作品一覧

  • リベラリズムはなぜ失敗したのか
    3.7
    1巻2,640円 (税込)
    日本経済新聞(2025/06/28)、クーリエジャポン(2025/05/10)などでインタビューが相次ぐ注目の著者。 多くの民主主義国家で不平等が拡大し、強権政治が台頭し、リベラリズムが機能不全となっている。注目の政治学者が政治、経済、教育、テクノロジーといった様々な分野で見られる問題を検証し、失敗の原因と是正をさぐる。宇野重規(東京大学社会科学研究所教授)解説。

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ユーザーレビュー

  • リベラリズムはなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ


    パトリック・J・ディネーンのこの一冊は、現代リベラリズムに対する最も鋭い批判のひとつだ。タイトルにある「失敗した」という言葉は意外なことに、リベラリズムが「成功しすぎた」ことこそが問題の本質だと著者はそう断言する。

    ◾️逆説の核心

    個人を伝統的共同体や慣習から解放するというリベラリズムの約束は見事に実現された。しかしその代償として、国家と市場という新たな巨大機構への従属が生まれ、格差の拡大、人間関係の希薄化、環境破壊が加速した。私たちは本当に「自由」になったのか、それとも別の形の隷属に置き換わっただけなのか。

    ◾️個人主義と国家権力は共犯だった

    多くの人が信じる「小さな政府=個人主義

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    2025年12月12日
  • リベラリズムはなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

    西側自由社会に生きる我々にとって、所与のものである自由主義そのものに問題がある、と認識を根底から崩してくる本。非常に興味深く、また危険な書だ。
     ここでいう自由主義=リベラリズムとは、カマラ・ハリスが大統領選で訴えたものではなく、ましてや日本の「リベラル」の浅薄なものではない。ホッブスやロック、ミルの提唱したそもそもの自由主義である。
    著者はリベラリズムは、個人を元来自由なものであるから、その生得の自由をどこまでも伸ばすとともに、自由に制限をかける従来のシステム(国家や宗教、家庭、慣習など)を破壊することが目的である、と論ずる。その結果、暴走した欲望がかつてないほどの経済的格差を生み、地域社

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    2025年08月06日
  • リベラリズムはなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

    バラク・オバマが高く評価したという本。近代初期のリベラリズムは、自立した個人が生み出す体制を目指した。人間の多様な才能の保護、財産を獲得する多種多様な才能のどれをも等しく保護する結果、その程度と種類とを異にするさまざまな財産の所有がただちに生ずる。そして順調に格差は拡大、広範囲に定着する。個人を理不尽で選択していない人間関係から解放して、この世界をとくに表出的(自己実現的)個人主義に向いた者が成功するように再構築する、それがリベラリズムの責務である。格差是正で無く個人の自由を重視した。

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    2025年04月07日
  • リベラリズムはなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

     「リベラリズムの失敗」とは何か?「序」を見る限りでは、以下のようなことが指摘されている。経済尺度でのメリトクラシー、金権政治、地理的疎外、市民性の基礎となる教育の喪失、人間-技術の主従逆転 等。著者は政治哲学者なので、社会学履修者から見るともっと実証的な話が欲しくなる。

     一方で、リベラリズムが本来的に、新たな格差の出現を内包した自転車操業プロジェクトであるという指摘はクリティカルである。
     これを踏まえれば、議論の立て方の大転回が可能なのではないかと考えた。つまり、「一般人が社会問題の存在を実証すべき」というクレームを、逆に「エリートが社会問題の不在を実証すべき」とできるのである。アカデ

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    2024年09月25日
  • リベラリズムはなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

    リベラリズムは個人を伝統的な社会や組織の束縛から解放することを目指すものであったはずである。ところが現実に起きていることは、個人が国家と市場に支配される極端な格差社会に投げ入れられるという事態である。
    なぜこのようなことが起きたのか。
    リベラリストはリベラリズムの不徹底によると言う。著者は、リベラリズムが成功したからこそ起きたのだ、と主張する。つまり根本的なリベラリズム批判を展開するのだ。
    著者はリベラリズムはアンチカルチャーであるとする。文化を破壊すると。それは3つの柱による。ひとつは自然の征服による自然からの人間の独立。ふたつ目は過去と未来を切り捨てる現在主義。みっつ目は人間が根ざしている

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    2023年03月26日

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