作品一覧

  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち
    4.2
    生まれ故郷が嫌いだと吐き捨てるように言った、一人の若者。その出会いを原点に、沖縄の若者たちをめぐる調査は始まった。暴走族のパシリとなり、建設現場で一緒に働き、キャバクラに行く。建設業や性風俗業、ヤミ仕事で働く若者たちの話を聞き、ときに聞いてもらう。彼らとつき合う10年超の調査から、苛酷な社会の姿が見えてくる──。補論を付した、増補文庫版。
  • 沖縄社会論 ――周縁と暴力
    4.0
    1巻2,882円 (税込)
    暴走族のパシリにはじまり、沖縄で調査を続けた。 『ヤンキーと地元』を書いた伝説のフィールドワーカーによる遺稿集。 2024年12月9日に急逝した、社会学者・打越正行さんの遺稿集を一周忌に合わせて刊行。 『ヤンキーと地元』(2019年3月刊、2024年11月ちくま文庫化)で打越さんは、沖縄の暴走族の「しーじゃ・うっとう(先輩・後輩)」関係などをもとに、建設業で生きるリスク層の生活を描かれました。地元の人間でも調査できない領域にパシリとして入っていった著者の本は、ナイチャーの書いたものとして驚きをもって迎えられ、第六回沖縄書店大賞沖縄部門大賞を受賞するなど高い評価を得ました。 本書は打越さんの遺した、パシリ論、沖縄社会論、暴力論の3部からなり、石岡丈昇、上原健太郎、上間陽子、岸政彦各氏の解説を付す。 === 根本はあくまでも「社会学者」だった。 暴力の真ん中で、生活をともにするような調査をしながら、 打越は優しい男だった。 ――岸政彦 みんなが打越くんの仕事を超えていく。 そこに自分の仕事を重ねながら、連なりながら。 ――上間陽子 ===

ユーザーレビュー

  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち

    Posted by ブクログ

    いやぁ、すごい。こんなこと、真似できるはずがない。
    本当に若者たちの現状を知りたい、その思いがあるからできたこと。
    だからこそ、聞けた話があるのだと思う。
    私は、普通の家庭で生まれ、今まで過ごしてこれた。当たり前に学校に行き、当たり前に将来を考え、今に至る。
    でもこの著書に出てきた若者にとっては、そうでない。
    沖縄は、非正規雇用が多く、賃金も安い。離島であり、物流のコストも高く物価高につながっている。米軍基地の使用もあり、経済発展が自由にしづらい状況。そのような中で生活をしていくことで、学校にも行かず、若年での結婚妊娠出産、そして離婚という経験を多くの人がしているため、教育を受けることもできず

    0
    2026年05月31日
  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち

    Posted by ブクログ

    当時のリアルな生活史ではあるが、沖縄の友人と話すと現状は古くなってしまっている印象。

    肝はそこではなく、参与観察の手法や工夫においては、会社組織の形成、醸造にも活かせる部分もあると感じた。

    0
    2025年12月12日
  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち

    Posted by ブクログ

    「なぜもっと普通にこうしないのだろう」という感覚が、やはり自分の中に傲慢に生まれるように感じる。そういうことを再確認することは、自分にとって大事に思う。
    その日暮らし的に「しーじゃとうっとぅ(先輩と後輩)」のしがらみの中でどうにかこうにか生きている沖縄のヤンキー上がりの人々。その価値観や感覚をリアルに感じることができる。とはいえ、知った気になってしまうことは何よりも危ない気もする。
    「うっとぅとしーじゃと地元」の構造を質的調査から解き明かした、というメタな評価をする自分もありつつ、それで終わってしまうことの傲慢さも感じる。じゃあそのリアルを自分はどう受け取って考え行動するのか、ということを、ほ

    0
    2025年10月02日
  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち

    Posted by ブクログ

    打越正行「ヤンキーと地元」中学くらいのときの先輩後輩の上下関係に一生固定される人生でその狭い人間関係やコミュニティから脱出するには地元を捨てるしかないのか‥札幌みたいに人間関係が淡白な土地で育つと東京でさえもウエットでベタベタしてると感じてうんざりするときあるからこれ当事者たちはほんとうに大変だろな こういうの読むと生活拠点としての地方都市は札幌以外考えられないなとつくづく思う

    0
    2025年09月15日
  • ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち

    Posted by ブクログ

    暴走族や鳶職という男性社会のパシリとして参与観察し続けた打越先生。あとがきで「ホモソーシャルなつながりで展開されるコミュニケーションの蓄積」を迷いつつ貫いて調査(生活)したことが記されている。明確な暴力や差別や法律違反に留意した上で、社会学者としての冷静な判断も持ち合わせる。峰の上を進むような不安定さが読後感として残るのはそうした先生のスタンスにもよるのだろう。

    社会学的な考えがいち生活者にも必要な視点だと感じた。他者に深く入り込むことは誰もが真似すべきだとも思えない。ただ参与観察は自分の周囲で可能なのではないか。自身はその場の当事者なのだから。21世紀初頭の日本に住む市井の人間として観察し

    0
    2025年09月07日

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