Yコンビネータ (wikipedia) が行っているベンチャー企業投資プログラムと、参加ベンチャー達の3ヶ月間の奮闘の様子を描いた本。
Yコンビネータの投資方法が面白く、
- 同時に数十社のソフトウェアスタートアップに対して、スタートアップの株式7%を引き換えに約100-200万円ほど出資する。
...続きを読む- 投資を受けたチームは、3ヶ月間、Yコンビネータがあるシリコンバレーに引っ越してきて、プロダクトを作り続ける。
- いつでもYコンビネータの役員(多くはスタートアップ成功者)の助言を受けられる。(成功の確率が上がる。)
- 最終日にある デモ・デー(数多くの有力な投資家の前でピッチする日) があり、更に多くの資金を得るチャンスが得られる。
- Yコンビネータに出資を受けたスタートアップは成功率が高いので、投資家にとっても魅力的に映る。
というもので、成功例としては、Dropbox, Airbnb, Heroku などがあるよう。
印象に残ったトピックは、
- スケールしないビジネスは「スモールビジネスの開業」、スケールするビジネスは「スタートアップの開業」。スケールしないの例は、webサイトのデザインを助言するコンサル会社、など。一社一社人手で回らないと成果が出ない。スケールするの例は、webサイトの構築の自動化をし、作成を用意にできるソフトを販売する会社、など。ソフトを作れば爆発的な速度で広まる。
- リーン・スタートアップの考え方をかなり取り入れている。「できるだけ早くプロダクトを作り上げて、即刻リリースし、ユーザからフィードバックを集めて、改良する」を繰り返す。
- 忙しく間違ったことをして過ごさない(正解は顧客の声)
本の中では、20数社ほどのスタートアップの試行錯誤の様子が具体的に描かれており、とてもエネルギッシュでパワーが得られた。「どんな人たちが挑戦しているのか」、「どんなことを思いついたのか」、「その思いついたことをブラッシュアップしていく過程はどんなものなのか」、「それぞれの局面でYコンビネータの役員達はどんな助言をするのか」などが詳細に書かれており、参考になった。