作品一覧

  • 壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き
    4.1
    1巻3,410円 (税込)
    もはやアメリカは“ユナイテッド・ステイツ”ではない.なぜ分断はこれほど深いのか.カリフォルニア大学バークレー校の著名学者が共感を遮る「壁」を越え,右派の心へ向かう旅に出た.全米最貧州の一つ南部ルイジアナでの五年間,ティーパーティー運動を支える人々から聞き取ったディープストーリーを丹念に描く.

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ユーザーレビュー

  • 壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き

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    米国最貧州のひとつルイジアナ州のメキシコ湾に面し、古木の森と湿地地帯の広がる豊かな自然にめぐまれたレイクチャールズ市。沿岸部はエネルギーベルトと称される産油地帯でもあり、世界に名だたる大手石油関連企業がこぞって進出している化学工業地帯。当然、環境汚染は深刻で、がんの多発地帯としても知られる。事故による原油流出、有害物質の漏出など、問題は後を絶たないが、被害に対する補償は十分になされていないようだ。それでも白人が多数を占める住民たちは、環境規制に反対し、企業の自由な経済活動を擁護する共和党を支持している。税金が企業誘致に使われても文句を言わず、雇用創出と税収増のためと受け入れる。現実には雇用は外

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    2024年12月27日
  • 壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き

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    感情労働で有名なホックシールドによる、南部アメリカの右派白人がどのようなナラティブ(この本の中では”ディープストーリー”)を持っているのか分析した大作。一見ルポタージュのように読めるため、非常に読みやすいのだが、その中身は重い。アメリカという国の中での貧富の差の大きさに驚き、また人々の中にこれほどの思想の断裂があることが分かるからだ。

    アメリカンドリームは、努力したものが報われる、という物語。ということは、努力していないものが報われてはおかしい。属性だけでアファーマティブアクションしてもらえるのも変だし、税金が生活保護に使われているのも腹立たしい。そのため、小さな政府を希望する、という風に説

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    2019年11月07日
  • 壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き

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    合理性やロジックに照らして理解しがたいと思われる心情を平然と語る相手を前に、我々はしばしば「理解できない」と口にし共感の壁の前で踵を返してしまう。著者はリベラルの立場から、押し付けられる環境汚染に黙って耐えむしろ連邦政府の保障を拒む共和党支持者(ティーパーティ)の「理解できない人々」の中に分け入り、丹念に聞き取りを続けるうち、彼らの中に、事実かどうかはともかく彼ら自身がそうと自覚する自らの立ち位置=ディープ・ストーリーを見出す。共感の壁の前で一旦は立ち尽くしながらも必死で這い上り超えていく著者の姿勢に深い感動を覚えるとともに、格差という分断の進む世界でのとるべき姿を教えられる。

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    2019年05月06日
  • 壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き

    Posted by ブクログ

    トランプ大領領の支持者は関税化、法人減税等の自分たちの経済的利益を損なう政策を実施しているにも関わらず、依然として支持続けるのは何故かということがこの本を読めば理解できる。筆者はフェミニスト社会学の第一人者であり、2011年から5年間にわたり、ルイジアナ州に長期滞在し、コアなトランプ支持者に密着取材して、彼らの心情を詳らかにした。メディアは彼らを白人至上主義と単純化しているが、多くは善良な市民であるだけに、余計、問題の根の深さを感じた。

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    2019年04月21日
  • 壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き

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    東京新聞20181223掲載 評者: 渡辺靖(慶應義塾大学環境情報学部教授,政策メディア研究委員,アメリカ研究,文化人類学etc)
    週刊東洋経済2019112掲載‣
    朝日新聞2019112掲載評者: 西崎文子(東京大学名誉教授,成蹊大学名誉教授,アメリカ政治外交史,日米関係史wiki)
    日経新聞2019126掲載評者: 渡辺靖(慶應義塾大学教授同上)
    日経新聞2022101掲載評者: 小熊英二(慶応義塾大学総合政策学部教授,歴史社会学者)

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    2022年10月07日

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