エド・ヨンの作品一覧
「エド・ヨン」の「動物には何が見え,聞こえ、感じられるのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「エド・ヨン」の「動物には何が見え,聞こえ、感じられるのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
人間に見えているものだけが世界ではないし
人間の世界以外は劣っているという訳でもない。
ともすれば忘れがちなことを教えてくれる本。
紫外線が見える鳥、赤外線で獲物を追うヘビ、電場で狩りをする魚、磁気を感じて渡る鳥。
ユクスキュルの「環世界」という概念の、圧倒的な実例集になっている。
人間の感覚を基準にして、それより優れているか劣っているかで測るのではなく、それぞれの動物がそれぞれの必要に応じた世界を持っている。
ライオンは失明寸前でも夜に狩れるなら問題ないし、比較で語れるものではない。
感覚汚染の章が印象に残った。
光害で渡り鳥が迷い、人間の作り出した光や音が動物たちの環世界を壊している。
新型コロナの流行が示したのは、社会が本気で人々を動機づければ感覚汚染は軽減できるということだった。
公園の人気区域にランダムなスケジュールで静寂ゾーンの標識を掲げると、
騒音レベルが3デシベル減少したという。
ただ、著者が釘を刺す通り、個人の責任能力で社会の無責任のつけを払うことなどできない。
本当に減らすには、もっと踏み込んだ社会の側の対策が必要だ。この現実的な視点が良かった。
そして、他の環世界に入り込む能力こそ、私たち人間が持つ最も偉大な感覚スキルだという結びに納得した。他の動物になりきって実際を知ることはできない。
それでも、彼らの世界が自分たちのものと異なると知っていて、観察やテクノロジー、科学的手法、好奇心、想像力を使って、その世界に入り込もうと努力することはできる。この、想像力で他者の知覚に歩み寄ろうとする営みそのものが、人間の特別さなのだと思う。
知識としても面白く、姿勢としても学ぶところの多い本だった。
Posted by ブクログ
まず、32ページに渡る動物たちの写真と簡潔なコメントがある。
20ページに渡る「はじめに」は最初の写真と密接に結びついており、本書の内容の全体像を示している。
本編は、以下のような順番で話が進む。
匂いと味、光、色、痛み、熱、感触、圧、振動、音、超音波、電場、磁場、感覚の統合
鳥、魚、哺乳類、爬虫類、虫…などなど
これらの動物それぞれが異なる感覚能力を備えている。
ヒトには超音波は聞こえないし、紫外線や赤外線は見えない。
私はヒトとしての感覚しか知りえないので、他の動物たちが何を感じてどんな世界で生きているのかわからない。
人は動物を見ると擬人化して自分と同じ感覚を持っている(特に視力と聴力)と勘違いしている。
最初のカラーページの70種類ほどの動物たちの持っている能力が順番に明かされる。
いろんな動物それぞれが感じている(だろう)世界が具体的に書かれていて、とても好奇心をくすぐられ面白かった。
ただ本書の物量は半端ないので、一般の素人読者の能力レベルでも読み易いように考慮されていることに感謝したい。
単に説明するのではなく、語りかけてくる感じが目の前で話を聞いているようで親しみやすかった。
この本は人間が感じることのできない世界について具体的に述べている。
断定的に「こうだ」と言い切る説明が多く、頻繁に「本当?」と思う。
十分な証拠がなく仮説に過ぎないかも知れないが嘘だとも言い切れない。
特に電場と磁場については、あまり論じられていないので新鮮な情報だった。
人間は空気を汚染し、夜でも光で明るく照らし、騒音やら電波やら匂いをまき散らかす。
動物たちが生きる環境が人間によって荒らされていることも強く感じた。