木野寿彦の作品一覧

「木野寿彦」の「降りる人」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 降りる人
    4.1
    1巻2,090円 (税込)
    〇「滑稽でもあり哀れでもある主人公が、実在の人物に思えるほど描写が自然で的確」(冲方丁/選評) 〇「名作が名作として読者の心に届く瞬間を目の当たりにできた思いで胸が熱くなった。」(辻村深月/選評) 〇「選評を書いているいまも、得がたい余韻がつづいている。」(道尾秀介/選評) 〇「淡々とした、ときにはユーモラスな語り口ながら、最後の一行まで緊張感が失われないのは、主人公の根源的な戦いを、緻密に、正確に、描いているからだ。感銘を受けた。」(森見登美彦/選評) 〇「こういう人の、こういう日々こそを、青春と呼びたい。いや、呼ばせてください。」(尾崎世界観) 心身ともに疲弊して仕事を辞めた30歳の宮田は、唯一の友人である浜野から、期間工は人と接することの少ない「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事だと聞き、浜野と共に工場で働くことに。 絶え間なく人間性を削り取られるような境遇の中、気付けば人間らしい営みを求めるようになっていく宮田だったが、実はある秘密を抱えており――。 選考委員の胸を打った、第16回小説野性時代新人賞受賞作!

ユーザーレビュー

  • 降りる人

    Posted by ブクログ

    心のチカラを抜いて生きて、生きていくって事は、難しいんですかね

    何らかの仕事をして、お金を稼がなきゃ生きていけないから

    0
    2025年11月04日
  • 降りる人

    Posted by ブクログ

    派遣の期間工社員の宮田と浜野。
    機械に追われて高い湿度と騒音の中で毎日を過ごす過酷さを、夜食のパン騒動や、盗まれた自転車や、アダルトDVDを集める浜野、自転車小屋の彼女、男女問題に不思議な感性を持つな田中、機械の作業速度が増し疲弊していく宮田の姿で描いているのだが…。
    暗い職場環境であり、工場では虐げられている人間関係でありながら、この小説の2人は悲壮感を感じさせず、特に浜野は淡々と工場の作業を受け入れていく。
    ある事で派遣工場をクビになった2人のこれから…を様々に想像してしまう余韻溢れた結末は、宮田と浜野の世界観を見事に締め括っていた。
    不思議な面白さがあった。

    0
    2025年10月29日
  • 降りる人

    Posted by ブクログ

    バスに乗り工場に行き単純作業をこなし期間工として働く。
    P9
    〈手元に何かが流れてきて、何かを作り、何かを手放している〉
    ミスをすればチェックを行う正社員の
    「見逃しですよー」の声が届く。
    休憩時間に配られるパン。
    取る順番にも序列がある。

    主人公・宮田の友人、浜野の飄々としたところがいい。
    掴みどころがないような
    それでいて、ハッとするようなことを言ったりする。

    パンのエピソードも妙に惹かれる。
    こう書くと失礼かもしれないが
    吉田修一さんの初期の頃の作品を思い出した。

    一読者としてお願いをするなら
    この先も、変に捻らず素直な気持ちのまま書いてほしい。
    (偉そうに言ってみました)

    何か

    0
    2025年11月17日
  • 降りる人

    Posted by ブクログ

    「映画「PERFECT DAYS』に対して「IMPERFECT DAYS』」と選評で書かれている方がいたが、まさにそんな感じ。これがデビュー作とは凄い。2作目以降も楽しみ。

    0
    2025年10月26日
  • 降りる人

    Posted by ブクログ

    期間工である宮田と浜野の友情と一年を描いた小説、というと何だか爽やかなイメージをされそうだけれど、アダルトビデオだとか変なオナホだとか自慰指南書といったものがストーリーの歯車として使われていて、全体の空気感は猥雑でじっとりと湿っている。ただその部分と淡々と書かれる文章ががっちりと噛み合っていて読み心地は不思議と良い。粗雑な職場環境で作業をこなしていく陰鬱な日々の中で、ふと垣間見る浜野のとぼけ具合やおかしみが、意図以上のものに増幅されることなく受け取れるサイズで宮田に届いているのがしみじみとした余韻を読後に残す。まったくタイプが違う小説ではあるけれど、私は読んでいて『成瀬』シリーズの成瀬のことを

    0
    2025年10月22日

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