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  • ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識
    5.0
    1巻3,960円 (税込)
    ハチは「群知能」だけでなく、1匹1匹も高度に進化した心をもっていた! ハナバチの認知研究の権威である著者が、1匹の内にある驚くべき精神生活を説き明かす。もちろん、ハチの心は人間の心とはまったく異なる。しかしハチの心が「原始的」だと思ったら大間違い。本書の読者はまず、ハチの賢さに驚嘆するだろう。どんな課題もたちどころに学習し、瞬時に効率のよい判断を下して問題解決する。数を数え、道具を使い、ほかのハチやほかの動物から問題解決の方法を盗みさえする、等々……。この速くて柔軟な心は、採餌や帰巣の必要、ハチの形態やサイズなどに適う方向へ、進化の手が精巧に磨き上げてきたものだ。ファーブル、カール・フォン・フリッシュ、マルティン・リンダウアー、そしてもちろん著者自身も含め、数多の研究者たちがアイデアを凝らした巧妙な実験によって、その「異なる心」の解明に挑んできた。ハチの内面を探る実験のおもしろさも本書の大きな読みどころの一つだ。著者はハチの個体が「パーソナリティ」をもち、「自他」を区別し、内的表象を形成し、苦痛や情動を経験するといった心的機能も探っている。本書を読む前と後で、ハチはもちろん、すべての昆虫への見方が変わらずにはいられない。

ユーザーレビュー

  • ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識

    Posted by ブクログ

    フォン・フリッシュがミツバチの色覚やコミュニケーションを研究してノーベル賞を授与されたのは1973年。ミツバチの賢さと社会性はそれでお墨付きを得たようなものだったが、さらにその先の先があった。本書の原著は2022年刊。フリッシュ以降、半世紀の研究の展開。
    実験をしてみると、道具も使えるし、観察学習もできる。遅延見本合わせの課題もクリアするし、(チンパンジーにも難しい)紐引き推理課題も解ける。仲間の個体識別もできるし、やらせてみると、ヒトの顔の識別もできる。喜怒哀楽もあるし、仲間への共感もあるようだ。個性もある。自意識ももっているかもしれない。まるで人間みたい。動物の行動や能力を「擬人化」しちゃ

    0
    2025年12月09日
  • ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識

    Posted by ブクログ

    ハチの行動を遺伝子と学習から彼らが知識と意識を持っていることを一つずつ示していく。彼らは社会性を持っているがその分析だけで意識がないと前提を置くのではなく、個体の分析を通じて、違い、やり取りからメタレベルでの自己意識があると考えられる。

    0
    2025年07月23日
  • ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識

    Posted by ブクログ

    分量もあり、難解な部分もあるが
    ワクワクしながら読むことができた。
    子どものころに、
    ファーブル昆虫記で
    感じたものと同種の感覚。

    研究者たちの思考の過程も
    丁寧に描かれていて
    シンプルに見える説明が
    シンプルに間違っていることが
    ある、という箴言?も響いた。

    薄氷を渡るなら踊りながら、
    という言葉も個人的には
    ヒットした。

    0
    2025年06月29日

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