作品一覧

  • みずうみの満ちるまで

    小説・文芸

    3.9
    1巻2,750円 (税込)
    小川一水氏激賞! 第13回SFコンテスト特別賞受賞作 気候変動と戦争に荒れた未来。富裕層は精神を仮想空間に移し永遠の命を得たが、全財産を次世代に託し死を選ぶ者もいた。彼らを看取る楽園〈ヘヴンズガーデン〉で元難民のコーディネーター・エルムは何を想うのか。人類の過ちと環境破壊の果てを静謐に描く物語

ユーザーレビュー

  • みずうみの満ちるまで

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    ネタバレ

    地球環境がほぼ完全に破壊され、富裕層を除く多くの人々が難民となり死と隣り合わせで生きるディストピアSFだが、物語の舞台は湖と森と季節の花々に囲まれた、自治区内のヘブンズガーデンで終始展開される。美しい情景と語られる絶望の対比が印象的な小説だった。
    穏やかな空間にいるからこそ、自分としてどのように生きて死ぬべきなのかを思い悩む。
    映像で難民たちの目を見て、自分の生きる理由を見失うエルム。安全だが自由のない自治区では「からっぽ」な感覚しか得られない、野生の心を持つリンクス。壊れた世界を残してしまったことに自責の念を抱えながら最後の旅に出るゲストたち。特段大きな展開はなく物語は進んで行くが、それぞれ

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    2026年05月30日
  • みずうみの満ちるまで

    Posted by ブクログ

    誰かの台詞でも「」を用いない文体で描かれる。それが私には、私の声も存在も認識されないような、遠くの場所で人々を見守らされているかのように感じる。それは、私に物語への干渉を許されず、突き放された気持ちにさせる。どんな小説だとしても、それが当たり前なのは重々承知であるが、どこか寂しい。何より、この世界は私達にとっても起こり得る未来で、この世界を自分たちと結び付けておかないと同じ事を起こしてしまうと思う。私も物語の一部にして欲しいのにそうさせてくれない。そんな俯瞰した目線で描かれる本作は、私たちの未来を予言したかのような雰囲気を醸し出している。
    と、前半程度を読んだ自分は考えており、少し残念に思って

    0
    2026年04月02日
  • みずうみの満ちるまで

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    自然環境の崩壊が進む近未来。貧しいものは死に、富めるものがデジタル世界で生きながらえる、そんな中で、敢えて永遠の命を放棄した富めるものたち、生きながらえることになってしまった貧しきものたち、意図せずデジタルの命を得てしまったものたち、そういった彼らが巻き戻せない現世について考える物語りだったと思います。世界観が完成されていて秀逸と感じました。私個人としてはストーリーのピークが最終盤でなかったように感じてその点だけがやや残念ではあったのですが、大変深く考察された内容に好印象でした。星4つとしました。

    0
    2026年04月03日
  • みずうみの満ちるまで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SFというと、無機質で退廃的な印象があります。けれども本作は瑞々しい木々が並ぶ、
    美しい風景を見ているようでした。
    それは本作の舞台が荒廃した世界の中の楽園だから。しかしここを楽園と思うかは登場人物によって異なる。仮想空間で永遠の命を得るか、地表で生まれて死を選ぶのか。はたまたどちらも選べないのか。最後まで読むと他の選択肢も出てくるかもしれない。

    この荒廃した世界で何かを選ぶことができるのは、一部の人間だけ。それ以外の人間は、選ぶことなく奪われて続けていく。そんな人間が減るように、三毛猫は難民を救い続ける。そんな風に感じられました。残酷な世界なのに、楽園の美しい様と三毛猫の存在により、綺麗な

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    2026年02月03日
  • みずうみの満ちるまで

    Posted by ブクログ

    CL 2026.7.9-2026.7.12
    気候変動と戦争で終末的な近未来の地球が舞台。
    莫大な財産を寄付する代わりに自殺を選ぶ富裕層たちを迎えるヘヴンズガーデン。主人公はそのコーディネーターのエルム。
    途方もなく悲しく絶望的なお話だ。ラストに希望を持たせたかったのか、よくわからない終わり方。

    0
    2026年07月12日

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