・ルルレモンは、地元のヨガインストラクターやトレーナー、アスリートなどをアンバサダーに任命し、商品を提供する代わりに店舗で定期的に開催するヨガやランニングの講師を努めてもらっています。これにより、顧客にルルレモンの世界観を体感してもらい、ブランドロイヤルティを高めることに成功しています。
・顧客がブランドを選ぶ際の基準には、「ブランド選好モデル」と「ブランド・レレバンスモデル」の2種類があるとし、これからの時代には校舎が重要になると説いています。従来のマーケティングでは、「ブランド選好モデル」が重視されてきました。顧客が検討する商品群の中から、選ばれるブランドになること、そして競合に打ち勝つことに集中する戦略です。
・ブランド・レレバンスモデルとは、特定のカテゴリーにおいて、顧客にとって「関連性」のあるブランドが選ばれ、生き残るという考え方です。購入決定と使用経験に対する見方を変えるような、新しいカテゴリーを創造することこそ重要だと説いています。
・顧客は、カテゴリーでおおよその価格帯を認識、期待しています。新しいカテゴリーを創造することで、価値を変え、プライシングを変えることで、売上や利益の構造を大きく変えることはビジネスに大きな影響を与えます
・イノベーションの程度
漸進的:ブランド選好に対する顕著なインパクト
本格的:新しいカテゴリー、あるいはサブカテゴリー
変革的:市場を一変させるもの
・カテゴリー戦略モデル「4C」
1.Customer Problem : 顧客が抱える「潜在課題」を見極める
2.Category Value : 顧客にとっての「独自価値」を定義する
3.Category Keyword : 顧客が価値を「想起できるキーワード」(=カテゴリー名)を定義する
4.Category Perception : 顧客が価値を「直感できるイメージ」を定義する
・今まで顧客が当たり前だと諦めていた「トレードオフ」はなにか。顧客の中には「Aを得るためにはBは諦めるしかない」と無意識に受け入れている「価値の対立=トレードオフ」が多く存在します。「価格が安いものは品質が低い」「高級なものはコストがかかる」などです
・今まで当たり前とされていたトレードオフは、トレードオンにならないか?
・業界構造で当たり前とされていた「不」を言語化し、そこからもたらされていた顧客の潜在意識を定義する。そこに代替案を提示できれば、顧客の潜在課題を解決し、全く新しい価値を提供する新カテゴリーの入口が生まれます
・価値認識の瞬間を特定し、最も価値を伝えるのに効果的なイメージを設計していくことが、強いカテゴリーの連想を作る鍵となりえます
・単なるネーミングやコンセプトだけではなく、顧客の頭の中で自然と浮かぶ、「ビジュアル化された価値」を築いていくことで、カテゴリーはより深く、より広く浸透していきます
・カテゴリーエントリーポイント:新カテゴリーはどんな瞬間に想起されたいのか
・エピソード記憶:「このカテゴリーにはこういう意味がある」と頭で理解するより、あのシーンでこんな価値のある体験をした」と経験するほうが、記憶として残りやすくなります
・カテゴリー浸透の重要ドライバー
1)課題啓蒙:カテゴリーを浸透させるために最初にすべきなのは、顧客に課題を正しく理解してもらうこと。カテゴリー創造には顧客が気づいていない潜在課題にアプローチすることが求められます。顧客が課題を正しく認識できていない状態では、解決策を説明しても、それがなんのために必要なのかよくわかりません
2)信頼獲得:このサービス・商品なら、課題を解決し、効果が見込めるかもしれない」と信頼してもらうことが重要です
3)接点最大化:一人ひとりに対して課題を掘り起こす、信頼を獲得することがまず最小単位として重要で、その和を広げていくという発想で取り組むべき
・キャズムを超えるために、ターゲットを一定程度絞り込んだうえで、「ホールプロダクト」を提供する。ホールプロダクトとは、商品そのものだけでなく、購入・導入支援、サポート、教育コンテンツ、他社との連携ツールなど、顧客が安心して価値を享受できるための付加価値要素を含む一連のプロダクトを指します
・企業が伝えきれていない独自価値やビジョンまで、インフルエンサーがわかりやすく表現しているケースが多々ある
・屋外広告はB2Bでの活用はやや難しい印象がありますが、非常に効果が高いと言われているのが、出版と電車広告を組み合わせた展開です
・社会全体に新たな概念や価値観を共有したいときに、屋外広告は「公共空間における宣言」としても極めて有効な選択肢
・企業は「ルールの受け手である」だけではなく、「ルールの共創者」として関与する姿勢が求められます
・機能便益と情緒便益の両方を満たす
・カテゴリー戦略とは、未来を創造することだ。コーヒーの場合、「未来を創造すること」は「コーヒーを飲む文化、習慣を作ること」と同義
・アセットを強みと勘違いしない
・Agility(環境変化への素早い対応)はCuriosity(好奇心)とListen(聞くこと)の掛け算