60ページ程度の薄いブックレットであるが、非常に内容の濃い素晴らしい本でした。
著者の吉岡斉九州大学副学長は現在あまりメディアには出ていないと思うけど、もっと注目すべき学者であると思います。
最近、反原発のカリスマと呼ばれ注目され始めている高木仁三郎氏などとも一緒に活動していたようです。
吉岡氏の
...続きを読む基本スタンスは、まず中立的枠組みをとりあえず立てておいて、客観的事実の積み重ねをして必然的な結論に導く、というものである。小出氏などは急進的脱原発論者だろうと思われるが、吉岡氏は自らを無条件反原発論者ではないとし、その理由として、それでは原発推進者と議論にならないからだとする。
この視点は重要。
この本は、原発の危険性などはあまり重要なテーマではない。経済性、政策上の不条理などを緻密に指摘していく。
政策による保護を取っ払ったあるがままの状況においては、原発は経済的に淘汰されるものであるというのが結論である。