常に大切なメッセージがこめられた本だ。
前半は、「身体感覚をとり戻す」「自己能力感を確立する」「自己価値感を確立する」 「認め合う人間関係を作る」等の観点から、シンプルだがなるほどと感じさせるさまざまな ワークが紹介されている。
後半は、現代科学の宇宙論の視点から、宇宙には自己進化、自己組織化に向かう方向性が あり、その方向性の中にその一部として人間も存在するというコスモロジーを提示する。
近代科学の還元主義的な世界観を暗黙のうちに押し付ける現代日本の教育のあ -
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著者である岡野先生(非常勤)の講義を受けています。600人ほど受講登録されて平均的な出席人数は400人ってとこでしょうか。そして僕はその中でもかなりやる気のある部類に入っていると自負しております(笑)まぁ僕以上に友達がえらく熱心で;なんと5名しか参加しなかった講義後の自然観察にも参加したぐらい。その講義内容はというと・・・戦後教育によって現代人にできた心の穴を埋めようと試み、現代科学と仏教・霊性を混在させた(どっかの新興宗教の類の発想に似てますが違いますよ。)宇宙観によってその解決をしていこうという講義内容です。まだ前期しか受けてないですが大事なところを挙げるとすれば『アインシュタイン以降の現
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ネタバレ[ 内容 ]
「自我の確立」と「無我の境地」。
めざすべき人格のあり方はどちらか?
自我を主張しすぎるとエゴイズムの蔓延をもたらす。
一方、無我とは滅私奉公であるとの歴史的誤解も根深い。
本書では、大乗仏教の唯識学と現代アメリカの哲人・ウィルバー思想を手がかりに、自我と無我の本来的意味を整理する。
「無我と空」「自我とエゴの違い」「未我→自我→無我のプロセス」などをわかりやすく解説。
その上で、自我と無我の対立概念を超えた全宇宙論を提唱。
到達すべき人間成長のビジョンを明確にした、思想的挑戦の書。
[ 目次 ]
序章 自我か、無我か―日本の精神史百年の葛藤
第1章 手がかりとしての唯識とウィ -
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あら?講義では絶版だとか言ってたのに表紙の画像出るんだ。でも買わないと単位貰えないとか、500部売れないと元が取れないだとか、仏の話をする人がそんなこと言うと・・・・^^;まぁ「最近の学生は本を読まない」という説教の流れから出た話で、気持もわかるけども・・・。
ひらがなが多いような気がするけど、それも「一般読者にもわかりやすく」のための配慮だろうか?そんなことはいいか。具体例が多用されてるので確かにわかりやすいし、要点も少ないので読み返すのにも楽そう。女性の間で仏教ブームだって話もあるので、あと一回ぐらい読んでまとまった知識にしたいな^^安心したのは宗教を教団化していくことに対する批判がされて