斎藤信治の作品一覧

「斎藤信治」の「死に至る病」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 死に至る病
    4.0
    1巻1,001円 (税込)
    「死に至る病」とは絶望のことである。本書はキェルケゴールが絶望の暗黒面を心理学的に掘りさげつつ、人間というものの本質を激しく追求したものであるが、繊細深刻をきわめる絶望者の心理描写の中には、多分に著者自身の自己分析と自己告白とが含まれている。ここに著者の哲学的思索の根本的な特色がある。

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ユーザーレビュー

  • 死に至る病

    Posted by ブクログ

    実存主義の創設者と言われる哲学者キェルケゴールの主著。

    死に至る病とは、要するに絶望(死にたくても死ねない状態)のことで、これを解決するには信仰しかないとのこと。

    読み始めて、早速このような難解な書を読むためにはどうすれば良いかという問題に直面したので、無理矢理にでも自分自身の問題に置き換えるという方法で読み進めた。

    まずは第一編の以下の冒頭は「自己」に別の言葉を入れることで、読者各々の実存(生きるとはどういうことか)を取り出すことが可能だと思った。

    「人間とは精神である。精神とは〇〇である。〇〇とは〇〇自身に関係するところの関係である」

    (私は〇〇に「運命」や「笑い」を当てはめて読

    0
    2024年09月24日
  • 死に至る病

    Posted by ブクログ

    キルケゴールを解説書などではなく、直接読むのは初めてだが、その信仰に身震いした。この歳まで読まずに来たことを悔やむ。つくづく読書は若いうちからはまるべきだ。これまで人生の何分の一かを損した気持ちになった。ただ私のラッキーは聖書に馴染み生きてきたことだ。多くの日本人にとって難解な書と思うが、聖書のバックグラウンドがあることで一文字一文字が沁みるように入ってくる。文体そのものは一見古いが、キルケゴールの言葉運びそのものは、要点が分かりやすく、それをさらに砕いていくのでとても読みやすい。

    人間の最初の姿は絶望である。神の前に犯した罪の故にエデンを追い出されて必ず死ぬものとされた人の姿は絶望そのもの

    0
    2021年12月20日
  • 死に至る病

    Posted by ブクログ

    文章は哲学調で読みにくいが、趣旨は明快。実際、本書が示す段階に沿って一段二段と歩を進め、生きてきた人は少なくないのでは。哲学と馬鹿にさせないだけの見事な現実洞察があると思いました。

    0
    2020年09月19日
  • 死に至る病

    Posted by ブクログ

    引用のされ方によるかもしれないけど、その姿勢や感覚は好印象。読み通すのは大変だけど読み通してよかったと思える。前提に対する共感がある程度必要かなと思う。そうでない人には響かないかもしれない。しかし、やはり名のある哲学者だけあり感じたことは有意義だった。

    0
    2017年12月18日
  • 死に至る病

    Posted by ブクログ

    絶望は自分が存在するというこの驚異的な当たり前を知ろうとしない、そのこともまた絶望。
    絶望ということを知るからこそ、ひとははじめて死というものの存在に驚ける。死に至る病が絶望というのは、生きること死ぬことが、偏に、この絶望から起こるからだ。生に至る病と言ってもいい。存在するということを知ってしまう、当たり前に驚いてしまう、これが病的だと彼は言う。生きることに自覚的になるとき、それまでと同じように生きることなどできない。死ぬことさえできないと知ってしまうのだ。これを病気と言わずに何と言えばいいのか。
    学問的で教化的、彼ははじめにそう言った。
    絶望から罪へと至るプロセスとその状態の分析、そして罪か

    0
    2016年04月09日

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