作品一覧

  • 罪深きシリア観光旅行
    4.0
    1巻1,287円 (税込)
    2011年から内戦が続くシリア。政府と反政府勢力の対立を軸に、宗教や大国干渉といった問題も孕みながら内戦は泥沼化。国民の貧困化とともに670万人以上とも言われる難民を流出させたアサド大統領による独裁国家は、今世紀最大の人道危機を招いたとして世界中から問題視されている。 著者は、混迷を極めるこのシリアの現状を自分の目で見るために、一介の観光客として入国。わずか10日間の、しかもルート限定の観光旅行だったが、自ら果敢に戦下の町を歩き、地元の人々と言葉を交わしていく。国によって仕組まれた、作られた旅行ではあるが、わずかながらも垣間見えたシリアの今の姿を著者は見事に描写。なかでも悪名高きサイドナヤ刑務所で過酷な拷問を受けながらも生き延びたシリア人の話は圧倒的だ。 異色の旅行記であるとともに、多くの人に読んで欲しい問題提起の書でもある。 第3回わたしの旅ブックス新人賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 罪深きシリア観光旅行

    Posted by ブクログ

    著者が現地で様々な立場の人と接している中で、今のシリアが抱えている問題の複雑さを垣間見ることができました

    シリアの美しい景観や人々の暮らしががこれ以上傷つけられないことを願うばかりです

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    2024年05月02日
  • 罪深きシリア観光旅行

    Posted by ブクログ

    アサド政権が倒れてめでたしめでたし、ではないみたいだということがこの本を読んでわかった。反体制派、宗教、人種、外国勢、一筋縄ではいかない。
    そこそこ幸せに暮らすことの、なんと難しいことだろう。

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    2025年10月11日
  • 罪深きシリア観光旅行

    Posted by ブクログ

     シリア、アサド政権が崩壊する少し前、まだ内戦中の2022年に著者は観光客としてガイドと共にシリアを「旅行」する。

     ダマスカス、パルミラ、ホムス、イドリブ、アレッポ・・・内戦のニュースで幾度ともなく聞いた都市では、普通の生活している街の隣に爆撃されたり地上戦が行われた廃墟を見る。平穏に暮らしているように見える市民は今も戦火の中にある、ということを見せつけられる。

     著者はガイドもドライバーも実は秘密警察で、常に自分を観察していて、不都合があればいつでも拘束、監禁されることになるのではないかと恐れている。

     読書中、僕は著者は疑心暗鬼にすぎる、ドライバーもガイドもいい奴じゃないか、とすら

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    2025年06月28日
  • 罪深きシリア観光旅行

    Posted by ブクログ

    アサド政権が崩壊する前の政権支配地域の様子が、旅行者の視点で描かれる。飾らず率直なレポートで、小説のように面白い訳ではないが嘘もないように感じた。シリアは長年、宗教的には少数派であるアラウィ派のアサドが政権を握ってきたためか、キリスト教徒などの少数派も含めた、人々の間に宗教や宗派の違いにこだわりのない雰囲気があったが、内戦が始まってから政府も率先して特定宗派に政治的責任を擦り付けるような態度をとるようになり、現在の悲惨な状況が作り出されたという。これからのシリアがどうなっていくのかを見ていく上で参考になった。

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    2025年04月26日
  • 罪深きシリア観光旅行

    Posted by ブクログ

    知らない世界、、常に監視を意識して生活しなくてはいけない
    この日本に生まれてよかった。奇跡だよなぁ。

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    2024年04月01日

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