話す力
著:草野 仁
出版社:小学館
小学館新書 177
良書、おもしろかった
本書は、著名なアナウンサ―である草野仁氏が新卒時代に予期せぬアナウンサー部門に配属されて当惑したとの話から始まっています。
結果として、相手に分かりやすく伝えるという目的をもち、いくつかのポイントに気を配れば、話し方、伝え方は必ずレベルアップするが、本書のメッセージです
①アナウンサ研修(発声、アクセント、イントネション、日本語意味・表現方法)
②どんな人がどんな話し方をしているのかを徹底的に研究
③自分の声を録音して、チェック、工夫、繰り返しの練習
が、アナウンサである草野氏が重ねてきた努力です
また、人と話をする時は、
①できるだけ事前に下調べをする
②準備を入念に行う
③どんな人でも気持ちの上では負けないようにする
が大切と述べています。
コミュニケションの手段が多様化している今こと、基本的な「話す」「聞く」力が求められている
気になったことは以下です。
あいさつが大事、人は第一印象を忘れない、そして、あいさつに一言を添えると、なおよい
オアシス お)はようございます あ)りがとうございます し)つれいします す)みません
大人同士は、一度喧嘩をしたら元に戻ることはない、だから、感情に任せて対応してはいけない
そのためには、相手のいいところを見つけること
初対面の人と接するには、聞き役に徹すること、相手を否定せず、誠心誠意、相手の話を聞く
会う前に情報収集をおこなうこと、でも、その内容を100%信じてはいけない
怒られたら、まず「すみません」
相手の話を、まず相手の立場になって理解しようとする
断定、相手を否定するような言葉は使わない
知らないことは、謙虚に聞く、「わからないので教えてください」
情報収集 広く浅くの「横軸」と、2,3の深くの「縦軸」を合わせてもつ
話す内容の準備
・どこから始めるか
・どの順番で話すか
・どこを膨らませるか
・テンポ、声の強弱をどうつけるか
・間をどうとるか
・身振り手振り
・要点を箇条書きにしておく
そして、何度も練習をする
めやす:1分間に300字程度
3分スピーチであれば、750~800字程度
・完璧にはなさなくてもいい
・まちがったら、気にせずに、もう一度言い直せばいい
やる気がでる伝え方
否定や命令では人は動かない
相手に自分の失敗の原因を気が付いてもらい、自主的に直してもらう
ほめるところはほめて、それから、直した方がいいところを伝える
⇒叱るより、次善の策を考えることの方が、ずっと大切だ
リーダは、こうと決めたら、躊躇せず、決断をきちんと全員に伝え、徹底する
リーダは、客観的な視点をもって、部下の言動に常に関心をもって、話をよく聞く
自分が一生懸命やれば、かならず見てくれている人がいる
自分はまだまだだ、こんなことでは負けないと思うからこそ成長できる
一見むだとおもわれるようなことの中にも学ぶことはある
まちがった、プライドをすてて、素直に謝る
相手の性格をみて、対応する方法を変える
いい聞き手とは、相手の話をさえぎらず話を聞いてあげられる人
⇒相手が考えているときは、じっと待ってあげる
―相手の呼吸に合わせていく
目次
はじめに
第1章 話し方を変えれば、人生が変わる
1 コミュニケーションの第一歩「挨拶」
2 初対面の人との話し方
3 苦手な人と話すときの心構え
第2章 誰とでも話せるようになるヒント
1 人から信頼される話し方
2 雑談力をつける
3 話し上手に学ぶ、人を引きつける話し方
第3章 自分の思いを伝える話し方
1 聞く人の気持ちを動かすスピーチのヒント
2 人前で話すときの心構え
第4章 相手をその気にさせる伝え方
1 部下のやる気を引き出す「伝え方」
2 問題解決のためのコミュニケーション
3 親が子どもに伝える説得力
第5章 相手の思いを引き出す「聞き方」
1 司会者が考える「場」のまわし方
2 相手の本音を引き出す
おわりに
ISBN:9784098251773
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:740円(本体)
2013年10月06日初版第1刷発行
2013年11月05日初版第2刷発行