作品一覧

  • 遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年
    値引きあり
    4.0
    1巻1,617円 (税込)
    ユーラシアの遊牧民が、世界史のなかで果たしてきた役割の大きさについては、近年、広く知られている。黒海沿岸にまで黄金文化を展開したスキタイや、歴代の中華王朝を脅かした匈奴や鮮卑、突厥などの存在、さらに13世紀にモンゴルが築いたユーラシアの東西にまたがる大帝国は世界史の転換点になったといわれる。 しかし、こうして語られる壮大な歴史像に、本書の著者は心を躍らせる一方で、不満も感じてきたという。そのなかに「遊牧民の姿は見えなかった」というのだ。 ユーラシア大陸を人体に見立てれば、モンゴル高原がその心臓部にあたるという。そこに暮らす遊牧民たちの動静が生み出す人と物の流れが、血流のように各地に行きわたり、人種、民族、宗教の垣根を越えて新しい細胞を目覚めさせてきたのだ。本書は、30年以上モンゴル各地の遺跡を発掘してきた著者が、その成果を集成した「遊牧王朝全史」である。 近年の考古学は理系研究者との協業により、新たな知見を次々もたらしている。例えば、出土人骨の最新のゲノム解析では、多数の東ユーラシア人を少数の西ユーラシア系エリートが統治していた匈奴という遊牧王朝の実態がわかってきている。また、歯石からは摂取していた乳の種類もわかるという。さらに、権力の源泉となる鉄はどこから来たのか、モンゴル帝国が営んだカラコルム首都圏の実態は――。文献史料には表れてこない、遊牧と騎乗の起源の探究に始まる「馬と遊牧のユーラシア史」を知る必読の書。 目次 はじめに 第一章 始動する遊牧民族――青銅器・初期鉄器時代 1 遊牧民の登場 2 家畜馬の到来 3 エリート層の形成 4 遊牧王朝の萌芽 第二章 台頭する遊牧王権――匈奴、鮮卑、柔然 1 ゴビ砂漠の攻防 2 シン・匈奴像 3 単于の素顔 4 みずから鮮卑と号す 5 カガンの登場 第三章 開化する遊牧文明――突厥、ウイグル 1 トルコ民族の勃興 2 大国の鼻綱 3 突厥の再興 4 ウイグルの興亡 第四章 興隆する遊牧世界――契丹、阻卜、モンゴル 1 契丹と阻卜 2 モンゴル部族の登場 3 最初の首都 第五章 変容する遊牧社会――イェケ・モンゴル・ウルス 1 国際都市の繁栄 2 大造営の時代 3 亡国の影 おわりに 参考文献 索引
  • 元朝秘史―チンギス・カンの一級史料
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 蒼き狼と白き牝鹿の伝説に始まる『元朝秘史』。チンギス・カンの生涯と事績を中心に、はるかなる祖先の系譜から第二代君主オゴタイの治世までを綴った、モンゴル帝国研究に不可欠な文献である。史書ながら、異母弟殺し、妻ボルテの誘拐、後継の座をめぐる息子たちのいさかいなど、生々しいエピソードも少なくない。魅力に富む壮大な歴史絵巻を、現地での発掘調査に長年携わってきた考古学者が、新知見を踏まえて解説する。
  • モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    13世紀にユーラシアの東西を席巻したモンゴル帝国。その創始者、チンギス・カンは、質素倹約、質実剛健なリーダーだった。それを物語るのが、著者が近年、発掘成果をあげているチンギスの都、アウラガ遺跡である。良質の馬と鉄を手に入れ、道路網を整備することで、厳しい自然環境に生きるモンゴルの民の暮らしを支え続けたチンギスの実像を、さまざまな文献史料と、自然環境への科学的調査を踏まえ、気鋭の考古学者が描く。
  • チンギス・ハンの墓はどこだ?
    4.0
    1巻1,001円 (税込)
    何年に生まれ、何歳で死んだのか?その墓は、いったいどこにあるのか?考古学の方法で解きあかす、チンギス・ハンの3つの大きなナゾ。
  • チンギス・カン “蒼き狼”の実像
    3.8
    1巻836円 (税込)
    一二〇六年、モンゴル高原の諸部族はチンギス・カンのもとに統一された。強力な騎馬軍団と豊富な鉄製武器を誇る「大モンゴル国」は、西夏や金、ホラズムなどの強国を攻略し、ユーラシアの東西にまたがる世界帝国へと成長した。だが、偉大な足跡を残したチンギス・カンの生涯は謎に満ちている。近年の発掘調査で得られた成果から何が見えてきたのか。モンゴルの大地を駆けめぐる考古学者が、「世界征服者」の実像に迫る。

ユーザーレビュー

  • 遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年

    Posted by ブクログ

    モンゴル高原に芽吹いた人々は、やがて遊牧を行い、
    歴史の変遷の中で様々な王朝が生まれては消えていった。
    最新の考古学と理系研究の協業により、
    遊牧王朝の興亡を解き明かしてゆく。
    ・現在のモンゴル国とモンゴル高原
    ・ユーラシアの王朝の興亡
    ・はじめに
    第一章 始動する遊牧民族 青銅器・初期鉄器時代
    第二章 台頭する遊牧王権 匈奴、鮮卑、柔然
    第三章 開化する遊牧文明 突厥、ウイグル
    第四章 興隆する遊牧世界 契丹、阻卜、モンゴル
    第五章 変容する遊牧社会 イェケ・モンゴル・ウルス
    ・おわりに
    参考文献、索引有り。

    何故モンゴル高原に遊牧民は生まれたのか。
    牧畜の起源と伝播。係留飼、放牧、移牧、

    0
    2025年05月28日
  • チンギス・カン “蒼き狼”の実像

    Posted by ブクログ

    チンギス・カン専門の考古学者による良書。
    古い歴史書からだけでなく、遺跡からの新しい発見を元に書かれた内容が斬新で説得力があって面白い。

    0
    2009年10月07日
  • 遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年

    Posted by ブクログ

     タイトルを見たときは、近年増えている遊牧民、遊牧王朝に関する歴史書と思って読むことにしたのだが、いい意味で当初予想していたものとはずいぶん違った。確かに、匈奴、鮮卑、柔然、突厥、ウイグル、契丹、モンゴルといった遊牧王朝については、学校の歴史授業(世界史の中でも中国の歴史の関連で)でも習ったが、それらのほとんどは文献史料により分かる範囲のものだった。
     しかし、それでは遊牧民の歴史や本当の姿、遊牧文化やその担い手の暮らしぶりなどは分からないのではないかと著者は言う。例えば牧畜の始まりはいつ頃なのか、遊牧を導入したプロセスはどのようなものだったのか、鉄や馬はいつ頃から使われるようになったのか、ま

    0
    2025年01月21日
  • 元朝秘史―チンギス・カンの一級史料

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    モンゴル帝国が世界最大の帝国であることは知っているものの、その歴史を良く分かっていないと思い、購入。

    0
    2024年10月07日
  • チンギス・カン “蒼き狼”の実像

    Posted by ブクログ

    著者は自ら「チンギスハン」専門考古学者と名乗るだけあって、定説に縛られないゼロベースの再考察・再検証が興味深い。冒頭の「カァン」と「ハン」の違いの解説から筆者の熱意が伝わってくる。鉄に着目した視点も斬新だ。チンギスハンに関する書籍としては比較的新しいものなので、最新の文献と研究を総覧できて役立つ。

    チンギスハンの墓はどこにあるのか、壮大な歴史ロマンである。

    0
    2014年09月10日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!